番組について次回の放送予定月間放送予定リスト過去の放送−放送日別過去の放送−地域別
    トップページ >これまでの放送 北海道 厳冬 網走

北海道の北東、オホーツク海に面した網走。海が流氷に覆われて寒さが厳しくなる2月、一面、凍りつく広大な湖があります。能取湖(のとろこ)です。湖の周囲ではキタキツネやオジロワシなどが、乏しい食べものを糧に冬を生きのびようと必死です。一方、湖の分厚い氷の下は、魚たちの楽園になっています。カレイやカジカ、「流氷の妖精」と呼ばれるクリオネが活発に泳ぎ回ります。実は能取湖は、オホーツク海とつながった海水の湖。海から注ぐ養分や食べものが、冬でも多くの生きものを育んでいるのです。3月、流氷が沖へと消えゆく頃、湖畔の動物たちは恋の季節を迎えます。厳冬から春へと移ろう網走で、生きものたちの営みを見つめます。

番組内容

寒さが作り出す造形

流氷が海を覆う1月から3月頃、網走の気候はぐっと冷え込みます。海岸の崖には氷の滝が出現。巨大なつららは、まるで時間が止まったような姿です。

凍てつく能取湖 冬越しの動物たち

能取湖は周囲33キロの広大な湖。東京の山手線の内側とほぼ同じくらいの面積をもちます。能取湖が全面結氷する頃、湖畔に暮らす動物たちは、食べものを雪と氷に閉ざされてしまう過酷な季節を迎えます。

冬も豊かな湖 そこには海の生きもの

オホーツク海とつながった能取湖には海流が流れ込み、豊富な海の養分がもたらされます。その上、波静かな湖はプランクトンが増えやすい環境にあることから、能取湖は海より豊かな湖と言われるほど。大発生するプランクトンを目当てに海の貝や甲殻類、さらに魚たちが集まってきます。地元では冬になると、氷に穴を開けて魚をとる「氷下漁」が行われます。

朝日と知床半島の山並み

網走からは、知床半島の山々から昇る朝日が見られます。りょう線のシルエットが朝焼け空に浮かび、流氷の海も赤く染まります。

春近い網走

3月に入ると、網走にも春の兆しが見られます。繁殖のために訪れたタンチョウの声が響き、首を大きく後ろにそらすホオジロガモのユーモラスな求愛のしぐさが見られます。

情報

語り 小林孝司(こばやしたかし)アナウンサー
取材時期 2015年 2月下旬〜3月上旬
取材地 網走 能取湖周辺
交通手段 千歳=女満別空港(50分)
羽田=女満別空港(1時間50分)
空港より網走市街までおよそ30分
より詳細な情報の入手先 ・濤沸湖ビジターセンター(動物全般) TEL:0152-46-2400
・網走観光協会(氷瀑や流氷など一般情報) TEL:0152-44-5849
登場する動物
  • キタキツネ
    北海道やサハリンに分布するキツネ。雑食性で、冬は、雪の下にいるネズミなどを探して食べる。2月頃にはつがいでいる姿がよく見られるが、春が近づくとメスは出産と子育てのため、巣穴に入る。
  • エゾシカ
    北海道の山林に生息するシカ。大きな体を維持するため1日に2〜5kgもの植物を食べる。冬は、雪を掘りかえしたり、強風で雪がつもりにくい所などにきて、食べ物を探す。
  • オジロワシ
    北方から渡ってきて北海道で越冬するが、一部はオホーツク海沿岸などでも繁殖する。魚や鳥、動物の死骸などを食べ、冬の網走では、流氷の上空を飛ぶ姿や水辺の木に止まっている姿がよく見られる。白い尾羽根が特徴。国の天然記念物。
  • オオワシ
    北方から渡ってきて北海道で越冬する。オジロワシより一回り大きく、羽根を広げると2m半ほどもある大型のワシ。海や湖で魚をとらえたり、動物の死骸なども食る。黄色く大きなくちばし、黒っぽい羽根と肩の白い羽根が特徴(幼鳥は全体に茶色っぽい)。国の天然記念物。番組で紹介したシーンのように、獲物をとらえた一羽の周りに、オジロワシやオオワシが混ざって集まることもある。
  • カレイの仲間
    能取湖では、クロガシラガレイやスナガレイなど7種類が見られる。湖底のゴカイなどを食べている。氷下漁で最も多くとれるのがカレイの仲間。
  • カジカの仲間
    能取湖では、シモフリカジカなど7種類が見られる。能取湖に広がる豊富なアマモ場で、小さなエビなどを食べている。北海道ではカジカ鍋は冬の味覚の代表として知られる。
  • ホタテガイ
    湖底にすみ、海水ごと体にとりいれてプランクトンをこしとって食べる。殻の周りにみえているのは触手で、天敵のヒトデの接近など周囲の様子を探るセンサーとなっている。プランクトンの豊富な能取湖は、ホタテの一大産地として知られる。
  • クリオネ
    冷たい海にすむハダカカメガイという巻貝の仲間で、日本では北海道沿岸で見られる。羽のように見える足を動かして泳ぐことから「流氷の妖精」、「流氷の天使」などと呼ばれている。能取湖では氷のすぐ下に多数、姿を見かけた。
  • ホオジロガモ
    北海道や本州で越冬し、ロシアなど北方で繁殖する。水にもぐって甲殻類や貝などをとらえて食べる。2月から3月にかけて、首を後ろに折り曲げるユニークな求愛のしぐさを見せる。
  • タンチョウ
    国の特別天然記念物のツル。網走周辺では、数つがいが繁殖していることが確認されている。

取材日記





今回は、担当ディレクターの私にとって初の冬の北海道ロケ。防寒装備も万全に、オホーツク沿岸の自然を描こうと気合い満点で乗り込んだところ…。まず到着した能取岬は、車ごと飛ばされそうなほどの暴風雪。流氷はおろか自分の足下すら見えない始末です。その後も北海道東部は記録的な低気圧の襲来に見舞われ、嵐の合間をぬっての取材となりました。それだけに、深いマリンブルーの海に真っ白の流氷を初めて見た時は、何ともいえない感動でした。主な舞台とした能取湖も、ちょっと日本とは思えない雄大な絶景が広がるところです。ここで漁を営む漁師の方々には、事前の取材ではわからなかった、オホーツクの海や湖の自然について、色々なことを教えて頂きました。吹雪の中、スノーモービルでそりいっぱいの魚をもちかえって戻ってくる姿は、忘れられない網走の光景として目に焼き付いています。
>>   よくあるご質問    >>   おすすめのホームページ    >>   ご意見・ご感想       

copyright NHK
さわやか自然百景トップページへ