これまでの放送

2014年11月23日放送

今こそ農業!産地を変える挑戦者たち

知恵と工夫で 目指せ もうかる農業

産直所

めざせ!もうかる農業★流通革命!都会の直売所

集荷場千葉県旭市。この時期、チンゲン菜だけでも1日に1000株、500パックも出荷するという専業農家。そのほとんどを、「あるところ」に出荷することで作付け面積は年々拡大。5アールだったのが今ではなんと50アールにも!この2年で売り上げを1割も伸ばしたといいます。その"もうかる出荷先"とは?・・・到着したのは、一見、普通の集荷場。なんと農家はここに持ち込むだけで、都会のスーパー、およそ200軒の中から、好きな店に好きな量を出荷できるんです。

仕組み農業ベンチャーが運営するこのシステムは、出荷する店を選べなかった農家にとっては、画期的なものです。さらに値段も自分で決められるので、手取りがどれくらいになるかクリアになったといいます。というのも、野菜の値段は市場任せ。品薄なら高値で、逆にモノが余れば安値は必至。しかも店頭に並ぶまでさまざまな中間業者が入ることで流通コストなどがかかり、例えば100円の野菜なら、農家の手取りはおよそ3割、30円ほどになるのが一般的でした。ところがこの新しい仕組みは、農家が付けた値の65%を手取りとしています。集荷場から直接スーパーに出荷することで実現しました。さらに出荷した翌日には店頭に並ぶので鮮度は抜群、しかも生産者の顔が見える安心安全な商品とあって、消費者も大喜びです。

都会のスーパーに直売所を作る!
      農業ベンチャー★及川さんの挑戦

集荷場和歌山からスタートしたこのしくみ。考え出した及川智正さんは、東京農大で農業経営学を学び、商社に勤務。8年前、農家が作った野菜を都会の店に売り込む営業代行の会社を起業しました。手数料収入を期待したところ、農家がくれたのはお金ではなく、なんと野菜。現物支給され困った及川さんは、その野菜を駅前でござを敷いて販売したところ、意外にも飛ぶように売れました。その販売手腕に、取引先農家から「都会に直売所を作って!」と、声が上がったのです。こうして始まった、都会の直売所システム。20人の生産者と2軒のスーパーからスタートしたサービスは今、4,600人の生産者、400軒のスーパーに拡大しています。

及川智正さん(農業ベンチャーCEO)

及川智正さん(農業ベンチャーCEO)

実は、農業を3年間、やおや屋を1年間やったんですね。そこで気づいたことは、流通の部分をもう少し変えないと、いいものはできないんじゃないのかなってこと。この気持ちが一番の原動力になっています。今までの流通が悪いということではなくて、生産者が自分で値段を決められて出荷先を決められて、自分で好きなものがつくれる、こういう流通もあってもいいのかなと。

変わる農家の意識★越川さんの挑戦

越川さん さらに農家の意識にも大きな変化が。この道、30年のトマト農家、越川浩一さんもそのひとり。及川さんの集荷場を利用して販路の拡大を目指しています。越川さんが初出荷に選んだのは、珍しい品種のミニトマトとミディトマト。これまで大きさをそろえるだけだったパック詰めも、彩りを大事に3色のトマトを配置。ターゲットは都会の女性です。お客をイメージしながらの出荷作業は、越川さんにとって初めてのこと。値段は、ミディトマト348円、ミニトマト248円と強気の価格を設定。越川さんのプライドの表れでもあります。

トマト売り場翌朝、都内・世田谷区の3店舗に出荷された越川さんのトマト。売り場には、越川さん以外にも6種類のトマトが並びました。そのほとんどが200円以下と、手に取りやすい価格設定。強気の値を付けた越川さん、大丈夫?...開店から1時間。女性が手に取りると...お買い上げ!そしてすぐに親子連れも。「(客)いろんな色が入ってたので。色があるほうが子どもが喜ぶから。」翌朝、越川さんを訪ねると・・売り上げは出荷した3店舗併せて48パック中46パックでした。「(越川さん)あと2つですね。ほぼ完売に近いような。組み合わせが都会ウケしたのかもしれませんね。まあ、上々の結果なんじゃないですか。」

坂下千里子さん(タレント)

坂下千里子さん(タレント)

産直って、最近ちょこちょこいろんなスーパーで見かけるんですけど、私、大好きです!ああいう直売も、なぜ東京に少なかったのかなってずっと思っていたんですけど。新鮮でやっぱりいいじゃないですか。でも、ミニトマト、248円がどうなのかなと思ったんですけど...お客さん来ましたね。(笑)私は228円だったらすぐ買っちゃいます。いろどりも最高によかったし。248円だったら、1回買ってみて味をみてからリピートしますね。

浅川芳裕さん(農業ジャーナリスト)

浅川芳裕さん(農業ジャーナリスト)

以前は、農産物は足りなかった時代だったんですね。農家はつくって出すだけである程度は儲かったんです。それが今、供給のほうが過剰になっていますから、農家が自分で戦略を考えて売っていかなきゃいけない時代になった。でもどう戦略をたてていけばいいかわかんない中で、及川さんのしくみを使って、さっきのトマト農家のように、自分で詰めてみたり、色を考えたり、量を検討したり、そういうことをすることによってお客さんの反応がわかりますし、農家が"メーカー"として今後生きていくという画期的なしくみじゃないかなと思いますね。

