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山口県の西部、瀬戸内海に面した干潟「千鳥浜(ちどりはま)」。河口から沖へ2キロ、およそ750ヘクタールと本州有数の規模を誇ります。干潟にはカニやハゼ、野鳥など様々な生きものが暮らしています。夏は繁殖の季節。ハクセンシオマネキが大きなハサミを振って求愛する仕草や、トビハゼが口から泥を吐いて巣穴を掘る様子が見られます。同じ頃、産卵にやってくるのが「生きている化石」、カブトガニ。いま絶滅が心配されています。大潮の日の満潮時、メスが砂場で深さ20センチほどの穴を掘り、卵を産み落とします。貴重な命を育み続ける豊かな干潟、千鳥浜の夏から初秋にかけての命の輝きを見つめます。

番組内容

ハサミを振るハクセンシオマネキ

ハクセンシオマネキのオスは潮を招くように大きなハサミを振って、メスの関心をひこうとしています。

求愛するトビハゼ

夏の干潟は恋の季節。トビハゼのオスがメスに求愛の合図を送っています。

カブトガニの幼生

カブトガニの幼生は孵化してから7年ほど干潟で過ごします。脱皮を繰り返して成長します。

カブトガニのつがい

大人になったカブトガニは夏の大潮の日、海底から上げ潮にのって千鳥浜の砂浜に産卵にやって来ます。

カニを食べるソリハシシギ

千鳥浜には多くのカニ類が生息しています。千鳥浜はソリハシシギなど南へ向かう渡り鳥にとって、栄養を蓄えるための格好の中継地です。

ふ化したばかりのカブトガニ

カブトガニは産卵からおよそ50日でふ化します。大潮の晩、砂浜まで海水が満ちると、ふ化したばかりのカブトガニが無数に泳いでいました。

情報

語り 森山春香(もりやま はるか)アナウンサー
取材時期 2011年7月〜9月
取材地 千鳥浜(山口県下関市)
交通手段 小月ICから車で15分
JR新山口駅から車で50分、JR長府駅から車で5分
山口宇部空港からは車で40分
登場する動物
  • カブトガニ(節足動物門カブトガニ目カブトガニ科)
    日本の瀬戸内海を分布の北限として、揚子江以南の中国沿岸から、ベトナム、フィリピン、ボルネオ、ジャワ、スマトラなどの各沿岸にも分布。海水温が18℃を超えると、海底で越冬していた成体は干潟に上がってきて、6〜8月の大潮時にオスとメスがつながったまま上げ潮に乗って海岸に近づき、砂浜に産卵する。卵は約50日で孵化する。砂の中からはい出した幼生は、引き潮をともに干潟に移動し、脱皮を繰り返して成長する。幼生は十数年かけて15回脱皮をすると、成体になる。
  • ハクセンシオマネキ(スナガニ科)
    甲羅の幅は2cmほど、足を入れると横幅約4cm。オスは片方のハサミが極端に大きい。ハサミを大きく振る様子が白い扇子を振って潮を招いているように見えることから、この名前がついた。夏になると巣穴を掘り、メスを巣穴に呼び込んで繁殖する。
  • トビハゼ(ハゼ科)
    大きさ10cmほど。眼は頭の上に飛び出しており、平坦な干潟を見渡すのに適応している。エラ呼吸以外にも皮膚から酸素を取り込むことができることから、水から出ても活動ができる。6月〜8月に繁殖期を迎え、オスは干潟に巣穴を掘り、メスを呼び込んで産卵させる。
  • ソリハシシギ(シギ科)
    体長23cmほど。ユーラシア大陸の高緯度地方で繁殖する。アフリカ大陸からインド、東南アジア、オーストラリアに渡って越冬する。日本には旅鳥として各地に現れる。干潟などで、活発に採餌する様子が見られる。クチバシは長めで、上にそっているのが特徴的。雌雄同色。ピッピッピッ、ピリピリッと鳴く。

取材日記




瀬戸内海にもまだこんな広大な干潟が残されていたのか!?そんな驚きと共に今回の取材が始まりました。そして干潟で見る多くのカブトガニの幼生。「絶滅の恐れがある」という言葉はこの千鳥浜には当てはまらないのでは?と感じてしまうほどでした。苦労したのはカブトガニの産卵の撮影です。海の透明度が悪く、20センチほど離れただけで何も見えなくなります。透明度がよくなるタイミングを見計らい、何とか番組中の映像が撮影できました。今は日本に残り少なくなってしまったカブトガニの楽園。この番組で干潟への関心が高まってくれることを願っています。
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