鹿児島 甑島
            こしきじま


 

甑島は、鹿児島県の西40キロの東シナ海に浮かぶ島です。この島には、性質の異なる3つの池があます。海水の「なまこ池」、淡水の「かざき池」、そして、海水と淡水の混じった汽水の「貝池」です。
海に面した3つの池は、その性質の違いを映し出すかのように、全く異なる生きものがすんでいます。
なまこ池には、小魚や海藻といった、海の生き物も見られ、
貝池では、世界で3箇所でしか発見されていない原始的なバクテリアが繁殖しています。さらに、かざき池には、2メートル以上もあるオオウナギが、生息しています。

湖の色が最も映える初夏、美しい島の景観とともに、世界に類を見ない不思議な湖群の魅力を伝えます。
細長い礫州(れきす)で海と隔てられた3つの池。 礫州の石は、一抱えもある丸い石です。

ナベカです。海水のなまこ池には、沿岸の魚が生息しています。
池の名前の由来、ナマコです。
島には、心和ませる美しいカノコユリが花を咲かせます。 めったに姿を見せてくれないオオウナギです。

 

(語り)

黒沢保裕 (NHKアナウンサー)


(取材地・取材時期・交通手段)

取材地:上甑島
取材時期:平成15年7月20日〜7月31日
交通手段:
鹿児島空港よりバスにて串木野へ。(およそ1時間に1本 林田バス)
串木野バスターミナルからタクシーで串木野新港へ。
串木野新港より高速船(1日1本)もしくは、フェリー(1日2本)にて里港へ(上甑島)。
問い合わせ:甑島商船 0966−32−6458
☆車を利用の場合
溝辺鹿児島空港IC→九州縦貫自動車道→鹿児島IC
→南九州西回り自動車→市来IC→国道3号線
→串木野新港 所要時間 1時間
(登場する生き物、植物) なまこ池:海水の池。3つの池の中で、最も大きく深い池です。
面積0.52平方キロ 最大水深 22.6メートル。
大きな石で、海と隔てられているため、石の隙間を海水が出入りし、潮の干満に2〜3時間遅れて、水面が上下します。
☆なまこ池の生きもの

・ナベカ:
イソギンポ科 北海道の積丹半島から九州南部に分布。
全長7センチの小型種。浅海の岩場やタイドプールで、見られます。
岩の隙間やオオヘビガイの殻などに好んで住み、そこで産卵をします。

・ナマコ:
マナマコ科  北海道近海から九州に分布。海底の腐食物を食べるので、海の掃除屋として重要な動物です。
・その他
シマイサキ、ヒトデ、マメダワラ

●貝池:2番目に大きな汽水の池です。面積0.16平方キロ 最大水深11.5メートル。なまこ池より小さな石で、海と隔てられているため海水の出入りが、ほとんどないと考えられています。なまこ池との間に水路があり、そこから海水が流入します。池の下のほうは、比重の重い海水でみたされています。汽水と海水の層の分かれ目では、太陽によって温まった水が停滞するため水温の高い層があり、真夏は40度近くにもなります。
☆貝池の生きもの

・赤いバクテリア 
赤いバクテリアの正体は、クロマチウム。
汽水と海水の層の中間に繁殖し、酸素を嫌う光合成細菌。原始的な細菌と考えられており、現在までに、世界3箇所でしか見つかっていない貴重なバクテリアです。


●かざき池:淡水の最も小さな池。面積0.14平方キロ 最大水深5.9メートル。小さな石で海と隔てられているため、海水の流入はなく、池の水は、陸から集積する雨水で満たされています。
☆かざき池の生きもの

・オオウナギ :ウナギ科 ウナギ属
熱帯の海で生まれ、川や湖で2メートル以上に成長し、カエルや魚、カニを食べ、カニクイの異名をもっています。

・その他  チチブ、メダカ

○照葉樹林の植物
・へゴ:ヘゴ科 へゴ属
木性の大型シダで、高さ4〜8メートルにもなり、湿気の多い谷筋を好みます。甑島は、自生北限の地、天然記念物に指定されています。
・カノコユリ:ヨーロッパに紹介されて人々を魅了したユリで、四国、九州に分布しています。甑島は、最も自生密度が高く、花の色も極めて鮮やかです。花びらの模様が、鹿の子絞りに似ていることから、この名前がつけられました。

○礫州(れきす)
一抱えほどもある大きな石が積み重なってできた州。
甑島の場合、西側の崖の侵食によって海の底に溜まった石が、海流と波によって、運ばれ堆積しました。3つの池は、この礫州によって海と隔離されてできたものです。 

○外洋の生きもの
・テングチョウチョウウオ
・クロホシイシモチ
・クマノミ