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日本海に浮かぶ佐渡。島の半分を占める大佐渡山脈は、一年の多くの時間を雲で覆われる霧の山です。その山の中に、日本でも数少ないスギの原生林が広がっています。この森のスギは、みな変わった形をしています。幹はいくつも分かれ、枝はうなだれ、ついには地面について根を張っているのです。叫び声を上げているかのような奇妙な姿は、冬の厳しい風雪に耐えて作られた、佐渡独特の造形。夏のスギの森は、エゾアジサイやクルマユリ、旅するチョウ、アサギマダラなど、いろいろな動植物で彩られます。生命あふれる、霧の森の夏を訪ねます。

番組内容

山脈の島 佐渡

佐渡は島の7割が山地。北半分を占める大佐渡山脈には、標高1000メートルの山々が連なります。

貴重なスギの原生林

大佐渡山脈にあるスギの原生林。スギは人が手をかけないと自生しにくいため、大規模な天然の森は、佐渡を含め、屋久島など数カ所しかありません。 

スギを育てた霧

日本海からの湿った風が山を駆け上り、山は多くの時間、霧で覆われます。この霧が、湿潤な気候を好むスギを育ててきました。

スギ 奇妙な造形

森の名物「タコ杉」。幹も枝も、タコの足のように分裂しています。佐渡のスギは、冬の厳しい風雪に堪え忍んで育つため、みな、変わった形をしているのです。

森を彩るエゾアジサイ

スギの根元に咲くエゾアジサイ。植林の森と違い、様々な植物がスギと共存しています。

スギと共に生きる鳥 ヒガラ

夏、スギの森には生きものが集います。スギの種子や枝についた虫を食べるヒガラ。スギは鳥に生きる場所を与えます。

夏の訪問者 アサギマダラ

渡りをするチョウ、アサギマダラ。お目当ては、森に咲くヨツバヒヨドリの花の蜜。秋には、再び南へと帰って行きます。

情報

語り 小林 千恵(こばやし ちえ)
取材時期 2009年8月初旬
取材地 佐渡・新潟大学演習林内(新潟県佐渡市)
※環境保護のため、許可のない立ち入りはできません。
交通手段 佐渡へは、新潟港から船を利用。スギの原生林には入山規制があり、佐渡観光協会が行うエコツアーでのみ、一部の地域に入ることができます。
より詳細な情報の入手先 佐渡観光協会 TEL:0259-27-5000 
http://www.visitsado.com/00sp/09ep_sp/s04.html
登場する植物
  • スギ
    日本固有の針葉樹だが、数百ヘクタールの規模の天然の森があるのは日本でも数カ所。佐渡では350ヘクタールに、10万本の天然スギが立ち並ぶ。古いものは樹齢500年ほど。
  • エゾアジサイ
    日本海側にのみ咲く雪国の花。青い装飾花が特徴的。
  • クルマユリ
    オレンジが華やかなユリ。高山植物だが、標高の低い佐渡の山に多く見られる。
  • イブキジャコウソウ
    高山植物。ピンクの小さな花をつける。山の風蝕地に咲く。
  • ヨツバヒヨドリ
    ピンクのかかった白い花をつけるキク科の花。
登場する動物
  • ヒガラ
    針葉樹林帯にすむ山の鳥。佐渡の留鳥で、スギの種子や、枝についた虫 を食べる。
  • ホオジロ
    留鳥。8月まで、メスを呼ぶさえずりを聞くことができた。
  • オオアカゲラ
    キツツキ科の留鳥。キョッキョッと言う声とともに飛んでくる。
  • アサギマダラ
    渡りをするチョウ。6月から8月まで、ヨツバヒヨドリの花を求めて佐渡にやってくる。ヨツバヒヨドリの蜜には、アサギマダラのオスのフェロモンを作るための物質が入っている。

取材日記





佐渡の森にスギの原生林が眠っていたことは、最近まであまり知られていませんでした。貴重な森であるため、入山規制が設けられ、保護に力が入れられています。スギといえば、日本中で花粉をまき散らす嫌われものですが、実はもともと、人の手を借りないとほとんど根付くことのできない木です。ところが、いったん枝を伸ばすと、何度折られて倒されても、生き延びようとします。この森のスギは、どれもが苦しみもがき叫んでいるようで、何百年と繰り返される試練の冬を堪え忍んできたその姿に胸が打たれました。また、山を覆う霧にも驚かされました。霧はものすごい早さで、谷間を駆け上がってくるのです。撮影が進むにつれ、「霧待ち」という時間ができました。その名の通り、森の中で霧がやってくるのをひたすら待ちます。 数時間後、冷たく弱い風を感じると、やがて霧の筋が森に入り始め、気づいた時には一面幕をかけたような世界へと変わります。夏、霧の森は、冬の厳しさなど微塵も感じない優しさであふれていました。
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