軽井沢 野鳥の森  


 

大きく裾野を広げる活火山・浅間山。その南東の麓に高原の避暑地、軽井沢があります。意外にも、避暑地・軽井沢は野鳥の楽園。年間150種が生息しています。そのうち100種類もの野鳥が繁殖します。標高差のある浅間山麓の独特な地形と、そこに息づく豊かな植生、そしてエサとなる多くの虫たちが鳥を育むのです。

 春は鳥たちの繁殖の季節。早朝から森には鳥たちのさえずりが聞こえます。鳴く理由は、恋の相手さがしと、なわばり宣言。東南アジアから繁殖のために渡ってきたオオルリ、キビタキ、ノジコなどの夏鳥、ミソサザイやシジュウカラといった留鳥の鳴き声が森に響き渡ります。
 5月も下旬になると、子育ての季節を迎えます。
森では木をくりぬいて巣を作る、アカゲラやコゲラ、
また天然のうろを利用するゴジュウカラやヒガラなどが頻繁にエサやりをする姿が見えます。

 

浅間山の麓標高およそ1000メートルの高さにある軽井沢。 羽、声共に美しいオオルリ。 bandai07.jpg (9114 バイト)
ホオジロの仲間ノジコ。 アカゲラ。頭の赤い色がオスのしるしです。 bandai09.jpg (8107 バイト)
コゲラのヒナ。 エサの虫も鳥にとっては森の恵み。コゲラの給餌。 bandai08.jpg (11178 バイト)

 

(語り)

斉藤由貴

(取材地・取材時期)

取材地…大きく広がる浅間山麓に位置する、長野県の軽井沢町。
国設軽井沢野鳥の森、湯川、白糸の滝、碓氷峠、
黒斑山、離山など動植物の豊かな場所を求めて、取材をしました。
活火山・浅間山を体験できる鬼押出しは、群馬県の嬬恋村になります。
『国設軽井沢野鳥の森』
軽井沢野鳥の森は、1974年に全国で初めて指定された国設の野鳥の森です。およそ100haの 森に約3qの観察路がついていて、冬も雪が少ないことから年間を通して、動植の観察や森林浴 を楽しむことが出来ます。
『鬼押出し』
浅間山北山麓にある世界的に有名な奇勝地です。
現在、鬼押出し園として開園しており、観光客も多く訪れます。
天明3年(1783年)の大噴火により流れでた溶岩流は幅3q、長さ12qにも及びます。
『白糸の滝』
 軽井沢を潤す湯川の水源にある滝。
高さ3mの岩肌より幅70mにも渡って数百条もの地下水が、まるで白糸のように流れ出ます。
取材期間…春から初夏にわたって5月上旬と下旬の2回(10日間)
(登場する地形、生き物、植物) 野 鳥
オオルリ…コマドリ、ウグイスと並び日本の三鳴鳥。夏鳥として東南アジアから渡来じ、渓流沿いの林などで繁殖。輝く青い羽はオスのみ。
ノジコ…夏鳥。世界でも日本の本州だけで繁殖。しかも、高原のまばらな林などに局地的にいるだけ。古くから日本人の愛した歌声は「金からみ金びょうぶ」とのこと。
キビタキ…名の通り黄色いヒタキ。夏鳥として渡来。山地の広葉樹林などで繁殖。春秋の渡りの季節には市街地の公園や人家の庭にも姿を現す。
ミソサザイ…日本で一、二を競う小さい鳥。渓流沿いの倒木の下や、岩穴にコケで巣を作る。        
さえずりは複雑で長く、体に似合わない大声。
アカゲラ…アジアからヨーロッパにかけて広く分布するキツツキ。
オスの頭には赤い帽子がありメスは黒一色名ため、見分けやすい。
ゴジュウカラ…広葉樹の森を一年中離れない。木の幹を上下に走り回ることのできる不思議な鳥。
コゲラ…スズメ大の小さなキツツキ。繁殖期、夜は主にオスが卵を抱いてあたため、昼はつがいで交代で抱く。
登場するその他の鳥…ヒガラ、キジ、ノスリ、シジュウカラ、
その他の生きもの
シジミチョウの仲間、エゾハルゼミ、スジクロチョウ他
■植 物
○花 …タチカメバソウ、ハシリドコロ、タチツボスミレ、サクラソウ
○樹木…ハルニレ、ミズナラ、ホオノキ、トチノキ、ミツバウツギ(花)

(交通手段)

■交通手段
『国設軽井沢野鳥の森』
●列 車…北陸新幹線軽井沢駅で、しなの鉄道に乗り換え中軽井沢駅で下車。車で5分、徒歩30分。
軽井沢駅からは、車で15分。
●自動車…上信越自動車道碓氷軽井沢I.C.で下車の後、中軽井沢方面に向かい30分ほど。
『鬼押出し園』
●列 車…北陸新幹線軽井沢駅から、しなの鉄道に乗り換え中軽井沢駅で下車。バスで30分。軽井沢駅からは、バスで40分。
●自動車…上信越自動車道碓氷軽井沢I.C.から中軽井沢、鬼押しハイウェー経由で40分。小諸I.C.から中軽井沢、鬼押しハイウェー経由で45分。
『白糸の滝』
●自動車…上信越自動車道碓氷軽井沢I.C.から中軽井沢、白糸ハイウェー経由で35分。      
小諸I.C.から中軽井沢、白糸ハイウェー経由で40分。


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 「軽井沢」という地名は、テニスや乗馬を優雅に楽しむおしゃれな高原、また、カラマツ林に囲まれた高級別荘地といったイメージを連想します。実を言うと、個人的には開発されてしまったリゾート地の印象がありました。
 ところが、軽井沢には、人里とそう遠くない場所に豊かな自然が今でも残されています。
ですから、探しに出向いてやっと見つかるような鳥たちの歌声でも、ふだんの暮らしの中で楽しむことが出来るのです。
軽井沢が、日本のバードウオッチング発祥の地というのも納得します。
(軽井沢を愛した、あの…ジョン・レノンがヨーコやショーンとこの場所で鳥たちの歌声に包まれていたかと思うと、う〜ん、胸にキュンとくるものがありますね…)
 今回は是非、美声の野鳥たちの、恋のさえずりに耳を傾けてください。
綺麗な瑠璃色の衣装をまとい華麗に歌うオオルリや、小さな体を震わせて一生懸命に求愛するミソサザイ(さしずめ“高音の絶叫詩人”です)など、個性豊かな森の歌い手たちの春の公演をお楽しみ下さい。