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2014年10月19日放送

" 地域"にも効能あり!?漢方ビジネス

人にも地域にも"効能"あり!漢方がニッポンを元気にする

漢方薬

西洋医療の現場も大注目!利用拡大☆漢方薬新時代

漢方時は、漢方ブーム!漢方薬の市場は年々拡大し、今や1,500億円。これを受け、原料となる薬用作物の栽培が、各地に広がっています。実は「漢方医学」とは、ニッポン独自のもの。1500年ほど前に中国から伝来して、日本で独自に発展を遂げた伝統医学なんです。その漢方薬、いま医療現場で大活躍との情報が。奈良県橿原市内の病院ではお腹の手術を受けた患者さんが、その2日後から「大建中湯」という漢方薬を処方されていました。お腹を温め合併症を防ぐのが狙いです。10年ほど前から、漢方薬の効果を科学的に証明する研究成果が増え、いまでは全国の医師の9割近くが、処方に漢方薬を取り入れているとのことです。

大人気の漢方★しかし問題が!
      原料となる生薬★価格が高騰!

薬局一方、若い女性も、漢方薬に大注目!東京・自由が丘の漢方薬のお店では、薬剤師と相談して、自分にあった漢方薬を見つけることができます。漢方のイメージを変えたオシャレな内装が大評判。今では全国に17店舗を展開しています。漢方薬の利用が拡大する中、実は今、新たな問題が。それは、原料となる生薬の価格高騰。経済成長を続けるアジア各国で、薬の利用が急速に拡大しているのです。例えば、多くの漢方薬に使われる「カンゾウ」は、ほとんどを中国から輸入していますが、その価格は、この5年で2倍以上アップしました。

"薬の都"富山★シャクヤク栽培
       コメ農家の場家さん 休耕地活用

シャクヤクの根生薬を確保するために、日本の産地が動き出しました。薬といえば"富山の薬売り"で知られる富山県。ここで作られているのはボタン科の多年草「シャクヤク」。初夏にきれいな花を咲かせますが、漢方薬では根っこの部分が使われます。コメ農家の場家福明さん(78)は4年前、減反による休耕地にシャクヤクを植え始めました。今年はいよいよ収穫の年。うまくいけば、コメに劣らない利益が出ると、大きな可能性を感じています。シャクヤクは、イノシシやシカの害が少なく中山間地の農業にピッタリ。富山県でシャクヤクなどの薬用作物を栽培する面積は5年前の3倍に増えました。

研究 さらに県をあげて取り組んでいるのが、シャクヤクのブランドづくり。品種によって薬になる根の部分の大きさや含まれる成分は、少しずつ異なります。そこから、富山のブランドとして育てる品種を6種類まで絞り込みました。その6品種を調べると、すべてに一般的なシャクヤクの1,5倍程度の「ペオニフロリン」が含まれていることが確認できました。「ペオニフロリン」は、痛みや炎症を抑える作用を持つ成分。県では、他の成分とのバランスもみながら、最も優れた品種をブランドとして確立していく考えです。

仲間の皆さんシャクヤクづくりに取り組む農家・場家さんの畑に、この日、仲間の農家の皆さんが集まりました。収穫を前に生育状況を確認するためです。4年がかりで育てたシャクヤク。1株で1,5キロはないと採算はとれませんが・・・2キロを超えていました!10アールの畑で、およそ3トン、金額にして60万円。4年で割ってもコメに優るとも劣りません。良好な生育状況に一安心の場家さん。今後は収穫量と品質とをさらにアップさせ、新たな販路の開拓につなげていきたいと考えています。「(場家さん)製薬会社から契約栽培のような話があってくれるとね、大変ありがたいな。」

山口もえさん(タレント)

山口もえさん(タレント)

やっぱり漢方薬って、飲んでいると安心するイメージがありますよね。育てるのに4年もかかるシャクヤクを、長い年月をかけてつくるっていうのは、やっぱり消費者側も、国産のものって安心できますよね。

奈良発★漢方プロジェクト
       薬用作物を食品分野に活用

トウキの葉いにしえの都、奈良。日本書紀にも記述があるほど、古くから薬とゆかりの深いお土地柄。ここで今、栽培に力を入れている植物とは・・薬用作物の「トウキ」。セリ科の多年草です。漢方薬に使われるのは、シャクヤクと同じ、根っこ。鎮痛や鎮静作用があるといわれ、貧血症などにも使われます。県の漢方プロジェクトメンバーの浅尾浩史さん。根だけでなく、有効活用しようとしているのがトウキの葉。以前は使われずに捨てられていたトウキの葉を、食品分野に活用しようというのです。

シェフに依頼浅尾さんがメニューの開発を依頼したのは、イタリア料理店。実はヨーロッパで使われている、あるハーブに香りが似ているからなんです。「(山嵜正樹シェフ)西洋アンジェリカ、別名『天使のハーブ』。非常にさわやかな香りですね。ネズの実とか、セロリ。これなら料理に使えると思いました。」山嵜シェフが開発したのは、ゆでたトウキの葉をペースト状にし、生地に練り込んだパスタ。天使のハーブの香りただよう料理です。さらに県では、トウキの葉を使ったクッキーやスナックなど、お菓子の開発にも挑戦。観光客のお土産などへの展開を考えています。

島根発★衰退した養蚕業 生薬ビジネスで復活!?

