初夏 広瀬川(2007年7月29日放送)



広瀬川は、奥羽山脈を源流として東へと流れる、全長およそ45kmの川です。400年前、青葉山に城が築かれると、川の中流域に仙台の街が広がりました。広瀬川は200種類以上の野鳥が観察されている鳥たちの楽園です。初夏、川の周りでは、今年もたくさんの命が誕生しました。鳥たちが集う広瀬川を描きます。



渓谷を作ってきた急流は、市街地の近くで大きく蛇行を始めます。そのため、土砂が堆積した浅瀬、流れによって削られた淵や崖など、川の中流域特有の地形が街のすぐ近くで見られます。


ハヤブサの親子
崖のくぼみで子育てをしていたのはハヤブサです。4年前からここを使うようになりました。広瀬川やその周辺で獲物を捕まえて、ヒナに与えていました。


大きな中州
広瀬川にはいくつもの中州があります。中でも大きなこの中州は、長さおよそ300メートル、幅は30メートルにもなります。植物に覆われた中州では、数多くの野鳥の姿が見られます。


ヤマセミ
オシドリやサギ類など水辺の鳥が暮らしているだけではなく、やぶなどを好んで暮らすアオジ、渓流に住むヤマセミの姿も見られます。


イカルチドリのヒナ
中州の河原では、イカルチドリの親子が見られました。ヒナは石の河原にとけ込むような色合いをしています。親と同じように水辺の虫を捕って食べていました。


語り 一柳亜矢子(いちやなぎ・あやこ)アナウンサー
取材地・取材時期
交通手段
●取材地 : 広瀬川中流域とその周辺
●取材時期 : 2007年5月下旬〜7月上旬 
●交通手段 : 電車→JR仙台駅で下車 地下鉄・バス・タクシーで移動車→東北自動車道・仙台宮城ICで下車※ただし、中流域周辺には駐車場がほとんどありません。
登場する地形
動物・植物
登場する動物
●カワセミ全長17cmほど。全国の平地から山地の池、湖沼、川などに住み、水の上の枝などに止まって、水中の魚を狙います。
●イソシギ:全長20cmほど。北海道、本州、九州の川原や湖沼畔の草地で繁殖します。
●ハクセキレイ:全長21cmほど。広い河川、農耕地、市街地の空き地など開けた環境を好みます。広瀬川のあちらこちらで、水の上を飛びながら虫を捕る姿が見られます。
●ハヤブサ全長40〜50cm。北九州、四国、本州中部以北の崖で繁殖します。空中で水鳥などを捕らえます。
●チョウゲンボウ:全長35cmほど。本州の崖、ビルや橋の隙間で繁殖します。
●オシドリ:全長45cmほど。山間の渓流にいることが多い鳥ですが、林に囲まれた池や湖にもいます。広瀬川の周辺では、一年を通して見ることが出来ます。
●コムクドリ全長19cmほど。本州中部以北の山地や東北、北海道の低地の明るい林にいます。
●アオジ全長16cmほど。北海道の林や本州の山地で繁殖し、秋冬は低地の藪で過ごします。広瀬川の中州では、一年中観察されています。
●ヤマセミ全長38cmほど。九州以北の山地の渓流に住み、カワセミのように水中で魚を捕らえます。広瀬川の中流〜上流で見られます。
●ゴイサギ:全長57cmほど。本州から九州で繁殖します。広瀬川では、せきで魚を捕らえる姿がよく見られます。
●イカルチドリ:全長20cmほど。本州から九州で繁殖する留鳥です。
●マルタウグイ(マルタ)コイ科。ウグイに似ていますが、ウグイよりも大きく、全長40cmほどになります。5月頃、海からさかのぼり、瀬で産卵します。仙台では方言で“オオガイ”と呼びます
●アユアユ科。稚魚期を海で過ごし、成長すると川をさかのぼり、珪藻を食べます。広瀬川では、7月1日に鮎釣りが解禁されます。
●ハグロトンボ:カワトンボ科。全長6センチほど。本州、四国、九州で5月から10月にかけて見られます。
登場する植物
●オニグルミ:クルミ科。沖縄以外の全国に自生していて、川沿いに多い植物です。広瀬川の河原や中州は、オニグルミやヤナギの仲間に覆われています。
オオイタドリタデ科。川岸に多い植物です。イタドリによく似ていますが、全体的に大きく、茎は高さ1〜2メートルにもなります。夏に花が咲きます。
●キツリフネ:ツリフネソウ科。 山地の半日陰の湿った川のふちなどにはえる一年草です。
●オカトラノオ:サクラソウ科。丘や山地の草原にはえる多年草です。
●キササゲノウゼンカツラ科。中国原産と言われていますが、川沿いに野生化しています。果実はマメ科のササゲのようになります。
より詳細な情報の
入手先
仙台市建設局百年の杜推進部 河川課
創生室 TEL:022−214−8327 ホームページ: http://www.hirosegawa-net.com/
朝6時、川の周りは散歩やジョギングをする人たちで賑わいます。川に集まる人の中には、毎日、河原の風景や動植物の写真にとって記録している方、出勤前にハヤブサのヒナの成長を観察している方などもいました。皆さんにとって広瀬川は庭同然。絶好の撮影ポイントやヒナたちの成長の経過、魚の遡上の状況などなど…取材中、通りがかりのたくさんの人に、図鑑には載っていないとっておき情報を教えていただきました。川の風景とそこに集まる生き物たち、そして人の暮らしがごく当たり前に共存している、それが広瀬川です。


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