埼玉 元荒川       

 

埼玉県熊谷市の元荒川は、住宅街にありながら澄んだ水が流れています。地下水が元荒川の源になっているからです。水辺にはクレソン(オランダガラシ)やミクリなどが生え、それらの根元には、小鳥のような巣を作って子育てをするムサシトミヨ(絶滅危惧種)が棲んでいます。卵が孵化する2週間ほどの期間をオスは胸ビレを使って巣に新鮮な水を送ることに費やし、稚魚が巣立ったころに、ほぼ1年の寿命が尽きます。ムサシトミヨは東京や埼玉で湧き水が豊富だった頃には普通に見られましたが、昭和30年代に湧き水が涸れてしまってからは、元荒川源流部でしか生存が確認されていません。なぜ、ムサシトミヨは元荒川源流で生き残ったのか? 
 
   番組では、ムサシトミヨの生息がどう周りに影響しているのかを探りに、夏の元荒川を訪ねます。

 

かつての荒川本流のなごりが「元荒川」です。 セリやクレソンそしてこのミクリなど清流ならではの水草が繁茂します。
湧き水や地下水にしか住めないムサシトミヨ。世界でも元荒川にしかいません。 巣を水草の根で作ります。
元荒川の水を引いた田では
全国で数が減ったカブトエビも見つかります

 




(語り)

館野直光アナウサー

(取材地・取材時期)

取材地:埼玉県熊谷市佐谷田の元荒川源流部
取材期間:2002年7月2日(火)〜7月7日(日)
交通手段:JR熊谷駅(高崎線)徒歩10分
(登場する地形、生き物、植物) 水生生物:ムサシトミヨ(絶滅危惧種)、カブトエビ、ホウネンエビ、ミジンコ、オタマジャクシ
鳥類:カワセミ、カルガモ
植物:ミクリ(準絶滅危惧種)、クレソン、コカナダモ、セリ
地形:元荒川源流(市街地の中を流れる幅1.5mほどの小川)水源は埼玉県農林総合研究センター水産支所(旧・水産試験場)から汲み上げる7000トン/日の地下水
(より詳細な情報の入手先 ) ● ムサシトミヨがすむ元荒川源流部は埼玉県の天然記念物になっています。ここでの魚、植物の採取は条例により禁じられています。ムサシトミヨは数が少ないため、密漁を防ぐため、「ムサシトミヨを守る会」によるパトロールや近所の人の監視が行われています。
●生きたムサシトミヨは埼玉県立「さいたま水族館」でみる事ができます。
● 元荒川源流になっている埼玉県農林水産総合研究センター水産支所では、土日はお休みですが、平日には水槽に飼われているムサシトミヨの見学ができます。 

 (担当者番組アピール)
埼玉県熊谷市は夏、気温30度を越えることが珍しくありません。しかし、10〜15度の冷たく透明な小川が市街地の中に流れています。夏本番、元荒川の澄んだ流れの中だけに棲むムサシトミヨをじっくりとご覧下さい。