まゆの山人口8,000人の山間の町、島根県津和野町。かつて地域の経済を支えていたのは、養蚕業。しかし安い海外産に押され、14年前には最後の製糸工場が閉鎖。カイコを飼う農家もいなくなりました。ところが、ある会社の作業場に入ると・・・アレ、まゆの山!あるじゃありませんか!一体どういうこと?実は今、町で新しい養蚕ビジネスが始まっているんです。そのビジネスとは・・・生薬の一つ、「冬虫夏草」の栽培。滋養強壮や疲労回復に効果があると言われているキノコです。

冬虫夏草1ケースまゆから取り出しているのは、かいこのサナギ。実はこれで冬虫夏草をつくると言いますが・・・?サナギ一つ一つにキノコの菌を接種。これを、温度と湿度が管理された培養室で2か月ほど培養します。冬虫夏草は生きた昆虫の体に寄生し生えるキノコなんです。ひとケースには、およそ1,000匹のサナギが。体中に菌が広がったサナギから、やがてキノコが芽を出し、成長。カイコのサナギを使って生薬を作る、独自の培養技術です。出荷価格は、ひとケース25万円。昨年度の売り上げは3,700万円。これを来年度には1億円まで伸ばそうと意気込んでいます。

ユニーク★新・養蚕ビジネス
       特許料で町の財政にも貢献!

支援サイトの仕組みこの冬虫夏草ビジネス。作り方のほかにもユニークなところがあるというので、津和野町役場を訪ねました。厳重にロックされた金庫。その中から、担当の人が取り出したものは・・・特許証。冬虫夏草の培養技術の特許権は、実は町が持っているんです。そのため、売り上げの5%が、特許料収入として町の財源になります。「津和野町のような、交通手段が限られていて、90%以上が山である条件不利地で、企業誘致、外部から企業にこちらに来ていただくというのはなかなか難しい。町の財政も厳しい中では、これは1つの夢がある事業ではあるなと。(役場職員)」特許料収入は今のところ、およそ350万円。冬虫夏草の普及振興に役立てられています。

冬虫夏草で新・養蚕ビジネス! 地場産業 復活!

山間の町さらに、この冬虫夏草ビジネスで、町の住民も活気づいています。最盛期、従業員200名が働いていたという、町の製糸工場。いま、かつての働き手が、再び活躍しています。実は・・・まゆを切ってサナギを出しているのは、工場で働いていた元女工さんたち。「もう何十年と(まゆと)携わってきたものですから。まさか、冬虫夏草のほうで携わるとは夢にも思いませんでした」「またこうして冬虫夏草をもって、津和野町が発展すれば、やっぱり私らもうれしいですよね。」津和野町の冬虫夏草ビジネスには、元女工さんたちの思いや経験が生かされています。

桑を運ぶ奥村さんさらに新たな地場産業の誕生で、県外から若者も戻って来ました。このベンチャー企業に入社した奥村雄基さん(24)。地元の高校を出て広島の会社に就職しましたが、ふるさとの力になりたいと帰って来ました。町には養蚕農家がいなくなっていましたが、冬虫夏草ビジネスで、1ヘクタールの桑畑が復活。そして地元に残る蚕の飼育場で、生まれたばかりのカイコを育てます。先人が残してくれた施設や用具を使って、若い世代が養蚕業を引き継いでいるのです。かつての地場産業を、形を変えて蘇らせています。「(奥村さん)古くから伝わるものを未来に繋げて、活性化していけたらいいなと思います。」

渡辺賢治さん(慶應義塾大学教授)

渡辺賢治さん(慶應義塾大学医学部教授)

まさに地方創生が問題になってますけども。少子化、高齢化。中山間地が荒れてるんですよね。こういったところの再生にもなる、雇用を生むということです。地方ビジネスとしては非常に注目度は高いと思います。日本は、医薬品にしても健康食品にしても、品質がいい。安心安全っていうのが全部そろっているのが日本なんです。世界からのニーズが高まっているので、日本でちゃんとつくれば世界に売れます。一方、国内をみると「高齢社会をどうやって乗り切るのか」と。そういうときに漢方の知恵を、未病も含めてもっと活用すべきかなと思っています。

お問い合わせ先

若い世代に人気の漢方薬局
ニホンドウ漢方ブティック
ホームページ: http://www.nihondo.co.jp/shop/boutique/

富山県の薬用植物「シャクヤク」の栽培について
富山県薬用植物指導センター
ホームページ: http://www.toyama-yakuji.com/center/

スタジオに登場した"未病チェックシート"について
制作:神奈川県保健福祉局 監修:渡辺賢治 慶應義塾大学教授
"未病チェック"を行えるホームページ: http://me-byo.com/

奈良県の「トウキ」の葉の有効活用の取り組みについて
漢方のメッカ推進プロジェクト
ホームページ: http://www.pref.nara.jp/kampo/

トウキの葉を練り込んだパスタ料理が食べられるイタリア料理店
リストランテ ボルゴ・コニシ
ホームページ: http://www.borgokonishi.com/

島根県津和野町で冬虫夏草の量産化に成功した企業
にちはら総合研究所
ホームページ: http://www.nhsoken.co.jp/
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「Longing/Love(ロンギング / ラブ) アルバム「AUTUMN」(オータム)より 1980年」
歌手名:George Winston (ジョージ・ウィンストン)