立山(2005年1月16日放送)


立山
3000m級の山々が連なる立山連峰は、日本有数の豪雪地帯です。苛酷な環境の中で、氷河期からの生き残りといわれるライチョウやオコジョ、さまざまな高山植物など、貴重な生き物たちの命が守られてきました。夏から冬、標高によって表情を変える立山の魅力を紹介します。

みくりが池
みくりが池
標高2,450mの室堂平(むろどうだいら)にある火口湖の「みくりが池」は、湖面に雄山の雄姿を映し、神秘的な色合いを見せています。

称名滝
称名滝
標高1,500m付近にある称名滝(しょうみょうだき)は、滝壺まで350mの日本一の落差を誇る勇壮な滝です。

タテヤマリンドウ
タテヤマリンドウ
薄紫色のタテヤマリンドウは湿地に咲いています。立山の夏は、色とりどりの高山植物で飾られます。

オコジョ
オコジョ
オコジョはイタチ科の仲間で、体長は約15〜20cmほど。肉食で、野ネズミやライチョウのヒナなども襲います。秋になると、雪山に適応して白い冬毛に生え替わります。

ライチョウ
ライチョウ
立山を代表するライチョウは、氷河期からの生き残りといわれます。 夏は母親がヒナを連れて子育てをする姿を見かけます。 秋になるとヒナも親と同じくらいの大きさになり、11月中旬には白い羽毛に生え替わります。


語り 石井庸子(フリーナレーター)
取材地・取材時期 ●取材地 : 富山県の東に位置する立山は、富山県と長野県を全長約100kmのアルペンルートで結ばれ、標高977mの美女平から2,450mの室堂平まで、専用バスで一気に登ることができます。登山の初心者でも散策を楽しめる山で、年間約100万人の観光客が訪れます。富山側の立山駅からケーブルカー(7分)で美女平のアルペンルートに入るコースと、長野側の黒部平からロープウェイ(7分)とトロリーバス(10分)で室堂平に入るコースがあります。
●取材時期 : 7/20〜27、10/4〜8
登場する地形
生き物、植物
登場する地形
●称名滝(しょうみょうだき) : 標高1500m付近にあります。浄土山を源流に持ちます。滝上から滝壺まで350m、日本一の落差を誇ります。
●弥陀ヶ原(みだがはら) : 標高1930mにある高層湿原。3000もの池塘(ちとう)があるといわれます。木道が整備され、気軽に散策を楽しむことができます。
●室堂平(むろどうだいら)・みくりが池とみどりが池 :
標高2450mにある室堂平には、火山活動によってできた火口湖「みくりが池」と一回り小さい「みどりが池」があります。周辺のハイマツにライチョウが縄張りを作ります。
●雄山(おやま) : 立山の主峰は3003mの雄山ですが、最高峰は3015mの大汝山(おおなんじやま)。立山は、富士山、白山に並ぶ三霊山で、雄山の頂上には雄山神社があります。
登場する動物
●ライチョウ : 立山は日本最大のライチョウ生息地ですが、近年、ライチョウの数は減ってきています。高山植物の花や実や葉などをおもに食べます。
●トビ : トビやイヌワシなどの猛きん類は、ライチョウのヒナなどを襲います。
●ホシガラス : 高山から亜高山帯にすみます。ハイマツの種子が好物で、松かさを決まった場所に運んで食べる習性があり、ハイマツの分布拡大に貢献しています。
●オコジョ : イタチ科の仲間で肉食です。秋になると、雪山に適応し、白い冬毛に生え替わりますが、尻尾の先だけ黒いのが特徴です。
●ニホンカモシカ : 国の特別天然記念物です。警戒心が強く、崖の上や大木の陰で休息します。
登場する植物
●ワタスゲ : 湿原に群生します。白い綿は花のあとの果穂です。花は6〜7月に咲きます。
●チングルマ : 「稚児車」と書き、花が枯れると花柱の絹毛が風車のような形になります。湿気のある傾斜のゆるやかなところに群生します。立山では弥陀ヶ原から室堂平付近のいたるところで見かけます。
●イワカガミ : 茎の先にピンクの花を数個つけます。イワカガミより小振りな「コイワカガミ」も立山周辺でよく見られます。
●タテヤマリンドウ : ハルリンドウの変種。湿地を好み、高さ7〜8cmで薄紫色の花をつけます。
●コバイケイソウ : 日当たりの良い緩やかな斜面に群生。3年に1度花を咲かすといわれていますが、室堂平付近で多く花を付けるのは5年に1度です(立山自然保護センター調べ)。
●ハクサンイチゲ : 「白山一華」と書きます。1つの茎に白い花が2〜3個咲きます。比較的乾燥しがちな場所にお花畑を作ります。
より詳細な情報の入手先 ◇参考文献
「立山自然観察ガイド」 佐藤武彦著 
「立山のライチョウ」 富山県立山センター
「室堂平の植物」 富山県立山センターなど
◇立山について
立山自然保護センター、富山森林管理署、立山黒部アルペンルート、天狗平山荘
担当者より
番組アピール
立山は標高によって全く違った表情を見せ、山の初心者でも散策を楽しむことができます。1年の半分以上雪で覆われる立山で、束の間の輝きを放つ立山の夏と秋をお楽しみください。


さわやか自然百景トップページへ NHK札幌放送局トップページへ