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長野県西部にある常念岳は、北アルプスにそびえる標高2857mの高山です。頂上にほど近い、標高2500m付近は、夏、コマクサやチングルマなどの高山植物の花が次々と咲き、一面の“お花畑”となります。お花畑には、ミヤマモンキチョウを始め高山だけにすむチョウが姿を現し、命をつなぐ営みを行います。また、特別天然記念物のライチョウも高山植物の葉や実などをついばみ、短い夏を過ごします。命輝く北アルプスの高山を訪ねます。

番組内容

北アルプスの大パノラマ

常念岳は、北アルプスの名峰、槍ケ岳や穂高連峰を望む、絶好の展望台として知られます。

山を彩る天上のお花畑

夏、標高2500m付近の稜線にお花畑が広がります。中でもミヤマキンポウゲは日当たりのいい斜面に大群落を作ります。

高山植物の女王 コマクサ

寒冷で乾燥した高地にもかかわらず、100種類を越える高山植物が花開きます。

高山にくらすライチョウ

お花畑にはたくさんの生きものたちが集まってきます。ライチョウは生まれたばかりのヒナを連れて、高山植物の実や葉をついばみます。

強風から身を守るベニヒカゲ

常念岳は8種類の高山チョウが生息する楽園でもあります。高山を吹き抜ける風から身を守るために、木の陰に隠れていました。

「山の娘」ミヤマモンキチョウの産卵

高山チョウのミヤマモンキチョウは、氷河時代からの生き残りです。夏の間、食草のクロマメノキノの葉におよそ200個の卵を産みつけます。

獲物を狙うメボソムシクイ

東南アジアなどで越冬して初夏に高地に移動してくる小鳥たちが鳴き交わす声で、常念岳の短い夏はにぎわいます。

情報

語り 森山春香(もりやまはるか)アナウンサー
取材時期 2010年8月上旬
取材地 北アルプス・常念岳(長野県安曇市穂高)
交通手段 常念岳の登山口は一の沢林道の終点。JR大糸線の豊科駅、または穂高駅からタクシーで約30分。頂上までの行程は約5時間半。
より詳細な情報の入手先 安曇野市観光協会
http://www.azumino-e-tabinet/
登場する動物
  • ミヤマモンキチョウ
    「山の娘」と呼ばれる高山チョウ。幼虫のまま山の上で冬を越し、翌年の7月に羽化する。幼虫の食草はクロマメノキ。
  • クモマベニヒカゲ
    高山チョウの一種。成虫になるまで3年かかる。
  • ベニヒカゲ
    クモマベニヒカゲに見られるハネの白い線がない。
  • ライチョウ
    冬も間も高山で過ごす鳥。特別天然記念物。本州の高山のハイマツ帯に生息する。
  • ホシガラス
    ハイマツ帯の近くで食べ物を探す姿がよくみられる。針葉樹林に生息する留鳥。
  • カヤクグリ
    ハイマツ帯でよく見かける、スズメほどの大きさの小鳥。
  • ルリビタキ
    秋から春先には低地で越冬し、初夏に常念岳高地に移動して繁殖する。
  • ビンズイ
    尾根上の見通しのいいこずえに止まってさえずり、林床を歩きながら昆虫などを捕って食べる。
  • メボソムシクイ
    東南アジアなどで越冬して、初夏から夏に常念岳高地に移動する。
  • ヒガラ
    針葉樹の枝先で見かける小型のカラ類。
登場する植物
  • チングルマ
    夏の高山を代表する花。茎の高さは10cmほど。
  • タカネヤハズハハコ
    別名ウスユキソウ。乾いた高山の草地でよくみられる。
  • ミヤマキンポウゲ
    常念岳の日当たりのいい斜面に大群落を作る。
  • コイワカガミ
    山地で見られるイワカガミの高山型。花の大きさは1cmほど。
  • アオノツガザクラ
    高さ10cmほど。水分が豊富な場所で群落を作る。
  • ハイマツ
    標高2500m以上の尾根に生える高さ1mほどの低木。
  • クロメマノキ
    ハイマツ帯の近くに群落を作る高さ20cmほどの落葉低木。ピンク色の花は晩秋に黒っぽい実をつける。
  • コマクサ
    他の植物が生育できないような荒れ地に地中深くに根を伸ばして生きる。‘高山植物の女王’と呼ばれる。
  • イワギキョウ
    常念岳では頂上の風あたりの強い岩場に咲く。
  • タカネニガナ
    黄色の花を咲かせる高山植物。

取材日記




今年の猛暑は北アルプスの高山にも及んでいました。雲上まで登ったはずなのに・・・、暑いのです。気候のせいか、撮影を予定していた高山チョウのタカネヒカゲの姿が、どこを見回しても見当たりません。同行の研究者も、「一匹くらい飛んでいてもいいんですけどねぇ」と、山の隅々まで歩きまわって下さったのですが、結局見つからずじまいでした。その代わりにミヤマモンキチョウの撮影に集中しました。吹き飛ばされそうな風の中で次々に産卵していく雌の姿は、がんばれ!と声をかけたくなるほどけなげな姿。生みたての卵は、白く輝いていて宝石のようでした。この小さな命がダイナミックな北アルプスの風景の中から消えてしまわないように。そう願わずにはいられませんでした。
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