南アルプス 北岳


 

標高3192メートル。日本第二の高峰・南アルプスの北岳は、別名「花の山」と、いいます。
短い夏、北岳の切り立った山肌が100種類に及ぶ高山植物で彩られるからです。世界で北岳にしか咲かない固有種、キタダケソウも可憐に咲きます。北岳に咲くのは、氷河期が終わって、気温が低い高山にだけ取り残された花々です。
ハイマツが進入出来ない地形や、生息できる植物が限られる石灰岩が混じった地層が、数多くの花の命を支えています。

 番組では、北岳が最も鮮やかになる夏、氷河期から生き延びる
花々の姿を描きます。

北岳(3192m)は日本第二の高峰です。 山頂直下には、
落差600mの断崖があります。
およそ100種類の高山植物の花々が咲く山上のお花畑です。 世界にこの山だけにしかない、キタダケソウ。
乾燥に耐えるイワベンケイ。 夏の終わりチングルマは種をつけます。

(語り)


館野直光 アナウンサー
 

(取材地・取材時期・交通手段)

●取材地 :南アルプス 北岳 (標高2000メートル付近の森〜山頂付近の登山道)
●取材期間:7月上旬〜8月中旬
●交通手段:<JR> JR中央線ー甲府駅下車。甲府から、北岳の登山道起点の広河原までバスが出る日があります。(約1時間半)
またはJR中央線−韮崎駅下車。韮崎からタクシーで広河原へ。
(バスの運行日、運行時刻の問い合わせは、
山梨交通 TEL055−223−0821)
<自家用車> 中央自動車道−昭和IC−国道20号−芦安村
南アルプススーパー林道で広河原下車。
<登山>
広河原から登山道に沿って山頂へ。
(山頂まではおよそ5時間。中腹には、白根御池小屋、山頂には北岳山荘、北岳肩の小屋があります。山小屋の営業期間は6月中旬〜11月上旬予定。)
*険しい山なので、登山計画を綿密に立てることが必要です。
*山頂付近は、高山植物の保護区画になっているので、登山道を出ないよう注意。
現地の天候や、登山道の状態、山小屋の営業などの確認は、
芦安村役場055−288−2111
または、北岳山荘090−4529−4947まで。
(登場する生き物、植物) (北岳とは)・・南アルプス最高峰。北岳の標高は3192mで、富士山(3776m)に次ぐ高さの山。南アルプスは、長野、山梨、静岡にまたがる山脈で、北岳は山梨県北西部、芦安村にある。本州では、白馬岳とならんで高山植物が豊富な、花の山として知られている。
お花畑
北岳の東側は、比較的風が穏やか斜面。雪も積もりやすいので、水環境も良い。この斜面に広いお花畑や、ハイマツ帯が広がる。およそ100種類以上の高山植物が生える。
高山植物の花の最盛期は、7月下旬から8月上旬。
*番組で紹介した花    
キタダケソウ(キンポウゲ科:花期6〜7月)、ミネウスユキソウ(キク科:花期7〜8月)、イワベンケイ(ベンケイソウ科:花期7〜8月)、チシマギキョウ(キキョウ科:花期7〜8月)、タカネツメクサ(ナデシコ科:花期7〜8月)、イブキトラノオ(タデ科:花期7〜9月)、キタダケトリカブト(キンポウゲ科:花期8〜9月)、キンロバイ(バラ科:花期6〜9月)、チングルマ(バラ科:花期7〜8月)
シコタンソウ(ユキノシタ科:花期6〜8月*オープニングのみに登場)
キタダケソウ
北岳の固有種。白く、小さな花(茎の高さは10センチ前後)。梅雨の時期から咲き始める。
絶滅危惧種に指定され、生育している一区画は登山道以外の立ち入りが制限されている。
キタダケソウの植生については、まだ調査中の段階。
研究成果の中では、石灰岩地に生えるという調査結果がある。
石灰岩地帯は、生える植物が制限される特殊な土壌。炭酸カルシウムにとみ、土壌は中性から弱アルカリ性となる。この条件に生える植物でないと適応できない。(なぜなのかは、研究中)石灰岩が露出している白馬岳でも、タカネキンポウゲや、クモマキンポウゲなど
の希少種が生えている。
(より詳細な情報の入手先) ・「日本の自然C 日本の山」 (平凡社)
・「山の自然学」(岩波新書 小泉武栄著) ・・地質と高山植物
・「南アルプスの花たち」(松村正文 山梨日日新聞社)
(担当者番組アピール) 氷河時代に逃げ延びてきたた花々を包み込んできた山、北岳の素顔をご覧ください。