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沖縄本島の西、およそ100kmの海上に浮かぶ久米島。サンゴ礁や亜熱帯の森など豊かな自然が広がり、島全体が県立自然公園に指定されています。島の沖合いにある広大な砂州、"はての浜"には、美しい景観や生き物たちの姿が見られ、オキナワスダジイの群落が発達する森には、リュウキュウヤマガメやクメジマボタルなど希少な固有種が生息しています。亜熱帯の豊かな森と海が広がる南国の島を見つめます。

番組内容

なだらかな久米島

宇江城岳(うえぐすくだけ)など標高300mほどの低い山がなだらかな久米島の地形を作ります。

広大な砂州「はての浜」

島から5キロほど沖合にある「はての浜」は、長い年月をかけて削られた、サンゴのかけらや貝殻などが堆積してできた、広大な砂州です。

生き物たちのゆりかご

「はての浜」はウミガメやコアジサシなどの繁殖地です。コアジサシは毎年ここでコロニーを作り、子育てをします。

宇江城岳の森

オキナワスダジイの群落が発達する森の中は、清らかな渓流が流れ、亜熱帯特有の植物が生い茂ります。

固有種や天然記念物の宝庫

久米島と沖縄本島北部、渡嘉敷島にのみ生息するリュウキュウヤマガメは、絶滅が危惧されている国の天然記念物。渓流沿いなど湿った森で昆虫や植物の芽を食べています。

豊かな森と水のシンボル

久米島だけにすむクメジマボタルは、幼虫の時は澄んだ水でないと生きることができません。豊かな森と水がある久米島の象徴的な生き物です。

情報

語り 江崎史恵(えざき しえ)アナウンサー
取材時期 2009年4月下旬、5月上旬
取材地 久米島の海岸線や「はての浜」、宇江城岳の自然林(久米島町)
※動植物の具体的な取材場所は、保護のためお伝えできません。
交通手段 久米島へは、那覇からフェリーか航空機を利用。島では、公共交通機関が少ないので、レンタカーかタクシーが便利。
より詳細な情報の入手先 久米島ホタル館    098-896-7100
久米島自然文化センター098-896-7181
登場する植物
  • テッポウユリ
    南西諸島原産でユリ科の多年草。久米島では海岸付近に群生し、初夏に白い花を横向きに咲かせる。  
  • オキナワスダジイ
    温暖で雨の多い亜熱帯気候の山地に分布するブナ科の常緑照葉樹。
  • クワズイモ
    サトイモ科の植物で熱帯や亜熱帯に分布。葉の長さは60cmにもなり観葉植物として人気。イモは有毒。
  • ヒカゲヘゴ
    亜熱帯の湿った低地林に多く茂る日本最大のシダ植物。ゼンマイの様な形の新芽を出す木生シダ。
登場する動物
  • リュウキュウメジロ
    奄美大島以南の南西諸島に分布するメジロの仲間で、スズメよりもやや小さく、花のみつや果汁を好む。
  • ヤツガシラ
    ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアにかけて分布。久米島では春の渡りの時期に見ることができる。
  • コアジサシ
    本州以南の砂浜などで集団繁殖する夏鳥。「はての浜」には、毎年4月下旬頃から飛来し、コロニーを作る。
  • クロサギ
    黒色型と白色型がある本州以南に住む留鳥で、岩礁や砂浜、干潟などで魚などを食べる。
  • オキナワキノボリトカゲ
    沖縄諸島、奄美諸島に生息するアガマ科の生き物で乱獲され数が激減。島の森に生息し虫などを食べる。
  • リュウキュウヤマガメ
    久米島、沖縄本島北部、渡嘉敷島に生息するイシガメの仲間。国の天然記念物で渓流沿いなど湿った森林に生息。
  • カワニナ
    日本各地の河川、湖沼、池沼の水底に生息する、殻長5cmほどになる巻貝。白瀬川源流域には多数生息。
  • イシガケチョウ
    南西諸島で見かけるタテハチョウの仲間。オスはよく吸水し、羽を開いてとまる。
  • クメジマボタル
    久米島だけに生息する固有種で、幼虫期は水中でカワニナを捕食する水生ボタル。ゲンジボタルの近縁種。

取材日記





琉球王朝時代、久米島は「球美(クミ)の島」と呼ばれていました。球美とは、琉球列島の中でもっとも美しい島という意味で、久米島という名前の語源だそうです。取材で訪れた私たちの目の前にも、青い海や亜熱帯の森など美しい風景が広がっていました。ところが、この久米島の名前には、もう一つ由来となっている説があります。“クミ”とは、沖縄の方言で“米”の意味で、この意味もあるというのです。現在、島のほとんどは、サトウキビ畑ですが、かつての島では、稲作が盛んで米どころだったそうです。実際、島の西側には1カ所、水田があります。豊かな森とそこから生まれる水が今でも水田を支えています。私たちは、澄んだ水だけにすむクメジマボタルなどの生き物たちを撮影するうちに、久米島は、美しい風景をもつだけでなく、島の豊かな自然が残されている貴重な島であると感じるようになりました。番組を通して、少しでも私たちの感じた「クミの島」をお伝えできたらうれしく思います。
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