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三重県中部、太平洋側に突き出た志摩半島。海岸線には、日本有数の入り組んだ浅い岩場が続きます。夏、潮の満ち干の影響を受ける岩場では、様々な生き物たちのドラマが繰り広げられます。潮が引いた岩場で巧みに乾燥に耐える巻き貝、小さな潮だまりで卵を守るカエルウオ、満ち潮の夜、子ガニを波間に放つアカテガニ、海岸の生き物たちの知恵と命の営みを見つめます。

番組内容

多様性に富む志摩半島の海岸

内海側には、日本有数のリアス式海岸。外海側は、複雑な岩礁地帯が続きます。多様な自然が多くの生き物たちを育んでいます。

海の満ち干が生みだす 潮だまり

岩場が続く志摩半島では、潮の満ち干によって、潮だまりという「海水の池」が数多く生まれます。潮だまりは、小さな生き物たちにとって絶好のすみかになります。

卵を守るカエルウオ

夏、潮だまりの生き物たちが、産卵の季節を迎えます。顔がカエルに似ていることから、その名前がついたカエルウオです。体長はわずか8cm。巣穴では、オスが一生懸命卵を守ります。

海と森が一体となった自然

志摩半島は、海のすぐそばまで森がせまっているのが特徴です。入り組んだ地形のため、人の手がほとんど入っていない豊かな森が残されています。

大潮の夜、海に子供を放つアカテガニ

アカテガニは、普段は森に住んでいますが、夏の大潮の夜になると、海に子供たちを旅立たせます。海と森とがつながっているからこそ、子孫を残せるのです。

夏の暑さをしのぐ工夫

真夏、潮が引いた岩場は、生き物たちにとって苛酷な環境です。タマキビガイの仲間は、熱い岩に体がつかないよう貝殻の口を岩から離して、暑さをやり過ごしています。

情報

語り 望月豊(もちづき ゆたか)アナウンサー
取材時期 2008年7月、8月上旬
取材地 三重県志摩市、鳥羽市の海岸
※生き物の具体的な取材場所は、保護等のためお伝えできません。
※撮影は、地元漁協の許可を得て行いました。
交通手段 鳥羽市の海岸へは、近鉄鳥羽駅、またはJR鳥羽駅からバスを利用。
志摩市の海岸へは、近鉄鵜方(うがた)駅からバスを利用。
より詳細な情報の入手先 鳥羽市役所観光戦略室 0599-25-1157
志摩市役所観光戦略室 0599-44-0005
登場する動物
  • ギンユゴイ
    房総半島以南の太平洋岸に分布。体は銀色で、尾ヒレに黒色の斜帯が5本あるのが特徴。初夏から秋に潮だまりでは体長5cmほどの幼魚がよく見られる。
  • ナベカ
    スズキ目イソギンポ科の魚。体長は6cmほど。分布は北海道南部以南から九州南部。浅い海の岩礁帯や潮だまりでよく見られる。
  • イソクズガニ
    房総半島以南の南日本に分布。クモガニ科のカニ。体に海藻をつけることで、敵の目をあざむこうとするカニ。甲羅の幅は4cmほど。
  • カエルウオ
    関東以南の岩礁帯に生息し、潮だまりでよく見られる。イソギンポ科の魚。くし状の細かな歯をもち、その歯で岩の上の珪藻をかきとって食べる。夏に産卵し、雄が卵を守る。
  • アカテガニ
    本州から南西諸島までに分布。 海の近くの温帯の森に住む甲羅の幅3cmほどのカニ。食べ物はコケや落ち葉、森にすむ昆虫やミミズなど。夏の大潮の夜にアカテガニは海へと移動して子供を沖へと放つ。子供はおよそ2ヵ月沖で過ごして、森へと戻ってくる。
  • アラレタマキビガイ
    巻き貝の一種。 海の中が苦手で、波しぶきがかかる位の磯にくらす貝。体長5mmほど。夏の暑い日には、殻の片側だけで岩に付け、殻を固く閉ざす。潮が満ちて岩がぬれると、再び動き出す。
  • カメノテ
    見た目の形が亀の手に似ていることから、この名がつけられた。エビやカニなど甲殻類。潮が引いた時は、殻を固く閉ざしている。潮が満ちてくると、触手を広げて、波が運んでくるプランクトンを食べる。

取材日記





志摩半島は、伊勢湾からの流れと熊野灘から海流がちょうどぶつかる場所です。そのため、豊かな栄養が海藻を育み、沿岸では海藻を食べて育つアワビやサザエをとる海女漁が盛んに行われています。今回小さな潮だまりの海藻や藻の種類の多さを見て、志摩半島の海の豊かさを感じました。撮影で苦労したのは、アカテガニの撮影です。アカテガニは動くものを少し察知しただけで、すばやく物陰に隠れてしまいます。あまりの用心深さにとまどいました。それでも 2日間かけ、スタッフ全員で息を潜めてなんとか撮影することができました。また、大潮の夜、子供を海に放つ時もアカテガニは非常に神経質でした。夜6時半すぎ、海に次々と集まってくるのですが、少しのことで警戒を強め動きを止めてしまうのです。取材協力をしていただいた鳥羽水族館の学芸員の方の言葉「最初の1匹が海に入るまではあせって動いてはダメです。どれか1匹が海に無事子供を離すと警戒心が弱まるので、それまで待つことです。」そのアドバイスを頼りに、貴重な場面をカメラに収めることができました。
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