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青森県東部、三沢市にある仏沼には、ヨシの茂る広大な湿原が広がります。ここは130種類以上の鳥が見られる野鳥の宝庫です。湿原の鳥たちが恋の季節を迎える6月、派手な羽音を立てて滑空するオオジシギや、水面で華麗なダンスを舞うカンムリカイツブリなど様々な求愛のようすが見られます。中でも珍しいのが、一時は絶滅されたと思われていた幻の鳥、オオセッカです。オオセッカもヨシ原の上でさえずりながら飛び回ります。仏沼を舞台に、初夏、歌にダンスに見事な輝きを見せる鳥たちの競演を描きます。

番組内容

ヨシ原が広がる仏沼

仏沼は、40年ほど前に干拓されたものの農地としては使われず、今では広大なヨシに覆われた湿原となっています。

恋の季節を迎えた野鳥たち

カンムリカイツブリは、名前の由来にもなっている頭の黒い羽と、首の茶色い羽を広げて、お互いにアピールします。

貴重な鳥、オオセッカ

仏沼は、オオセッカの日本最大の繁殖地です。日本に生息するオオセッカのおよそ半分、1000羽が集まります。

求愛するオオセッカのオス

オオセッカのオスは、ヨシ原から勢いよく飛び上がると、さえずりながら円を描くように飛び、メスを誘います。

冷たい霧を運ぶ“やませ”

夏、北海道や東北の太平洋沿岸に発生する風、やませに吹きつけます。すると、濃い霧が湿原を覆い気温は一気に下がります。

宝石のようなオオルリハムシ

ヨシが多い仏沼は、昆虫の宝庫でもあります。

新しい命の誕生

6月半ば、オオセッカの巣にはヒナが生まれていました。

情報

語り 森山春香アナウンサー
取材時期 2010年6月
取材地 青森県仏沼
交通手段 車:三沢空港から30分。JR八戸駅から60分。「道の駅みさわ斗南藩記念観光村」を北へ5qの所に、ラムサール条約湿地の看板があります。
バス:三沢駅発→平沼(六ヶ所村)行き 砂森入り口停留所下車 
※仏沼への立ち入りは自由ですが、周辺は農地ですので配慮ある行動をお願いします。
※案内施設や売店、トイレ、水道などは一切ありません(道の駅みさわが最寄り)。
より詳細な情報の入手先 ○仏沼のオオセッカについて
環境保全活動を行っているNPO法人「おおせっからんど」
HP:http://www.oosekka.com/htdocs/index.php
○行き方などについて
三沢市環境衛生課 Tel:0176−53−5111
登場する植物
  • スズラン
    ユリ科。ブナの森や湿原に見られる花で、仏沼ではヨシ原の根元に咲く。仏沼の初夏の花のトップバッター。
  • ヒツジグサ
    スイレン科。ヒツジの刻(夏は午後2時頃)に開花することから名付けられた。全国の池沼にあったが環境の悪化により、今では限られた場所でしか見られなくなっている。
登場する動物
  • オオセッカ
    ウグイス科。1940年頃、宮城県で確認されたのを最後に姿を消し、絶滅したと考えられていたが、1972年に青森県で再発見された。国の絶滅危惧種。
  • オオジシギ
    シギ科。早朝や夕暮れ時、オス同士が数羽集まって求愛飛行を行う。さえずりながら飛び回り、大きな羽音と共に急降下する。
  • カンムリカイツブリ
    カイツブリ科。日本の多くの場所では冬鳥。夏羽は鮮やかな色あいで、オスとメスで向き合い、羽を逆立てて首を振りながら求愛する。
  • チュウヒ
    タカ科。草原にすむタカで、飛行中にV字型になる翼が特徴。日本に約50つがいしかいないとされ、国の絶滅危惧種となっている。
  • コヨシキリ
    ウグイス科。主に気候の冷涼な高原や北日本の草地に渡ってくる夏鳥。鈴を転がすような甲高い声で、長くさえずる。夏の仏沼では、最も数が多い。
  • オオジュリン
    ホオジロ科。主に北海道で繁殖をする夏鳥。黒い頭と白い首の毛が特徴。
  • コジュリン
    ホオジロ科。日本のごく限られた場所でしか繁殖しない夏鳥。黒い頭が特徴。よく響く澄んだ声でさえずる。
  • オオルリハムシ
    ハムシ科。限られた湿原にしか見られない昆虫。地域によって色が異なり、仏沼のものは光沢のある青緑色をしている。
  • マンシュウイトトンボ
    イトトンボ科。かつて北海道だけに見られたが、ここ10年間で、青森県にも分布が広がっている。

取材日記




夏の東北地方に吹く冷たい風「やませ」。取材が始まって2日目、現地の皆さんとお話していると…「あ、来ましたね」。青空からみるみる真っ白い霧が押し寄せてきました。その冷気たるや、防寒具を2枚重ね着しても寒いくらい。その後は、晴れの予報をもとに夜明け前からスタンバイしても霧だったり、濃霧で取材をあきらめたら突然晴れたり。予想のつかない「やませ」の動きに悩まされました。 そんな冷たい霧の中でも、オオセッカは相も変わらず、さえずりながら飛び上がり続けます。メスに見えなくてもいいのかな?勝負は歌声?いろいろ疑問はわいてきますが、何だかとっても、けなげな姿。頑張れ、オス!
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