伊豆 天城の森(2004年12月12日放送)



天城の森
三方を黒潮の海に囲まれ、温暖で雨が多い伊豆半島。そのほぼ中央部に広がるのが天城の森です。
モリアオガエルの繁殖のようすを中心に、初夏から秋にかけてのみずみずしい森の情景を紹介します。

霧のブナ林
霧のブナ林
伊豆の最高峰・万三郎岳の西隣にある小岳周辺のブナ林です。標高は1300mほど。最も美しいブナ林が見られる場所のひとつです。

ヘビブナ
ヘビブナ
小岳周辺のブナ林にある名物ブナのヘビブナです。樹齢は150から200年と推定されています。

大ブナ
大ブナ
天城山一のブナといわれる大ブナです。小岳の稜線から北西に少し下った皮子平にあります。ここにはブナの大木と一緒に若いヒメシャラが混生する森があり、貴重な原生林として保護されています。

モリアオガエルの産卵
モリアオガエルの産卵
モリアオガエルの産卵です。一匹のメスの周りに数匹のオスがしがみつき、泡作りと授精を行います。


語り 石井庸子(フリーナレーター)
取材地・取材時期 ●取材地 : 伊豆半島の中央部。
天城の森は日本百名山の一つ天城山の山域を広範囲に覆う森です。天城峠を通るルートなどいくつかの登山道が整備されており、比較的手軽に森歩きを楽しむことができます。最も高い場所は万三郎岳の1405.6m。山頂までの最短のルートは、天城高原ゴルフ場の駐車場からで、歩いて2時間ほどです。森がいいのは皮子平、八丁池、小岳のあたりです。
●取材時期 : 5月末〜6月初旬、9月初旬、11月初旬。
登場する生き物・植物 登場する鳥類
●ヤマガラ : 背中と腹のレンガ色に特徴があるスズメと同じくらいの大きさの小鳥です。ほぼ全国の森に分布します。ツーツーピーツーツーピーとさえずります。
●キジ : ほぼ全国の平地から山地の草原、林の縁などで見られる留鳥です。繁殖期にオスはケッケーと鳴いてはばたきます。
●ヒヨドリ : 全国に分布し繁殖する体長30cm弱の鳥。ピーヨピーヨと騒がしく鳴きます。
登場する両生類
●モリアオガエル : 森の中に生息する日本特産のカエル。体長は5〜9cm。6月から7月、池や水溜りの上に張り出した木の枝先に直径10〜20cmの白い泡の塊を作り、その中に300〜500個の卵を産みつけます。
●ハコネサンショウウオ : 本州・四国の山地に生息する小型のサンショウウオ。渓流にいるのは幼生です。成長すると陸に上がりますが、ハコネサンショウウオは変態後も肺をもたず、皮膚呼吸を行います。
●アカハライモリ : 日本にいるイモリと総称される両生類の代表格で、本州・四国・九州の淡水に生息します。水生昆虫や水に落ちた虫、ミミズなど様々な小動物を食べます。モリアオガエルのオタマジャクシの落下地点で待ち受けることがよく知られています。
登場する植物
●ブナ : 北海道から九州の湿潤で肥沃な山地に生える落葉高木。天城山のブナは東北日本海側のブナと比べ、葉が小さく枝はりが横に大きいなどの特徴があります。
●ヒメシャラ : 淡い赤褐色のすべすべした樹皮が特徴の落葉高木。一般にサルスベリと呼ばれる木の一種です。
●アセビ : 葉につやのあるツツジ科の常緑低木。葉を牛や馬が食べると麻痺することから、「馬酔木」と書いてアセビと読みます。
●ヤマツツジ : 北海道南部から九州の山地に生える1〜3mの低木。紫紅あるいは朱紅色の花が鮮やかです。
●カマツカ : ウシコロシとも呼ばれるバラ科の低木。材が硬く、昔から鎌の柄や牛の鼻輪に用いたことからこの名があります。白い花をつけます。
●ヤマボウシ : ミズキ科の落葉高木。小枝の先に小型の花が20〜30個集まり周辺に大きな4枚の白い花弁状の総包がつき、全体として一つの花のように見えます。
●コアジサイ : ユキノシタ科の小低木。アジサイの仲間ですが、花の外周部に飾り花がつきません。
●ハコネウツギ : スイカズラ科の落葉低木。初夏にラッパ形の花を数個ずつつけます。


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