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北海道の東部、太平洋の沖合に浮かぶ大黒島は、断崖に囲まれ、草原と岩場が広がる荒涼とした無人島です。5月下旬、島は子育てに来た海鳥の大群とアザラシでにぎわいます。海鳥の中で多いのがコシジロウミツバメです。100万羽が飛来し、いたる所に巣穴を掘り産卵を始めます。一方、海岸で子育てするのがゼニガタアザラシ。日本では、主に北海道東海岸の襟裳岬と大黒島で子育てをします。初夏、海の生きものたちでにぎわう北の無人島を見つめます。

番組内容

北の小さな無人島

北海道東部、釧路地方の沖合2キロに浮かぶ無人島、大黒島。国の天然記念物に指定され、貴重な生きものたちの宝庫です。

見渡す限りの草原

島は、高い木がわずかに残るだけで大部分は草原に覆われています。夏場、毎日のように島を包み込む濃い霧がこの独特な植生を築きました。

赤ちゃんに乳を与える母親

5月から6月にかけては、ゼニガタアザラシの子育ての時期です。仰向けで波間に漂い、赤ちゃんに乳を与える姿がみられます。

海鳥の楽園

大黒島は海鳥の貴重な繁殖地としても有名です。5月、オオセグロカモメやウミウなども繁殖のため島を訪れます。

島の夜の主人公

日が暮れたあと、島の草原に集まってくるのがコシジロウミツバメです。島は、国内最大の営巣地で、毎年、50万を超える巣穴で子育てをします。

海中に広がる海藻の森

島の周囲には、コンブやホンダワラなど豊かな海藻の森が広がります。

海藻にかくれるシモフリカジカ

海藻の森には、多くの魚がすみます。この海の生き物たちが海鳥やアザラシの糧となり、子育てを支えます。

情報

語り 吉岡大輔(よしおか だいすけ)アナウンサー
取材時期 2008年5月下旬〜6月上旬
取材地 北海道厚岸郡厚岸町大黒島
島は国の天然記念物に指定されているため、文化庁や厚岸町教育委員会の許可が無いと上陸できません。
※動植物の具体的な取材場所は、保護のためお伝えできません。
撮影で訪れた展望台:ピリカウタ展望台(厚岸町)
交通手段 ピリカウタ展望台へは、JR厚岸などから車で20分。
公共交通機は少ないので、レンタカーかタクシーが便利。
より詳細な情報の入手先 厚岸町海事記念館 北海道厚岸郡厚岸町真栄3丁目4番地
0153−52−4040
http://www.town.akkeshi.hokkaido.jp/kaiji/
登場する植物
  • ホンダワラ
    大黒島の周辺の浅瀬に広がる海藻の仲間。大きいものでは7〜8mまで成長する。
  • エゾノクサイチゴ
    北海道東部では一般的に見られるイチゴの仲間。5月から6月にかけて白い花をつける。
登場する動物
  • ゼニガタアザラシ
    日本では、北海道東海岸にくらし、主に大黒島と襟裳岬で繁殖する。体表に銭の形をした特徴的な模様がある。
  • オオセグロカモメ
    全国で一般的に見られるカモメ。大黒島では数万羽が繁殖をしている。
  • ウミウ
    全国に生息する海鳥。夏場、海沿いの断崖など厳しい環境に巣を作り、子育てを行う。
  • コシジロウミツバメ
    ムクドリほどの大きさの海鳥。大黒島は国内最大の営巣地で50万を超える巣がある。 
  • クリガニ
    毛ガニの仲間。小魚やプランクトンを食べて暮らしている。
  • シモフリカジカ
    岩場や海底などに生息する魚。ゼニガタアザラシの大好物。
  • ラッコ
    主に千島列島に生息する。近年、北海道東部でたびたび目撃されている。

取材日記








大黒島での撮影は精神的にも肉体的にも、とても厳しいものでした。われわれスタッフが島に撮影に入ったのは5月下旬。季節としては初夏ですが、最高気温は12℃〜13℃、朝晩は5℃前後まで冷え込みます。吹きさらしの高台で撮影をしているといやおうなしに体力を奪われます。さらに大黒島のある北海道東部は霧の発生で有名な地域です。われわれも初日こそ晴れたものの、その後1週間はずっと霧に悩まされ、思うように撮影が進みません。このままだと撮影を数日延ばさなければいけない状況でした。
 背水の陣で望んだ撮影最終日。なんと天気は快晴。霧も全くありません。これまでのうっぷんを晴らすようにアザラシの親子の撮影を進めます。1時間ほどたったとき、アザラシより一回り小さい生きものを見つけました。よく見るとお腹の上で貝を割っています。おもわず「ラッコだ!」と叫んでしまいました。偶然にも島にラッコが訪れていたのです。ラッコのあまりのかわいさにわれを忘れてカメラを回し続けました。ラッコとの遭遇は大黒島からわれわれへのすばらしいプレゼントでした。
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