気軽に身軽にお手軽に!市民農園★
収入生み出す遊休農地 /満員御礼収穫体験ツアー

貸し農園3年半前、大手不動産会社を辞めて農業の世界に飛び込んだ、諸藤貴志さん(35)。目を付けたのは、市民農園。農業初心者にもうれしいインストラクター付きで、様々な農機具に、苗や種にいたるまですべて完備。価格は、1区画10㎡で、ひと月7000円からです。9月にオープンしたこの貸し農園、実は10年近く遊休農地となっていた畑。専業ではできないとあきらめていた農家も、「貸し農園」という道に、大きな可能性を感じています。

さつまいもの収穫さらに、東京近郊の小規模農家の所得倍増作戦も。それは、収穫体験ツアー。3年半前にスタートして以来、食育ブームの追い風もあり、募集をかければ、あっという間に予約で埋まる人気企画です。料金はひと組み4人までで5000円。スーパーなら1000円にも満たない野菜の詰め合わせも、収穫という付加価値が付くことでお客さんも大満足。農家も大助かりです。

ジャム店と農家の挑戦!
       島を潤す新しい農業のカタチ

周防大島1万8000人が暮らす瀬戸内海の島、山口県周防大島。古くからミカンなど柑橘類の生産が盛んな場所です。しかし今、島は、窮地に。輸入品の台頭や高齢化が原因で、農家が次々に廃業し、耕作放棄地が増加。最盛期には60億円以上あった売り上げも、今では、10億円にまで落ち込んでいます。そんな島の農家にとって、希望となっているのが、地元の食材を使ったジャムの専門店。なんと、年間120種類ものジャムを作っているんです。例えば、特産品の「みかん」を早摘みして作ったジャムに、「トマト」と「かぼす」を組み合わせた一風変わったものも。旬の食材と、取り合わせの工夫が人気を呼んでいます。

松嶋さん代表の松嶋匡史さん。電力会社のサラリーマンから転身し、ジャム作りで島を盛り上げようとしています。きっかけは13年前。新婚旅行先のフランスでたまたま立ち寄ったジャムの専門店。そこで出会った豊富な種類のジャムに、ビジネスの芽をみつけました「ジャムを見たときに、日本にこういう文化ないなって。これだったら自分の人生を試してみたいなって。」出店するにあたり選んだのが、妻の故郷・山口県周防大島。ミカンのみならず、イチジクにキウイ、ブドウなど、果物の栽培が盛んで、ジャム作りにはうってつけの場所でした。

山本さんと松嶋さんところがすぐに厳しい島の現実に直面します。農家の高齢化です。「これだけ高齢化しているんだったら、反対に、ジャム屋だからこそできる取り組みをしていかないと。」そこで、松嶋さんは、農家と一緒にジャムで潤うしくみを考え出しました。この日、松嶋さんが訪ねたのは、ミカン農家。手にしたのは、旬を迎える1か月ほど前のミカンです。「(松嶋さん)うん、酸っぱい!」まだ生では食べられない熟す前の酸っぱいミカン。でもジャムにすれば爽やかな酸味を楽しめます。

しくみそこで、旬の時期だけ出荷していたみかんを、旬の前にも、ジャムの材料として松嶋さんが一定の価格で買い取ることにしました。こうすることで、市場に左右されていた農家の収入を安定させたのです。また松嶋さんは少しでも農家の収入を安定させようと、買いたたくことはしません。加工用であってもミカンなら相場の5倍を超える1キロあたり100円以上の価格で買い取ります。さらに旬を過ぎて商品にならないカボスも、ジャムなら完熟してもおいしく使え、しかも加工するのでキズや大きさも関係ないため、無駄なく買い取っています。

ジャムづくりまた松嶋さんはイモやクリ、クルミなど果物以外の材料もジャムの材料に使って、農家が潤う可能性を模索しています。少量多品種のジャムで付加価値を付けているのです。そのため、行程の多くは機械化できず手作業が中心。生産量が増えるにつれ新たな従業員も必要となり、2人から始めたお店は今では25人に。雇用という面でも、島に大きく貢献しています。「たかがジャムですけど、ジャム屋が本気になれば、こんなこともできますみたいな(笑)地域おこしもできるし。島の方とのつながりの中で生まれるジャムをもっと作って行きたい。」

お問い合わせ先

"都会のスーパー"での直売所システムを構築した農業ベンチャー
株式会社 農業総合研究所(和歌山市)
ホームページ:http://www.nousouken.co.jp

「フルサポート付き貸し農園」「収穫体験」のサービスを提供する農業ベンチャー
株式会社 アグリメディア(東京・新宿区)
ホームページ:http://agrimedia.jp/

山口・周防大島 120種類の手作りジャム専門店
瀬戸内ジャムズガーデン
ホームページ:http://www.jams-garden.com/
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「All Around The World 1997年」
歌手名:oasis (オアシス)