番組について次回の放送予定月間放送予定リスト過去の放送−放送日別過去の放送−地域別
    トップページ >これまでの放送 厳冬 宗谷

北海道の最北部、日本海からの強烈な季節風が吹きつける宗谷地方は、冬、広大な雪原となり、キタキツネなどが乏しい獲物を探しさまよう過酷な大地となります。その環境の中でたくましく生き抜き、世代を重ねている猛きん類がオジロワシです。翼を広げると2メートルを超える巨大な鳥。そのオジロワシが、厳冬期に、なぜか荒波が押し寄せる海岸に現れ、見事に獲物にありつきます。そこには強風の環境だからこその獲物があったのです。冬を生き抜くオジロワシの姿、さらに春へ向かう繁殖の様子を見つめます。

番組内容

宗谷を襲う暴風雪

冬、国立公園に指定されているサロベツ原野には一面の大雪原が広がります。夏の間は生きものにあふれていた草原や湿地が、雪と氷の世界に変わるのです。さえぎるものが無いため、冬の雪原は暴風雪が吹き抜ける過酷な世界です。

食べものを探すキタキツネ

冬、生きものたちにとって最も重大なことは食べものを得られるかどうかです。キタキツネは雪の下に隠れる小さなネズミなどを狙います。広大な雪原を小さな音に耳を澄ましながらひたすら歩き続けます。この時期、一週間以上食べものを得られないこともあります。

宗谷に暮らすオジロワシ

厳しい環境の中で、命をつないできたのが天然記念物のオジロワシです。実は宗谷は、オジロワシが繁殖する国内で数少ない場所の一つです。でも食べものの魚などがいる沼は氷の下。いったいなぜこの場所でオジロワシは生きていけるのでしょうか。

荒れた日に海岸にオジロワシ出現

この時期、宗谷には台風並みの低気圧がしばしばやってきます。海は6メートルの波で大時化(おおしけ)です。そんな強風が吹き荒れる日になぜか海岸に現れるのがオジロワシです。じっと海を見つめて・・・。オジロワシの狙いとは?

厳しい宗谷の自然がもたらすもの

実は嵐が来ると厳しい宗谷ならではの恵みの食べものが、海岸に打ち上げられます。オジロワシはこのときを待っていました。わずかな食べものを求めて、ライバルのオオワシやキタキツネと激しい争奪戦を繰り広げます。

オジロワシのつがい 世代をつなぐ

3月に入ると、オジロワシは子育ての準備を始めます。オジロワシは毎年同じ巣を少しずつ大きくしながら使い続けます。交尾が始まり、5月には新しいひなが誕生します。過酷な宗谷の地で、命がつながれていきます。

情報

語り 羽隅 将一(はすみ しょういち)アナウンサー
取材時期 2016年 2月下旬〜3月上旬
取材地 サロベツ原野周辺とその海岸(幌延町、豊富町、稚内市)
動物生態保護のため撮影の詳細地点は公表できません。
交通手段 札幌からJRで豊富駅まで約4時間20分。豊富駅から車で15分。
稚内空港から車で1時間。
より詳細な情報の入手先 豊富町観光協会 
〒098-4124 北海道天塩郡豊富町東 4条 3丁目
TEL:0162-82-1728

サロベツ湿原センター 
〒098-4100 北海道天塩郡豊富町上サロベツ8662番地
TEL:0162-82-3232
登場する動物
  • エゾシカ
    低地から山地の森林に生息し、特に草原や牧草地との林縁を好む。ニホンジカの亜種の中でも体格が大きいエゾシカは一日に2〜5kgもの植物を食べる。食性は季節によって変化があり、夏期には草本や牧草、餌が不足する冬期にはササ類や樹皮などと幅広い。
  • キタキツネ
    北海道の平地から高山帯まで、広く生息している。ホンドギツネよりも全体的にやや大きい。ネズミやエゾユキウサギ、鳥類、昆虫などを主に食べる。秋には果実や木の実も食べる。土手などに穴を掘り、巣穴とする。春先に子どもを産み、秋にかけて雌が育てる。
  • オジロワシ
    国の天然記念物、全長オス83cm、全長メス92cm。翼開長199〜228cm。シベリアや中国東北部から冬鳥として渡来するが、北海道北部や東部では、繁殖するものいる。肉食で魚、鳥、ほ乳類、動物の死骸など食べる。
  • オオワシ
    国の天然記念物、全長オス88cm、メス102cm。翼開長220〜250cm。おもにロシア東部で繁殖し、日本には冬に越冬のために渡ってくる。海岸や河川、湖沼などに生息する。食性は動物食で、主に魚類を食べるが鳥類、小型から中型の哺乳類、動物の死骸なども食べる。

取材日記



4年前のある日、偶然本屋さんで手に取った写真集に、海岸で食べものを奪い合うオジロワシとオオワシの写真を見つけました。目をぎらつかせ獲物を奪い合うその姿に「こんな場面を是非番組にしてみたい!」との思いが生まれました。今回はその願いをようやくかなえることが出来ました。事前取材では、実際に地元の動物写真家の撮影現場に同行し、ブラインドの設営方法など様々なアドバイスをもらいました。最大の問題は、実際に嵐が来て、オジロワシの食べものが海岸に現れるのか?ということでした。実際に撮影を始めると、ひたすら海岸を走り回りワシを探す日々。「ワシはカラスを見つけてやってくる」という写真家のアドバイスを受けてひたすらカラスを探します。そして撮影を初めて3日目。海岸に出て見ると、遠くに小さな黒い固まりを見つけました。カラス、そしてなんとワシも集まっています。近寄ってみるとその正体がわかりました。ある動物の死骸です。翌朝まだ暗いうちからブラインドに入って撮影を開始。すると夜明けをきっかけに、目の前で生きものたちの壮絶な争奪戦が始まりました。同行してくれた写真家もうなるほどでした。その後も撮影を続けると、宗谷の厳しい冬だからこその恵みにたくさん出会いました。厳しい、だからこそ豊かな宗谷。循環していく自然のなかで、無駄な命は一つもありませんでした。たくましく生きる彼らの姿に、元気をもらえた日々でした。是非、ご覧下さい!!
>>   よくあるご質問    >>   おすすめのホームページ    >>   ご意見・ご感想       

copyright NHK
さわやか自然百景トップページへ