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愛知県豊橋市東部にある葦毛(いもう)湿原は、面積およそ3ヘクタール、湧き水が作り出した湧水湿地です。絶滅危惧種に指定されているミカワバイケイソウや食中植物のトウカイコモウセンゴケなど貴重な植物が生えます。初夏、湿地は、白や紫、黄色など色とりどりの花で彩られ、周囲の田んぼではアマサギなどの渡り鳥でにぎわいます。都市近郊の豊かな湿地を描きます。

番組内容

市街地のすぐ隣にある湿原

葦毛湿原は、豊橋市街のすぐ隣、静岡県の県境に連なる弓張山地の山すそに広がります。

湿原を潤す湧き水

湿原は、山地から1年中湧き出る水で潤います。

初夏 花たちの競演

初夏。湿原は色とりどりの花々が咲き、初夏の装いに変わっていきます。白い花は、氷河期の生き残りといわれるミカワバイケイソウです。

可憐なカザグルマの花

風車のような形から、その名前がつきました。

南からの渡り鳥 アマサギ

湿原周辺の田んぼに、だいだい色の飾り羽をなびかせたアマサギが南からやってきました。

雨の恵みに活気づくオモイガケナマイマイ

雨が降ると、弓張山地の石灰岩の岩肌では、陸貝が歩く姿が見られます。

希少なトウカイコモウセンゴケ

食虫植物のトウカイコモウセンゴケ。東海地方の湿地で見つけられました。

情報

語り 江崎史恵(えざき しえ)アナウンサー
取材時期 2008年5月中旬
取材地 愛知県豊橋市 葦毛湿原周辺
交通手段 <自家用車>豊橋駅から30分程度。     
<バス> 豊橋駅東口4番乗り場から豊鉄バス飯村岩崎線岩崎バス停下車 徒歩8分程度。
より詳細な情報の入手先 ●豊橋市自然史博物館 TEL:0532‐41-4747 
ホームページ:http://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/
●葦毛湿原保護の会 TEL:0532‐45-9111  
※定例観察会などを開いています。
登場する植物
  • ハルリンドウ
    高さ10cm、花冠2‐3cmほど。二年草で温帯の日当たりのよい、やや湿った山野に広く分布する。
  • ニョイスミレ
    花は径1cmほど。多年草で山野の湿ったところに生える。
  • ニガナ
    頭花は1.5cmほどで通常5個の小花からなる。山地や野原に生える多年草。
  • カザグルマ
    林縁に生える、つる植物。園芸種のクレマチスの原種で、風車のような形から名づけられた。
  • ミカワバイケイソウ
    高さ1mほど。近い仲間の植物は高山に分布しており、氷河期の生き残りと考えられている。
  • コナラ
    高さ15mほど。雑木林の代表的な樹種の一つ。
  • エゴノキ
    高さ7‐15mほど。今年のびた短い側枝の先に白い花を1‐4個下げる。
  • シラタマホシクサ
    東海地方の固有種。伊勢湾沿岸の鉄分の多い酸性の水湿地にだけ生える。
  • トウカイコモウセンゴケ
    花茎は高さ10-15cm。花は薄紅色。日当たりの良い酸性湿地に生育する多年草の食虫植物。
  • モウセンゴケ
    花茎は高さ6-20cm、花は白色。日当たりの良い酸性湿地に生育する多年草の食虫植物。

  • ※上記の植物のうち、ミカワバイケイソウ、シラタマホシクサ、トウカイコモウセンゴケは、東海地方の湿地に分布の中心があることから「東海丘陵要素植物」と呼ばれる。
登場する動物
  • ニホンカナヘビ
    全長160-270mmほど。日本の固有種で平地から低山地帯の範囲に多く生息する。
  • トゲヒゲトラカミキリ
    大きさ7-12mmほど。この湿原のミカワバイケイソウでは、花粉などを食べているようである。
  • キンモンガ
    大きさ32-39mmほど。日中日向を飛び回り、花に吸蜜に訪れる。そのためよくチョウに間違えられるガ。
  • クロアゲハ
    大きさ45-70mmほど。山地から都市周辺の公園、草地など様々な場所で見られるアゲハチョウの仲間。
  • アオスジアゲハ
    大きさ32-45mmほど。南方を起源とするチョウ。日本では本州以南に分布する。
  • アズマヒキガエル
    農耕地、二次林、草原、自然林、都市公園など幅広く生息。池、湿原、湖などの浅い止水で繁殖する。
  • ホオジロ
    全長17cmほど。留鳥。スズメより少し大きく、茶褐色の胸が目立ち、顔に白と黒の縞模様がある。
  • コゲラ
    全長15cm。留鳥。平地から山地に生息。木の幹や枝に止まってくちばしで木の皮の裏側の虫を食べる。
  • アマサギ
    体長51cmほど。夏鳥。夏羽は頭から胸が橙色だが、冬羽は全身が白色になる。
  • ベニゴマオカタニシ
    石灰岩地に分布する小さな陸貝。他の多くの陸貝と異なりふたを持っている。
  • オモイガケナマイマイ
    石灰岩地に分布する極めて特異な殻を有するマイマイ。絶滅が心配されている。
  • アサヒナカワトンボ
    体長50-60mm。渓流によく見られる。図鑑によってはニシカワトンボ、ヒウラカワトンボ、カワトンボと呼ばれる。
  • サワガニ
    大きさ25mmほど。山間部の沢や渓流などで見られる。夜行性で、日中は石の下などにひそんでいる。

取材日記





市街地から田んぼのある里山風景、そして雑木林を抜けると、あっという間に湿原にたどり着きます。手軽に豊かな自然に出会えると、家族連れやご年配の方まで、多くの人が訪れていました。番組は、多くの方たちのご協力を得て出来ています。今回、その中のお一人が、地元の保護の会の方でした。定年退職をされてから地元の自然を守ろうと活動をされ、会社勤めの時よりもお忙しくなったそうです。ご一緒に周辺を歩いたのですが・・・。藪から山道まで、ものともせず、どんどん進んで行かれます。毎日、 山野を歩いてらっしゃる体力には、とてもかないませんでした。そして皆さんが一様に嘆いていることがありました。それは一部の心ない人に湿原が荒らされていること。撮影中にもハンカイソウの蕾が切られてしまうという痛ましい出来事を耳にしました。 10日間、この小さな湿原に通い続けましたが、行けば行くほど好きになる味わい深い自然です。おとぎの世界のような、都会近郊の湿原がいつまでも残って欲しいと願うばかりです。
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