放送時間 毎週日曜日あさ8時25分~8時55分

再放送時間毎週火曜日午前1時30分~2時00分(月曜深夜)

これまでの放送

2015年8月30日放送

農業で"稼ぐ"女たち

もうかる"農業へ 少女よ少年よ 大志を抱け!

農業風景

女性が経営に力を発揮している農家ほど、もうかっているというデータがあります。金融機関が農業法人に融資を行って3年後の売上高の増加率を調べたところ、女性の管理職がいない場合は9.4パーセント。一方いる場合は23パーセントという結果に。農業で大きな利益を上げる!そんな可能性を切り開いている女性たちを大特集します。

宮城発★ 女子会でトマトの商品開発

トマトの詰め合わせ2ヘクタールの土地に、大きなハウスが立ち並ぶ農業法人。中にある直売所を覗くと...賑わってますねえ!皆さんのお目当ては「トマト」。新鮮で糖度の高いトマトを袋に詰めた分だけ持ち帰れるサービスが人気です。併設された「トマトカフェ」の看板商品は、夏限定の、トマトとナスのマーボー風焼きそばや、トマト入り辛味噌ラーメン。直売店全体で、年間5000万円を売り上げます。

ドライトマトこの農業法人では、こうしたトマト・ビジネスを、全て女性従業員が手がけています。月に一度、女性だけの企画会議で、新商品のアイデアなどを検討。この日は、ドライトマトを使ったスイーツの新商品がテーマです。開発部門を取り仕切る今野栄子さんが、メンバーの自由な発想を引き出していきます。「カップのアイスに、トッピングみたいな感じであってもいいのかなと思うんですよね」「これだと和菓子にも使えそう」「甘納豆みたいな感じ」

栄子さんと文隆さん35年前からトマトを生産してきた栄子さんと夫の文隆さん。「作るだけ」の農業に限界を感じ、9年前、加工部門を立ち上げ、その運営を全て、栄子さんたち女性が担うことにしました。「(文隆さん)得意分野に女性を活用すれば、かえっていい結果が出んじゃないかなあと思ってね。」営業を担当するのが、娘のさおりさん。50品目にものぼるトマトの加工品を扱っています。

トマトを配達するさおりさん この日訪れたのは大崎市の中心部にあるお土産屋さん。トマトの配達をしながら、新商品をアピール。「お菓子のこと、前言われたことがあって、うちのトマトのラスクとか...」さおりさんが売り込もうとしているのは、若い女性向けのスイーツです。「パウンドケーキね、はい。お願いします」「今度持ってきますので、是非よろしくお願いします。」この日も商談をゲット!お見事です。こうして今では、年間の売り上げ1億5000万円の半分近くを、加工品部門で稼ぎ出すまでになりました。

三重発★ 主婦の感覚で堅実な経営

近藤さん三重県鈴鹿市。500品目もの野菜を作る農事組合法人の代表・近藤啓子さんです。10年前には、小さな家庭菜園で野菜を家族のために作っていた近藤さん。それが今では、近藤さんが作る珍しくて質の良い野菜を求め、大勢のシェフがやってきます。取り引き先は、東京や名古屋などの飲食店、80店舗ほど。年間で、2500万円近く売り上げます。評判を呼び家庭菜園は3ヘクタールに拡大。スタッフは30代から上は80代まで15人に増えました。「周りの人からは、女だけで何ができるみたいな声もありつつ・・・でもお金もある程度いただけて、みんなに分配できるような形になっていくとは思わなかった」

野菜セット近藤さんたちの野菜作りは、随所に女子力が生かされています。農地はいま雑草が伸び放題!でもいいんです!もともとは家族のために野菜を作ってきた近藤さん。農薬や化学肥料をいっさい使わないこだわりを守り続けています。「母親という立場からですかね。子供に、安心、安全なものを食べさせたい。」大変な草むしりも、女性が大好きな"おしゃべり"で会話を楽しんでいると作業のつらさも忘れます。さらに、こうした何気ないおしゃべりから、数々のアイデア商品が。例えば離乳食用のセットは、育児中の主婦が提案。野菜とハーブを使ったリゾットセットや、焼き野菜にピッタリのセットも生まれました。おいしい食べ方も、みんなでワイワイと相談。自信作をレシピにして、セットに添えます。

海外に行った時の写真近藤さんたちが栽培する500品目近くの野菜。日本ではあまり目にしない、海外の品種も多く含まれています。それをどうやって作ったのかというと・・・思い立ったら即・行動!シェフたちから「珍しい野菜を」と、リクエストされるたびに、近藤さんは、海外へ視察。栽培法をじかに学びました。その成果が...甘みたっぷりでクリーミーな味わいのかぼちゃや、イタリアなどでよく使われる果肉がやわらかい白ナスなどに。近藤さん、今年9月もヨーロッパへ行く予定をたてているんだとか。そして、経営者としてのモットーは、堅実さ。10年たった今でも、無借金経営を続けています。「1日の収入でもね、家計簿つけたり...そういうところは主婦目線がそのまま経営の上にも生きてるかもわかりませんね。」

林マヤさん(モデル・タレント)

林マヤさん(モデル・タレント)

男性で農業やってらっしゃる方は、限られた数量を一気にドドーンってつくるんですよ。でも女子はやっぱり男性ほどパワーもないし楽しむから、いろんなものを欲張り的にたくさんつくりたくなるの。それを食卓までつなげて考えてつくる。"土から食卓までつながってる"みたいな考えなので、これはおもしろいですよ。女性の農業。

兵庫発★主婦が地域の田畑を救う!?

