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全長150キロほどの那珂川は関東地方有数の清流です。川の中流から上流には、とりわけ清らかな水辺の環境が広がり、生きものがあふれています。11月上旬に天然のサケが遡上し、産卵を始めます。海から70キロサケが集まる場所の上流域に広がる扇状地には湧き水があふれ、小川や池が点在します。そこには珍しいミヤコタナゴやイトヨなども住みます。1月、中流域の川底では生まれたばかりのサケの稚魚がじっと身を潜めています。秋から冬、那珂川で命輝く水辺の生きものの姿を描きます。

番組内容

海から遡上するサケ

秋、関東有数の清流、那珂川には産卵のため、サケが遡上します。海からおよそ70キロ、はるばる上ってきました。

清流にすむ貴重なイトヨ

流域に広がる扇状地は湧き水の宝庫です。澄み切った小川の中には貴重な生き物たちが、たくさん住んでいます。

秋の深まりとともに紅に染まる

標高500mを超えると、ごろごろとした大きな岩も増え、川の様相も変わってきます。秋も深まり、見事な紅葉が辺り一面に広がっています。

海で大きくなったサクラマス

水の中をのぞいてみると、大きなサクラマスの姿がありました。サクラマスも間もなく産卵を迎えます。

雪に覆われた河原

年をまたぎ、1月に再び那珂川を訪れてみると、紅葉から一転して真っ白な雪が清流を包み込んでいました。

情報

語り 森山春香(もりやまはるか)アナウンサー
取材時期 2011年11〜1月
取材地 栃木県茂木町、大田原市、那須塩原市(那珂川中流域から上流域にかけて)
※詳細は自然保護の観点から、控えさせていただきました。
交通手段 那珂川中流、那須野が原扇状地周辺
【列車】東北新幹線「那須塩原駅」より車で15分ほど
【車】東北自動車道、那須ICから下道で20分
登場する動物
  • サケ
    70cm〜80cmほどの回遊魚。川で生まれ、3年〜7年ほど海で回遊し、生まれた川へと戻り、産卵する。
  • ミヤコタナゴ
    関東のごく一部でしか生息しない貴重な魚。絶滅が危惧され、国の天然記念物に指定されている。
  • ニホンアマガエル
    体長4cmほどのカエル。水辺の植物の上や森の中に生息している。
  • ニホンアカガエル
    普段は森や草むらに住み、食べ物を求めて田んぼや池、小川の水辺に現れる。
  • イトヨ
    水温の変化が少ない湧き水を好む10cmほどの小さな魚。
  • ホトケドジョウ
    絶滅が心配されているドジョウの一種。田んぼや小川など流れが緩やかな場所に住む。
  • カワガラス
    全長20cmほど、岩が多い渓流を好む野鳥。潜水が得意で、水生昆虫などを食べる。
  • ヤマセミ
    渓流を代表する野鳥です。カワセミの仲間で、川に飛び込み、魚や虫を捕らえる。
  • ヤマメ
    冷たい水が流れる上流に住む魚。海へ下るとサクラマスになるが、下らずに川に残った陸封型。
  • サクラマス
    サケの仲間。サケと同じように海で大きく成長し、川へと産卵のため遡上する。
登場する植物
  • バイカモ
    15℃前後の水温に生育するキンポウゲの仲間の水草。湧き水が流れる小川などで多く見られる。

取材日記





「関東の大河を撮りたい」そんな思いから那珂川の取材が始まりました。日本全国、絶景やダイナミックな自然は数多あります。しかし、自分自身が住む関東の自然をしっかりと見つめようと思いました。撮影地は栃木県茂木町から那須塩原市までのおよそ70キロを何度も往復する撮影です。広大なフィールドの中で何をどう切り取るのか、そしてそこにはどんな生きものがいるのか、取材は困難を極めました。しかしそこで手を差し述べてくれたのは多くの地元の方々でした。観光マップには決して載ってはいない撮影ポイントなど地元ならではの情報をたくさんいただきました。その甲斐あり、限られた時間の中で撮影したい生き物たちの姿や美しい景色を確実に納めることが出来ました。とても感謝しています。テレビ画面に映る美しい景色や生き物達の裏側には、それを長い年月見つめ続けてきた地元の人々の姿があることも忘れてはいけないと思いました。
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