長崎 九十九島(2005年12月11日放送)



長崎県の九十九島(くじゅうくしま)は、浸食によってできた島が密集する独特な海域です。島の干潟には、ハクセンシオマネキやカブトガニが暮らし、珍しい巻き貝の仲間のドロアワモチもいます。海には、島の植物から有機物が流れ込み、それを栄養にしてプランクトンが成長し、多くの魚を育みます。夏から秋にかけては、対馬暖流に乗って南の海で生まれた魚たちもやってきます。九十九島の豊かな海を見つめます。

九十九島
九十九島
九十九島には、208個の島が集まっています。密集度は日本一といわれています。

ドロアワモチ
ドロアワモチ
干潟の生きもの・ドロアワモチです。巻き貝の仲間ですが、進化の過程で殻は退化してなくなってしまいました。

クマノミ
クマノミ
クマノミは、稚魚の時に暖かい南の海から対馬暖流に乗って運ばれてきた魚です。

ミツボシクロスズメダイ
ミツボシクロスズメダイ
ミツボシクロスズメダイの稚魚です。こちらも、暖流に乗ってやってきました。こうした魚の多くは、冬を越すことができません。夏から秋、九十九島の海を彩ります。

マダコ
マダコ
マダコのメスが、岩陰で卵を守っていました。1ヶ月間、母ダコは何も食べずに卵を守り続け、卵がかえった後に息絶えます。豊かな海が命をつないでいます。


語り 岩槻 里子アナウンサー
取材地・取材期間
交通手段
●取材地 : 長崎県佐世保市九十九島
(市所有の島もありますが、個人所有の島も多くあります。潜水を行った海域は、5カ所ほどです。)
●取材期間 :
島の実景は、4月の終わり、7月中旬、9月中旬。
ハクセンシオマネキは7月中旬。
ドロアワモチとカブトガニは、9月中旬。
潜水撮影は、10月中旬に行いました。
●交通手段 : JR佐世保駅または高速バスの佐世保バスセンターから、バスで20分ほど。タクシーなら10分ほどです。
登場する生き物
植物
登場する動物
●クロホシイシモチ : 九十九島でよく見られる小魚です。体長は10p以下。平衡感覚を保つために体の中に持っている石が、ふつうの魚に比べて大きい仲間を、イシモチといいます。頭の上の辺りに黒い斑点があることからクロホシイシモチと呼ばれています。
●ドロアワモチ : 巻き貝の仲間です。本土ではほとんど見られなくなりました。4年前に発見されたときには、研究者も驚いたということです。泥の中の有機物を歩きながら食べて、おしりから排泄しています。潮が満ちているときは海底の巣穴にいて、潮が引くと姿を現します。
●クマノミ : クマノミは暖かい海を好みます。もともと九十九島の海にいたわけではないようです。実際、冬には姿を消す個体がほとんどです。南の海から海流に乗ってやって来た稚魚が成長したものといわれています。
●マダコ : 番組で岩陰にいたのはマダコのメスです。岩に生み付けた卵を守っています。メスは食べ物をとらずに卵に新鮮な海流を送り続けます。卵がかえるのは1ヶ月後。メスは卵がかえった後息絶えます。
登場する植物
●ハマボウ : 九十九島に夏の訪れを告げる花です。日本産のハイビスカスで、浜辺に咲きます。
より詳細な情報の
入手先
●動植物についての学術的な問い合わせは
西海パールシーリゾート 博物展示部
TEL 0956−28−4187


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