セミ時雨が響く 寺の森 (2012年 2月8日(水)  東京都大田区)

東京の大田区。羽田空港に近く、家々が密集する街の中に、700年以上に渡って残されてきた森がある。池上本門寺の社寺林だ。夏、寺はセミたちの天国。アブラゼミやツクツクボウシなどの声で森はにぎやかだ。セミは地面の中で長い間過ごし、地上に出て羽化する。お寺の森はそうしたセミたちにとって貴重な住みか。盆踊りに集まる人々の傍らで、セミが羽化する。日々変化する都会で変わることのない寺の境内で繰り返される命の営みをみつめる。

里山 季節のことば

「空蝉(うつせみ)」

セミのぬけ殻をさす、夏の季語です。空蝉には「この世はセミのぬけ殻のように仮のはかないもの」という意味もこめられています。セミのぬけ殻に人の世の哀れを重ね合わせるなんて、日本人の自然に対するイメージの豊かさが伝わってきますね。