2009年08月17日 (月)「横浜英語村」リポート
2011年度から完全実施される新学習指導要領では、小学校に英語を中心とした外国語活動が導入されます。これに先立ち、横浜市では市立小学校の全学年でYICA(横浜国際コミュニケーション活動)を設定し、授業の中に積極的にネイティブスピーカーを配置するなど、独自の方法で子どもたちの英語活動を推進しています。
この発展的な活動として、小学生が1日英語だけを使って活動する「横浜英語村」が、ことし7月21・22日に横浜市特別支援教育総合センターで開催されました。
◆村内には、英語を使う仕掛けがいっぱい!
第1回目の開催となる横浜英語村。
英語を使う体験を集中的に行うことで、これまで以上に子どもたちが学校での外国語活動に積極的に参加したり、外国の人たちとのかかわりをより大切に思うようになったりすることが目的です。
会場へやって来た子どもたちは、まずパスポートを出して入村手続きをします。スタンプを押す外国人スタッフから"Good morning!""Which school?"などと話しかけられ、はにかむ子どもたち。でもしっかりと"Fine, thank you!"などと答えていました。
英語村では、子どもたちは2~4校で10名1グループとなり、各校の引率の先生2名と、11のブースを回ります。持ち物は、パスポートと受付で渡された英語村オリジ
ナルの紙幣です。
1つのブースで活動が終わると、パスポートに1つスタンプを押してもらいます。すべて埋まるとあることばが出てきて、それを銀行で言うとさらにオリジナル紙幣をもらうことができます。でも、すべてのブースのスタンプを集めても11個にしかなりません。もうひとつは日本人スタッフのだれかが持っているシークレットスタンプ。時間によって持つ人が変わるので、スタッフに会うとまめに"Do you have the secret stamp?"と声をかけなければ、スタンプを手に入れることができません。
このように英語村には、子どもたちが積極的に英語で話しかけるくふうが、あちこちに仕掛けられているのでした。
◆11のブースで、バラエティ豊かな英語活動!
それでは、ブースの活動内容を紹介しましょう!
【Hula Hut】 (本場ハワイのフラダンス体験)
“Aloha!”の声に迎えられ、みんなでレイ(花や貝殻の首飾り)をして、ハワイの伝統的な踊りフラダンスを踊ります。
外国人講師は、フラには手の動きひとつひとつに意味があると説明しました。Rock(岩)、Wave(波)、Seaweed(海草)・・・、それぞれの動きにステップをつけると、フラダンスの動きになります。ハワイのムードがたっぷりの曲にあわせて踊ると、気分はすっかりハワイアン。みんなでフラダンスを楽しく踊ることができました。
【Eco House】 (どの野菜の種かな?)
プラスチックに入った種と、ブロッコリーやレタスなどの野菜の写真を見比べて、その組み合わせをあてるゲームです。種を持って行って外国人講師に“Is this a tomato
?”などと聞くと“OK, that’s right!”と答えてくれます。あたると「やったあ!」と歓声が上がり、とてもうれしそうな子どもたちでした。
【Magic Art】(英語を聞いて絵を描こう!)
一人ひとりにスケッチブックと色鉛筆が配られ、外国人講師が“Open your sketchbook. ”と声をかけます。どうやら、みんなで何かの絵を描くようです。
外国人講師は“Let’s draw a big cloud!”と呼びかけたあと、自分のスケッチブックに大きな雲の絵を描いてみせました。それにならって、自分のスケッチブックにいろんな色の雲を描いていく子どもたち。続いて、small triangleや、chopsticksなどを描いていきます。と、男の子が「すごい、羊じゃん!」と声を上げました。いつのまにか
みんなのスケッチブックにはかわいい羊の姿が浮かび上がっていました。
世界に1枚しかない羊の絵。子どもたちはそれを大事そうに持ち帰っていました。
ほかのブースでは、パズルのゲームや、指遊びなど、それぞれバラエティ豊かな活動が繰り広げられていました。
また、Duty-free shopでは村内のお金を使って実際に買い物をすることができます。店内には、鉛筆、消しゴム、タオル、ノートなどが並べられています。店員に“Hello. Which do you want?”と尋ねられて、子どもたちは“Note, please.”などと答えてうれしそうに品物を受け取っていました。きっといい記念の品になることでしょう。
今回の横浜英語村の外国人スタッフは16名。その出身国はアメリカ、ケニア、シンガポール、オランダなど、12か国にも及びます。英語を母国語としていない国の人もあえて入れているのは、英語を使うとこんなにいろいろな国の人とコミュニケーションがとれることを子どもたちに感じてほしいからだそうです。
◆さまざまな国の人とふれあい、違いを受け入れる姿勢を育てたい
英語村にやってきた子どもたちは、2日間で240人。16名の
外国人スタッフと、数人の日本人スタッフとともに、たくさんの英語活動を体験することができました。
参加した子どもたちに感想を聞くと、「いろいろな外国人としゃべれたのが楽しかった!」「夏休みの楽しい思い出になった。きょうのことを生かして、自分から外国の人に声をかけていきたい」と、うれしそうに話してくれました。
引率した先生は「学校での英語活動にも参考にしたいと思います。ゲームのやり方だけでなく、外国人講師の子どもの引きつけ方などを生かしていきたいです」「いくつかの学校で1グループとなって行動したので、学校をこえた新しい交流も芽生えていました。昼食時間も外国人スタッフと話ができて、みんな楽しそうでした」と話してくださいました。
「子どもたちの笑顔を見て、やってよかったと思いました!」と、このイベントを運営した横浜市教育委員会学校教育部小中学校教育課の森博昭指導主事は顔をほころばせました。実際に英語村で楽しんでいる子どもたちの様子を見て、手応えを感じたそうです。
横浜市は港を中心に、海外との窓口として発展してきました。そうした背景から、横浜市教育委員会では子どもたちに海外の人たちと交流する力を身につけてほしいと小中学校の英語活動に力を入れてきました。そのひとつの試みとして、この「横浜英語村」を企画したのです。
小学校から外国語活動を始めるというと、早いころから英単語や英文法を覚えなければいけないといったイメージがありますが、森指導主事はそうではないと強調します。「小学校で英語を学習するのは、中学校の勉強の前倒しではありません。英語をたくさん覚えるより、人とたくさんかかわろうという姿勢を身につけてほしいのです。それはきっとふだんの生活態度にもプラスになるはずです」。
今回の英語村で子どもたちは、各ブースで英語で説明されるルールを理解して、楽しむことができていました。英語を十分に話せなくても、理解したい、伝えたいという気持ちがあれば、外国人と十分に気持ちを通わせ合えるということが感じられたのではないでしょうか。
投稿者:デジタル教材スタッフ | 投稿時間:14:00
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