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沖縄県宮古島の北に浮かぶ周囲10キロの池間島。山も川も無い小さな島ですが、中央には35ヘクタールの池間湿原が広がります。トンボやゲンゴロウなど淡水を拠り所とする生きものにとって貴重な場所で、鳥たちの中継地にもなっています。ここに息づくのが、国内最大級の陸生のカニ・オカガニです。夏、大潮の日になると神秘的な光景が見られます。腹にびっしりと卵を抱えた数百匹のオカガニが移動を始めるのです。サトウキビ畑を抜け、道路を渡る群れ。波打ち際に着くと、満月が照らす海に卵を一斉に放ちます。月と潮がもたらす絶景は他にもあります。干潮の数時間、池間島から5キロの沖合に"幻の島"が姿を現します。国内最大級のサンゴ礁群、八重干瀬(やびじ)です。200種類近いサンゴからなる八重干瀬は、緑、紫そして黄色といった色彩で輝きます。潮が引くとサンゴの隙間にはエビやタコ、魚など多彩な生きものたちが間近に見られます。月と潮が導く自然の営みを見つめます。

番組内容

自然豊かな池間島

池間島は周囲10キロしかありませんが、沖縄県最大の湿原が広がる自然豊かな島です。

国内最大級の陸生カニ・オカガニ

湿原の周りには何百という穴があり、全長20センチにもなるオカガニが暮らしています。警戒心の強いカニで、少しの物音や気配で、すぐ巣穴に隠れてしまいます。

オカガニの決死の旅

夏の大潮の日、オカガニが湿原から海岸へと集団で移動します。オカガニは幼生期を海で過ごすため、卵を波打ち際に放つためです。途中、道路を行き交う車や、縁石などが行く手を阻みます。

母なる海へ

海岸にたどりついたオカガニは、引き潮に合わせて卵を放ちます。卵の数は30万粒ほどありますが、一か月後に稚カニとして陸に戻ってくるのは、ごくわずかです。

"幻の島"八重干瀬

同じく大潮の日に、池間島から5キロの沖合に"幻の島"が姿を現します。国内最大の離礁・八重干瀬(やびじ)です。普段は海の中にあるサンゴが、干潮の間だけ顔を出し、色とりどりに輝きます。

海の生命を育むサンゴ

いつもより強い陽の光を受けたサンゴは、自らを保護するため粘液を出します。この粘液にプランクトンなどの微生物が付着し、魚やカニの貴重な栄養源になります。

情報

語り 中村慶子(なかむらけいこ)アナウンサー
取材時期 2014年3月下旬〜6月中旬
取材地 沖縄県宮古島市 池間島および、沖合の八重干瀬(やびじ)
交通手段 【池間島】宮古空港〜レンタカーかタクシーで、池間大橋を渡って池間島へ。
【八重干瀬】宮古島市内の漁船やダイビングショップの船などがあります。八重干瀬に上陸するための観光保全ガイドラインがありますので、観光協会までお問い合わせください。
より詳細な情報の入手先 ○宮古島市観光協会(船舶交通・潮位の案内など) TEL0980-73-1881
○宮古島市水産課(八重干瀬の保全・調査)TEL0980-74-2212
登場する地形
  • 八重干瀬(やびじ)
    池間島から5kmの沖合にある100以上のサンゴ礁群。大きさは南北10キロ、東西7kmで、国内最大の離礁です。大潮の日の干潮の間、2〜3時間だけ海上に顔を出すため、"幻の島"と呼ばれています。八重干瀬は陸から離れているため人間の生活の影響を受けにくく、200種類ちかいサンゴが良い状態で生息し、さまざまな海の生きものを育んでいます。
登場する動物
  • ムラサキサギ
    体長80cmほど。宮古諸島や八重山諸島に生息し、池間湿原を繁殖の北限としています。
  • イバラモ
    湖沼、ため池などに生育する一年生の沈水生植物。沖縄では南大東島でしか確認されていませんでしたが、600km以上離れた池間湿原にも渡り鳥によって移入されたと考えられています。
  • オカガニ
    全長20cmにもなる国内最大級の陸生のカニ。熱帯から亜熱帯地域の海岸近くに暮らしています。池間湿原の周りには数百匹いるとされ、夏の大潮の日に集団移動し、海に卵を放ちます。
  • カノコオウギガニ
    甲羅が、こぶ状の突起で覆われている、赤い目のカニ。サンゴの根元や窪みに生息し、サンゴ礁に生えた海藻などを食べます。
  • タカラガイの仲間
    八重干瀬に数多く生息する貝。貝殻が丸みを帯びて光沢があり、琉球王朝時代には中国への貢物として珍重されました。

取材日記





海のサンゴ礁と、陸に暮らすカニ― 何の共通点もなさそうですが、どちらも月と潮のリズムに合わせて生きています。その両方が撮れる池間島を初めて訪ねたのは、3月下旬。沖縄の短い冬が終わり、"うりずん"と呼ばれる過ごしやすい季節でした。地元の漁師さんの船で向かった八重干瀬(やびじ)は想像以上に広大で、サンゴの花畑と呼ぶべき場所。一方、サンゴ礁の縁から中心に進むと、今度はまるで火星のような場所。干上がって死んだサンゴが堆積しているのです。しかし、サンゴは死んでからもカニや貝などの住みかとなり、海の生命を育んでいました。干潮の時間が過ぎ、再び池間島に戻った時は、竜宮城から現実の世界に戻った浦島太郎のような気分になりました。サンゴの撮影を終えると、夜はオカガニの撮影。初日は一匹も撮影できませんでしたが、カメラの存在を感じさせない工夫を続けると、次第にオカガニが姿を見せるようになりました。専門家でも見たことがない映像も撮ることができ、蚊に刺されながら夜を徹した甲斐がありました。八重干瀬とオカガニの放卵は、大潮の日にしか見られない神秘的な光景。ぜひ、池間島に足を運んでみて下さい。
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