2016年4月15日(金)放送
今回は、まもなく町で唯一の鉄道がなくなる見通しの増毛町を訪ねる旅です。北の終着駅として知られる一方、実は数々の映画の舞台としても知られる増毛町。町の変わらない魅力に触れる旅です。(制作ディレクター・M)

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3月下旬まず目指したのは、今年12月に廃止される見通しとなっている、終着駅・増毛です。

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増毛駅は、高倉健主演の映画「駅 STATION」でも主要なロケ地に選ばれるなど、北の終着駅ならではの独特の情景が広がる場所。
駅のホームに立つと、海を見守る灯台がすぐ近くに見えるという、非常に珍しい駅でもあります。海から100メートルほどの立地に立つ増毛駅は、この町が、かつて海と共に栄えた漁業の町であることも教えてくれました。
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増毛駅のすぐ近くに、「風待食堂」という看板がかかった、一見古い食堂があります。
実はここ、食堂ではなく、町の観光案内所。中には、びっしりと映画の写真パネルがかかっています。冬季の閉鎖中、ボランティアで案内をしてくれている多田令子さんにお話を伺いました。多田さんは、実はもともと、ここで雑貨屋を営んでいました。建物の佇まいに惚れた映画の撮影スタッフに頼まれて、高倉健主演の映画「駅 STATION」の舞台「風待食堂」として1年にわたり貸していたというのです。高倉健さんに、映画のスタッフと一緒にラーメンを作ったエピソードなど、話は尽きません。今では立派な増毛の名物です。

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年間27万人の観光客が訪れる増毛。観光客の多くが訪れる場所があると聞いて訪ねたのは、日本最北の造り酒屋。明治から100年以上続く、ニシン漁師のためにできたという酒蔵です。実はこちらの造り酒屋も何度も映画の舞台となっています。明治から使われていた古い建物や道具や調度品がそのまま残っている“寂れ感”が、映画の舞台に選ばれる魅力の一つだそうです。中でも見どころは、もともと酒蔵の使用人が使っていたという、古いたたずまいを残す和室。映画「歩く人」では、緒形拳さん演じる主人公の居間として使われました。この酒蔵に古いものが残った背景には、かつて町がニシン漁で栄え、一気に衰退したため古いものを大切に使い続けるしかなかったという、増毛ならではの魅力が大きく関わっています。大正から昭和初期の繁栄の面影が、そのまま今に残っているのです。

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今年12月に廃線の見通しになった、JR留萌線の留萌ー増毛間。この鉄道の記憶を残そうと、ある職人が路線図を描き始めました。増毛で50年以上、看板を書き続けている職人の堀さんです。堀さんは、かつて、映画「駅 STATION」の撮影で使われた看板をすべて手掛けてきました。95年に渡って人々を運び、町の発展を支えたこの路線。町の人たちの様々な思い出の詰まった、一駅一駅を心をこめて書いていきます。

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増毛を旅して見えてきた、終着駅の町の懐の深さ、そして古いものが自然と残り続ける風土。いつまでも“変わらない”魅力に触れた旅でした。

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曲名「北の旅人」
作詞:庄司明弘
作曲:南こうせつ

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