栗駒山(2005年7月31日放送)


栗駒山
栗駒山
宮城、岩手、秋田の3県にまたがる栗駒山は、標高1,628mの古い火山です。火山活動によってできた湖や渓谷、湿原など変化に富んだ景観があります。とくに湿原は、希少種が生息する湿原として、環境省の重要湿地に選定されています。豊かな自然を育む夏の栗駒山を訪ねます。

ルリイトトンボ
ルリイトトンボ
栗駒山のいたる所にある池塘(ちとう)といわれる水たまりではルリイトトンボが産卵します。

ワタスゲのお花畑
ワタスゲのお花畑
「お花畑」の別名を持つ湿原・名残ヶ原では、ワタスゲが見ごろを迎えていました。

昭和湖
昭和湖
栗駒山の噴火でできた湖・昭和湖です。エメラルドグリーンの湖面は、風が吹くたび、色を変えます。

イワカガミ
イワカガミ
山中では、ピンクの花がうつむくようにして咲くイワカガミの群生が見られます。

ブナの森
ブナの森
山麓から中腹にかけては、手つかずのブナの森が広がっています。

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ
標高700mあたりに広がる世界谷地では、初夏、ニッコウキスゲが咲き乱れ、一面オレンジ色に染まります。


語り 結城さとみ(NHKアナウンサー)
取材地・取材時期 ●取材地 : 宮城県、岩手県、秋田県の3県にまたがる標高1627.7mの栗駒山。宮城県と岩手県の登山コース(中央コース、東栗駒山コース・須川温泉コース)と宮城県の世界谷地やブナ林を中心に取材しました。
●取材時期 : 6月下旬〜7月上旬
登場する地形
生き物・植物
登場する地形
●世界谷地(宮城) : 標高700m前後に広がる14haの細長い湿原です。緩やかな南斜面に広がり、貴重な高山植物の宝庫。特に6月下旬湿原一面に咲き乱れるニッコウキスゲ大群落は圧巻です。
●名残ヶ原(岩手) : 栗駒国定公園にひろがる広大な須川高原の中でも、とくに「お花畑」の通称で親しまれる名残ヶ原湿原。サワランやワタスゲなど、約30種類の高山植物が楽しめます。
●地獄谷(岩手) : 須川温泉コースの昭和湖の手前にある岩肌むき出しの荒涼とした所。二酸化硫黄や硫化水素が吹き出して危険なため、登山道にそってロープが張られ、立ち入りはできません。
●昭和湖(岩手) : 昭和19年のガス爆発によって生じた池。美しいコバルトブルーで、快晴の日などは一段と青みを増し、神秘的です。湖水はかなりの強酸性。
登場する動物
●イワツバメ : 平地から山地まで生息し、海岸や山地の岩場、コンクリートの建造物に集団で営巣します。ツバメより小さい体をしています。「ジュリリ」「ジュリ」と鳴きます。
●ウソ : 留鳥もしくは漂鳥として本州中部以北の亜高山帯針葉樹林、北海道では低地のエゾマツ林で繁殖し、冬には低山や平地に移動します。
●ルリイトトンボ : 成虫期は6〜8月。北海道では普通に見られますが、本州では高山地帯の湿原や沼などに生息します。体の瑠璃(るり)色が特徴的です。
登場する植物
●モウセンゴケ : 低地〜亜高山の日当たりの良い湿地や湿原に生える食虫植物です。ふちと表面に長い腺毛(せんもう)があり、腺毛から粘液を分泌して小さな昆虫を捕食します。
●シロバナニガナ : 本亜高山帯〜高山帯岩礫地や岩隙に生育します。冠毛は褐色をおびています。
●ハクサンチドリ : 高山帯の草地、適湿地に生育します。丈10〜40pになる多年草です。花期は6〜8月。
●タテヤマリンドウ : 亜高山帯から高山帯にかけての湿地や湿った草地に生育。丈5〜12p、平滑無毛の多年草です。
●ワタスゲ : 普通の湿原や高層湿原に生育します。丈は花期(5月)には10〜15p、花後伸張して果期(6〜7月)には20〜60pになります。
●サラサドウダン : 山地の林中に生育。葉の下面中肘にそって褐色の毛が多少あり、花冠もやや広い鐘形で濃紅色です。
●ショウジョウバカマ : 山地の多湿な草原、流れのきわに生育します。花の色合いが猩々(オランウータンの日本名)の顔色に、葉の付き方が和服の袴に、それぞれ似ていることから名前がつきました。花期は4〜7月。
●イワカガミ : 低山帯から高山帯までの山地に生育。丈10〜30pになる常緑の多年草で、緑に鋸歯があります。花期は4〜6月。
●ギンリョウソウ : 生育環境はともに山地、林中。草丈7〜15pになり全草銀白色、または白色〜帯微赤色となります。多肉質ですが乾くと黒色に変わります。
●コバイケイソウ : 亜高山帯〜高山帯の湿った草地に生育します。高さ50〜100p。
●ニッコウキスゲ : 山野から亜高山帯の草原や湿地に生育する多年草です。花期は7月。一つの花の命は短く、早朝に開き夕方にはしぼみます。ゼンテイカとも呼ばれます。


さわやか自然百景トップページへ NHK札幌放送局トップページへ