福岡 平尾台(2005年7月24日放送)



平尾台
福岡県の北部、北九州市と苅田町の境に、日本有数のカルスト台地・平尾台があります。標高300mから600mの草原の台地に数え切れないほどの石灰岩が立ち並び、雨が石灰岩を溶かしてできた窪(くぼ)地のドリーネや、地下の鍾乳洞など、カルスト台地特有の地形が見られます。ドリーネの中は小さな森になっています。そこには珍しい植物が見られ、鳥たちが恵みを求めて集まります。白い岩と緑に覆われた平尾台の初夏を紹介します。

丸い石灰岩
丸い石灰岩
草原に立ち並ぶのは石灰岩。平尾台の石灰岩は丸みを帯びているのが特徴です。

キジ
キジ
「ケーンケーン」と大きな声で鳴くキジ。草原の岩は絶好の隠れ場所になっています。

ホオジロ
ホオジロ
ホオジロは石灰岩に寄り添うように作られた巣で卵を温めています。

ドリーネ
ドリーネ
カルスト台地の所々に大きな窪(くぼ)地・ドリーネがあります。ドリーネの中は小さな森になっています。

サイハイラン
サイハイラン
ドリーネの中の森には珍しい植物が見られます。サイハイランは日陰を好む植物です。

カッコウ
カッコウ
繁殖のために平尾台に渡ってきた鳥たちも、ドリーネの森で羽を休めます。カッコーウ!と鳴く瞬間です。

鍾乳洞の大ホール
鍾乳洞の大ホール
入り口からおよそ3時間、平尾台の地下に広がる鍾乳洞の一つです。大きな滝が作り上げた神秘の空間です。


語り 田中秀喜アナウンサー(北九州局)
取材地・取材期間
交通手段
●取材地 : 福岡県平尾台(北九州市と苅田町との境に位置)
●取材期間 : 平成17年5月〜7月
●交通手段 : JR日田彦山線 石原町駅から乗り合いタクシーで25分(料金:400円〜500円)
車では、九州自動車道・小倉南インターチェンジより15分程度
登場する生き物
植物
登場する動物
●キジ (キジ科) : 日本列島の特産種です。平地や山地の草原、農耕地、雑木林などに生息します。4月から7月にかけて、草むらの中に巣を作ります。
●ホオジロ(ホオジロ科) : やぶを好み、牧草地や農耕地周辺などでみられる留鳥です。種子を食べるほか、昆虫などを捕らえます。繁殖期は4月から9月。一夫一妻で繁殖します。
●カワラヒワ(スズメ目アトリ科) : 雑木林やアカマツ林などでよく見られます。全長15cmほどで、北海道 以外では留鳥。昆虫類のほか、穀類、雑草類の種子を好んで食べます。
●カッコウ(ホトトギス科) : 東アジアやアフリカなどでも見られる渡り鳥です。北海道から九州までの各地で繁殖します。主食は昆虫。他の鳥の巣に卵を産む、托卵鳥として知られています。
登場する植物
●イワガラミ(ユキノシタ科) : アジサイの仲間。つる性の植物で、山地で岩や大きな木にからんで伸びます。多くの花は5月〜7月に咲きます。
●シラン(ラン科) : 比較的暖かい地方の、日当たりがよく湿った場所に自生します。花が咲くのは5月。一般でも栽培されていますが、自然の群生は珍しく、福岡県では準絶滅危惧種に指定されています。
●サイハイラン(ラン科) : 山地の林床など日陰を好む多年草です。5月から6月に花が咲きます。花が咲いた姿が、昔の「采配」に似ていることからこの名がつきました。
●ヒメウラシマソウ(サトイモ科) : 九州や山口県の低山地の暗いところに生えます。平尾台では花期は5月から6月。茎の先に長さ7cmから13cmの紫色に近い仏炎包(ぶつえんほう)がつき、その中から、花軸が糸状に長く伸びます。
より詳細な情報の
入手先
◇平尾台自然の郷 TEL 093−452−2714
担当者より番組の
アピール
カルスト台地に降った雨は、地下に鍾乳洞を作るといわれていますが、一体どこから地下へ流れていくのでしょうか。実は、窪(くぼ)地のドリーネに、地下に通じる穴があったのです。そのドリーネの小さな空間には、集まってくる水によって鬱蒼(うっそう)とした森が作られています。草原とは全く違う生きものを見ることができる、不思議な空間があったのです。平尾台には、150以上の鍾乳洞があります。そのうちの一つ、長さ2kmの鍾乳洞にガイドの方と撮影のため入りましたが、出てくるまでに何と8時間!狭い鍾乳洞をはうように進んでいくと、涼しい空間にたどり着きました。そこは、地下とは思えない大きなホール。中央には地下水を満々とたたえた池があり、照明を当てると水底には真っ白な石灰岩が光り輝きました。いままで見たこともないような神秘的な世界でした。意外にも多くの生きものが見られるドリーネの魅力、そして涼やかな鍾乳洞の光景をどうぞご覧ください。


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