担い手不足のイメージ神戸から車で一時間。小野市きすみの地区は、農業が盛んな所。しかし高齢化率は31%。農家の担い手は、年々少なくなる一方です。担い手がいなくなった農地を預かり、コメなどを生産する農事組合法人では、預かる農地が増え過ぎて、人材は常に不足気味。限界が近づいていました。「農地を持っているだけで、お年寄りですね。自分たちで作付けもできないし、知恵も出せないという形になってしまいましてね。(農業組合法人組合長・藤本弘文さん)」

募集チラシ「何とかして、新たな担い手を見つけたい」。4年前、組合は、思い切った条件で募集広告を出しました。性別・経験は不問。時給は兵庫県の最低賃金より200円以上高い、1000円に設定しました。すると、すぐに反応が。応募者はすべて農業未経験の主婦でした。子育てが一段落して、働く場所を探していたというのです。「農業ってやったことないし、どんなんかなと。チャレンジですね」「農業がしたいから入ったわけではないので。ただ子育て中で」

トラクターを運転する黒田さん「未経験者に農業ができるのか?」当初は、疑問の声も。しかしそんな声をよそに、主婦たちは次々に仕事を覚えていきました。体力では男性に劣っても、そこは機械でカバー。トラクターの運転もご覧の通り。「機械に乗るのは好きなので全然、苦ではないですね。意外と車に乗っている感覚とあまり変わらない(黒田亜子さん)」順調に農作業をこなしていった主婦たち。しかし、どうしても苦手な作業がありました。それは、肥料や農薬の散布。というのも、肥料を撒く量は、農家の「勘」が頼り。なかなかコツがつかめなかったのです。

募集チラシ失敗を繰り返さないために、メンバーの宮脇久美子さんは、肥料をまく量をこまめに記録。さらにパソコンをいちから勉強。組合が管理する100か所の農地全ての広さと、そこに必要な肥料の量を、ひと目でわかるように表にしました。さらに作っている作物別に農地を色分け。この地図とデータを合わせれば、農地ごとの肥料や農薬の散布量を間違えることはありません。農家の"勘"を、共有できるようにしたのです。主婦たちの活躍によって、管理する農地は4年間で倍増。3000万円だった組合の収入は、5200万円に増えました。「びっくりしました。このメンバーがいなかったら、おそらく行き詰まっていたんじゃないかと(組合長・藤本さん)」

黒田さん地域の農業が息を吹き返したことで「組合」を「株式会社」にして、もうかる農業を追求する動きも出始めています。そこで主婦たちは、新たにトウモロコシなど野菜の栽培を始めました。中心となっているのは、先ほどトラクターを乗りこなしていた黒田亜子さんです。女手ひとつで小学生の娘を育てる黒田さん。野菜とコメを作れば、1年を通して収入が得られると考えました。何を作れば高い収益を上げられるのか。黒田さんは各地の農家を視察し、検討。そして出した結論は...イチゴです。軌道に乗れば、大きな収益が期待できるとふみました。

新しい水槽しかし、質の高いイチゴを効率的に作るには「ベンチ」と呼ばれる専用の設備が必要に。「(黒田さん)初期投資が1000万2000万かかってくることなので、そこがネック。でも収益性がとても高い果物なのでチャレンジする価値はあると思います。」黒田さんは、その思いを理事会で伝えることにしました。投資を認めてもらうには、理事たちを何とか説得しなければなりません。黒田さんはこの日のために、10年間の収支計画書を作成。イチゴだけで、現在作っている野菜全ての売り上げを上回ることが出来るとアピールしました。しかし・・・黒田さんたちの提案に、理事たちからは、心配の声が。結局、この日は結論が出ず、次回に持ち越しになりました。「(黒田さん)利益があがるものをしていかないと先がないと思うので、挑戦するべきかなと思います。絶対やったんぞホンマ(笑)」

青山浩子さん(農業ジャーナリスト)

青山浩子さん(農業ジャーナリスト)

農業を特別視せず、仕事の一つとしてやることも、私はありだと思うんですね。今まで世襲制で、必ず息子とか娘が継ぐもんだっていうことから、「なかなか大変だからやりたくないな」とか、「継がせたくないな」っていうことで後継者不足が生まれていったので、逆に「農業に関心ないですけど、たまたま見つかった仕事がこれだから」っていうような新しい感覚も農業には逆に必要かなって思います。

お問い合わせ先

トマトを専門に扱う農業法人
デリシャスファーム(宮城県 大崎市)
住所:宮城県大崎市鹿島台木間塚字古館1
電話: 0229-56-3578
FAX: 0229-56-9760

※糖度が高い「玉光デリシャス」という品種が売り。
 直売所では、50種類にのぼる加工品や、カフェではトマトを使ったメニューが楽しめる。

年間で500品目にものぼる野菜を、無農薬で栽培する農事組合法人
近藤けいこNatural Vegetable
住所:三重県鈴鹿市伊船町2704-2
電話:059-371-0414
FAX:059-371-0514

※スタジオでご紹介した野菜セットについて
<ミニ野菜のセット>
通年で、希望者に販売しています。直接、上記にお問い合わせください。

<カラフル野菜とハーブのリゾットセット>
三越伊勢丹で「オンリーエムアイ 秋のキャンペーン」と題して、
9月中旬から期間限定で販売される予定です。
(※台風などの天候によって、内容、値段等が変更する可能性があります)

伊勢丹新宿本店
電話: 03-3352-1111(大代表)

農業未経験の主婦たちが農作業を担当する農事組合法人
農事組合法人 きすみの営農(兵庫県 小野市)
住所: 兵庫県小野市下来住町1867
電話:0794-63-8454
FAX:0794-70-8565
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「Superwoman」
歌手名:Alicia Keys