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標高3千m級の山々がそびえる長野県の白馬連峰。4月下旬、標高千m付近にある湿原は豊富な雪解け水で潤い始めます。傾斜が少なく緩やかな水の流れが育む独特の生態系。ハクバサンショウウオは本格的に動き出し産卵期を迎えます。群生する薄い青紫色の花を咲かすキクザキイチゲやミズバショウなどの植物がハクバサンショウウオの隠れ家になります。湿原を舞台に、春の訪れとともに輝きを増す生命の営みを見つめます。

番組内容

白馬山麓に広がる湿原

標高3000m級の山々がそびえる長野県・白馬連峰。雪解けが始まる4月下旬、その麓、1000m付近に広がる湿原には、潤沢な雪解け水が生み出す湿原が広がります。かつての白馬連峰の地滑りで出来た窪地にある湿原。傾斜が少なく水の流れが緩やかなため、独特の生態系を育んできました。

ハクバサンショウウオ

湿原に生息する、ハクバサンショウウオは10センチほどの大きさ。雪解けが進む5月初旬、長い冬の眠りから目覚め、活発に動き出します。産卵期を迎え、命の物語を紡ぎ始めます。

湿原の植物はハクバサンショウウオのゆりかご

湿原の周りでは、植物たちが一斉に地面から顔を出します。ミズバショウや薄い青紫色の花を咲かせるキクザキイチゲ、ニリンソウ・・・。こうした水辺の植物はハクバサンショウウオの隠れ家にもなります。水辺の植物に守られながら、連綿と小さな命が受け継がれてきました。

命の誕生告げるオオルリの声

5月中旬、湿原の森に賑やかな鳥たちが集まります。オオルリは東南アジアなどからやってきた渡り鳥。その鳴き声が一帯に響き渡る頃、湿原の水の中ではハクバサンショウウオの卵がふ化し、新たな命が動き出します。

情報

語り 堀越将伸(ほりこし・まさのぶ)アナウンサー
取材時期 2012年5月初旬〜下旬
取材地 長野県北安曇郡白馬村
※動植物の具体的な取材場所は、保護のためお伝えできません。
交通手段 JR大糸線白馬駅下車タクシー10分
豊科ICから80分
長野ICから80分
登場する動物
  • ハクバサンショウウオ
    1975年発見された新種のサンショウウオ。他のサンショウウオに比べて手足が短く、青みがかった美しい斑紋があるのが特徴。5月の産卵期にだけ、水辺に姿を現す。
  • オオルリ
    大きさ16cmほどの鳥で、その美しい身体の色から「森の宝石」とも呼ばれる。また美しい声で鳴き、"日本三鳴鳥"の一つとされている。5月、東南アジアから日本全土に渡ってくる。
  • キビタキ
    暖かくなると、フィリピンなど東南アジアから日本にやってくる大きさ14cmほどの鳥。オスは眉、のど元から腹の上部までは鮮やかな黄色をしている。
  • マルハナバチ
    体が丸みを帯び、体毛が長いのが特徴のミツバチ科の昆虫。春先、女王蜂が巣作りのため積極的に飛び回り、花々の蜜を吸う姿を見ることができる。
  • ギフチョウ
    里山など陽当たりの良い林を好むアゲハチョウ科のチョウ。年に一度、春先にしか現れず、山麓に春の訪れを告げる。卵から生まれた幼虫は翌春までサナギの状態で過ごす。

取材日記





5月でも気温が10度を下回る日が少なくない白馬連峰の山麓。夜は雪がパラつくこともあります。今年の冬は例年にない大雪で、撮影を始めた頃は、所々に残雪がありました。ハクバサンショウウオの産卵も遅れ、その姿をなかなか見ることができませんでした。しかし地元の方々の協力でなんとか撮影することが出来ました。生態は未だに多くの謎に包まれていますが、ごく限られた環境で生き抜いてきたハクバサンショウウオの青く美しい姿を見たときの感動は忘れられません。暖かくなるにつれて、植物はその姿を変え、鳥のさえずりも増えていきます。広さ4キロ四方ほどの小さな高原には、実に多くの生命の営みがありました。
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