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北海道、石狩湾に面した小樽市。市街地を一歩離れると、豊かな天然の森が広がります。6月、新緑に彩られた小樽の森は、多くの野鳥たちでにぎわいます。子育てのシーズンがやってきたのです。その中にひときわ珍しい性質を持つ鳥がいます。海水を飲む鳥、アオバトです。普段は深い森で暮らすアオバトですが、小樽では夏、毎日のように海岸に舞い降り海水を飲む姿が見られます。子育てに備えて、ミネラル分を補うためといわれています。夏、アオバトの珍しい営みを中心に、小樽の森と海を描きます。

番組内容

歴史ある町 小樽

小樽市の観光名所、運河。年間700万以上の人々が訪れます。

北国の森に夏の気配

6月、街の周りに広がる天然の森では、動物たちが活気づきます。

虫を探すアカゲラ

野鳥たちにとって、夏は子育てのシーズン。親鳥たちは、巣で待つヒナのために食べ物を探しまわります。

アオバトのつがい

森の鳥たちの中で、ひと際美しい姿をしているアオバト。南から子育てのために渡ってきたハトの仲間です。

アオバトの不思議な習性

アオバトは、世界でも珍しい“海水を飲む”ハトです。子育てに備え、ミネラル分を補うためだと考えられています。

海岸は危険と隣り合わせ

一方、海岸に暮らすハヤブサにとって、アオバトは格好の獲物です。森にくらすアオバトが海岸で水を飲むのは、まさに命がけなのです。

情報

語り 村上里和(むらかみ さとわ)アナウンサー
取材時期 2010年6月中旬〜下旬
取材地 小樽市近郊の森と海岸
※動植物の具体的な取材場所は、保護のためお伝えできません。
交通手段 小樽市へは、新千歳空港からJRの快速列車で1時間程度。
バス利用の場合は、札幌駅より毎時10分間隔で発車。1時間程度
登場する植物
  • ツルアジサイ
    ツル性のアジサイの仲間。樹の幹や岩などにからみつき、花を咲かせる。別名ゴトウヅル。
  • タニウツギ
    北海道、本州の主に日本海側、日当たりのよい山野に生える。主に高所に育つ木だが、夏でも気温の低い北海道では、標高の低いところでもみられる。
  • エゾヤマザクラ
    バラ科。別名オオエゾヤマザクラ。北海道で最も一般的に見られるサクラの木。
登場する動物
  • エゾリス
    北海道に生息するリスで、体長は25cmほど。子リスは生後11週前後で親離れをする
  • センダイムシクイ
    ウグイス科。スズメより一回り小さい。九州からサハリン南部にかけ分布。北海道では夏鳥
  • アカゲラ
    キツツキ科。赤、黒、白が印象的な姿。北海道では留鳥。樹幹に穴を掘って巣にする。木に潜む虫を捕まえる。
  • シジュウカラ
    シジュウカラ科。スズメほどの大きさで、胸元のネクタイのような柄が特徴。北海道では留鳥。主に樹洞に巣を作る。
  • アオバト
    ハト科。緑色が印象的なハトの仲間。北海道では夏鳥。小樽の海岸では、群れを作って海水を飲むようすが知られている。小樽市の鳥。
  • オオセグロカモメ
    カモメ科。北海道と東北北部で繁殖する大型のカモメ類。海岸や河口部に生息するが、近年都市部での繁殖も報告されている。
  • ハヤブサ
    ハヤブサ科。海岸の崖の多いところに営巣し繁殖する。高速で急降下、急旋回できる飛行能力を活かし、飛んでいる鳥などを獲物とする。

取材日記




番組に登場するアオバトは、鮮やかな緑色の羽根をもった大変美しい鳥です。新緑の森の中でその姿を探そうとするともう大変。双眼鏡で姿を追っていても、茂みに入ったとたん、忍者のように木の葉にまぎれて見えなくなってしまいます。カメラマンと二人、きっとどこかにいるはずのアオバトを、目を凝らして探す毎日でした。しかし、不思議なもので、探していると見つからないのに、他の鳥を撮っているとふと現れたりします。まるで人の心を読んで行動しているようでした。姿の美しさに加え、アオバトを特徴づけるのはその声。オーアオー、オ、アオー、ちょっと調子はずれの尺八のような声。一度聞いたら間違えようのない声です。今回の取材ですっかり耳に残ってしまい、街に帰ってからもアオバトが鳴いていると思ったら、遠くを走る救急車のサイレンの音だったり、さらには寝ている夢の中でまで鳴いていたり…。頭の中、目や耳までもアオバト一色になった、そんな取材でした。
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