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函館市を流れる松倉川。全長24kmほどと短い川ながら、多様な景観を持っています。市街地を流れる下流では、海からやってきたウグイの群れがゆったりと泳いでいます。上流に見られるのは、深い渓谷や大小数多くの滝が続く厳しい景観です。そして中流。特徴は、ブナやカツラなど落葉広葉樹が生い茂る水際です。水中にはその落ち葉を食べるトビケラなどの小さな水生昆虫がくらしています。これを狙うのがカワガラス。水中を泳いで虫を捕まえるのが得意な鳥です。1年で最も寒さが厳しい1月、函館の松倉川で、小さな命のつながりをみつめます。

番組内容

市街地を流れる下流

函館の市街地を流れる松倉川です。北海道南部に数多く見られる小さな川の1つです。

下流を泳ぐウグイの群れ

数千匹の大群を作っているウグイ。冬場のほとんどを海で過ごしますが、下流に温かい場所を見つけるとそこに留まります。

白滝

上流部では、川は急峻な山肌をたくさんの滝となって流れます。松倉川には名前がついているだけでも12本の滝があります。

落葉広葉樹の林が迫る中流

川の周りには深い森が広がります。その多くは落葉広葉樹です。温暖な地域に生える木と北国の木が松倉川の中流に豊かな森を作り、川にくらす生き物たちを支えます。

落ち葉などを食べる水生昆虫

流れが緩やかな川底にたくさんの落ち葉や小枝がたまっています。川の中には数多くの昆虫が落ち葉を頼りにくらしています。

潜水して虫を捕まえるカワガラス

特技は潜水です。川水の中で羽を巧みに使って泳ぎ回り、深い川底にすむ昆虫を捕まえて食べます。食べ物のほとんどが水生昆虫です。

雪の上を歩くクロカワゲラ

冬の初め、幼虫から成虫になったばかりです。晴れた日には雪の上を歩き回って落ち葉などの食べ物を探します。

情報

語り 松村正代(まつむら まさよ)アナウンサー
取材時期 2009年1月中旬〜下旬
取材地 松倉川流域(函館市)
※動植物の具体的な取材場所は、保護のためお伝えできません。
交通手段 下流は市街地にあるため、バスなどの公共交通機関でも可能。
中流から上流にかけては川沿いに「大船松倉林道」が通っているためマイカーかタクシーが便利。※冬季は雪のため車の通行はできません。スノーシューや山スキーなど雪山登山の装備が必要。
より詳細な情報の入手先 渡島(おしま)東部森づくりセンター 
0138−51−4611
登場する植物
  • 落葉広葉樹
    ブナやカツラ、ハルニレなど、秋にたくさんの葉を落とす。
  • カツラ
    東北から北海道にかけてよく見られる、北国を代表する木。
  • ブナ
    温暖な地域に生える木で、北海道では南部だけに見られる。
登場する動物
  • ウグイ
    コイの仲間で、川と海を行き来して暮らしている。
  • カワゲラの仲間(幼虫)
    水の中で暮らす昆虫。落ち葉などを食べて暮らしている。
  • トビケラの仲間(幼虫)
    水の中で暮らす昆虫。石のかげで流れてくる落ち葉などを待ち構えている。
  • カワガラス
    川に潜って水中の虫を捕まえる。食べ物のほとんどが水の中の虫。
  • マヒワ
    中国北部などから渡ってくる冬鳥。ハンノキの種子などを食べる。
  • アカゲラ
    中くらいの大きさのキツツキ。木に隠れる虫を食べる。
  • クロカワゲラの仲間(成虫)
    冬の天気の良いときに雪の上で見られる。落ち葉などを食べている。

取材日記







カワガラスは愛きょうのあるかわいらしい鳥です。川の中で捕まえた虫をくちばしから落としてしまい慌てて水に飛び込んだり、寒いのか羽毛をふくらませたまん丸の体でバランスを取りながら片足で立っていたり。よく見ると顔立ちもどことなく親しみを感じます。そんなカワガラスが水中で虫を捕まえるようすを撮影しようと、川の中に水中カメラを沈めました。しかし、鳥が映っていない映像を見てがっかりしながら帰る日が続きました。 撮影を始めて1週間後、水中撮影の最終日、ついに撮影成功。クルー全員が映像を見て驚きました。陸上とは全く異なる機敏な動き、まさにハンターともいうべき姿が映っていました。体は小さく足に水かきもない鳥が、水中では翼を羽ばたかせ自由に泳いでいたのです。羽毛の間の空気で銀色に輝かせた体。石を何個もひっくり返しながら、わずか1cmの虫を捕まえる狩り。初めて目にするカワガラスの狩りに、野生のたくましさを感じました。この番組を担当するたび、知らなかった生きものたちを次々に好きになっていきます。カワガラスを待っている時間さえ、キツツキのドラミングが聞こえてきたり、目の前で猛禽類のハンティングを目撃したり。ディレクターとしてはせっかくのチャンスだったのに撮り逃してしまったと地団駄を踏むところですが、松倉川の自然の豊かさを肌で感じられる至福の時でもありました。ぜひ、命の営みが繰り広げられる自然の中へ、ゆったりとして気持ちで踏み入ってみてはいかがでしょうか。
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