これまでの放送

2014年9月14日放送

被災地だからこそ新ビジネスを!

"課題先進地" 東北にこそ 日本を元気にする答えがきっとある

八木健一郎さん

漁業ツーリズム in南三陸町
       大好評!★絶品ホタテの漁業体験

ガイドをする高橋さん宮城県・南三陸町。漁船で沖に向かうのは高校生のみなさん。引き上げられたホタテ貝に興味津々です。養殖施設を見学するツアーでガイドを務めるのは、漁師の高橋直哉さん。去年始めた観光漁業に大きな手応えを感じています。「みんなが集まると本当に活気がある港で、震災前のような状態なんですけど...やっぱりにぎやかで活気がある港を目指しています。」高橋さんが暮らす、人口4600の歌津地区。白い砂が自慢のビーチは、夏には毎年3万人の海水浴客で賑わっていました。しかし、震災で地盤が沈下。ビーチはなくなりました。高橋さんも、高さ13メートルを超える津波によって、養殖施設と作業場、全てを失いました。

ボランティアが教えてくれた
        三陸の海の魅力★大きな可能性

ボランティアの反応高橋さんが観光漁業に取り組むきっかけをくれたのは、復興のために全国から訪れたボランティア。南三陸町には震災直後から大勢のボランティアが駆けつけました。高橋さんの元にも500人を超えるボランティアが訪れ、ワカメ漁の再開を助けてくれました。「何かお礼がしたい」。漁船に乗せ、ワカメを振る舞ったところ、その反応は思いもよらないものでした。「漁船に乗るというだけで、すごく感動されまして、こんなワカメ食べたことがないという。自分の中ではいつも普通のワカメだったんですけど、実はこんなにここのワカメっておいしかったんだと、改めて気づかされました。」

フィッシング三陸の海の魅力に可能性を感じた高橋さん。漁のかたわら、観光客の受け入れを始めました。この日は、フィッシングがお目当ての家族連れです。みなさん、初めて挑戦する船釣りに期待が高まります。この辺りの海は知り尽くしている高橋さん。初心者のお客さんでも、釣り糸を垂らすことわずか5分で立て続けにヒット!評判は口コミで広まり、去年は300人だったお客さんが、今年はすでに500人を超えました。

活造り

高橋さんの観光漁業は、町の人たちを巻き込んで広がっています。食堂では釣った魚を調理してくれます。豪華料理に早変わり。釣りの楽しさ倍増です。「(客)楽しかったです本当に。釣って食べるなんていう経験は絶対できないんで」お店にとっても、魚以外の注文が入るので大歓迎。「(高橋さん)今までは全く海に関して誇れることって考えてなかったし、漁師という仕事もどっちかというと隠していた。今は自ら漁師ですっていう、それぐらい誇りを持ってやってますね。」

水産業の"革命児"八木さん
        新ビジネスを追い続けた3年半

八木さん南三陸町から北へおよそ50キロの岩手県・大船渡市。ここにも三陸の海産物の力を信じて追求してきた人がいます。水産物販売業の八木健一郎さん。「サキどり」は、震災直後から八木さんの取材を続けてきました。津波で漁船の9割が流されたとも言われ、大きな被害を受けた大船渡市。八木さんも事務所や商売道具をすべて失いました。しかし大震災からわずか1か月。八木さんは新たな挑戦に打って出ました。それは、漁の様子の生中継。漁の様子をインターネットで配信。獲れた魚をネット上で全国販売したところ、わずか1時間で完売しました。

煮ダコその後も新たなビジネスを模索してきた八木さんが特に注目したのが、漁師町の伝統料理。例えば煮ダコ。伝統の味に加工すれば、生のタコの5倍の値段で販売できるんです。「3月11日の状態に戻すなんてことは、そもそも考えるのはやめよう。潰れたんだから、もっといいものをこの際っていう...半ば開き直りですけどね。」加工品作りのための、本格的な施設が必要だと考えた八木さん。全国の個人投資家に出資を呼びかけました。説明会の後、八木さんのもとには多くの賛同者が。わずか半年で2500万円を集めることができたのです。

サキどり↑が追ってきた、八木さんのこれまではコチラ
◆2011年5月 1日放送「震災から見えた 新しい流通のかたち」
◆2011年7月 3日放送「ニッポンの食を変える 挑戦者たち」
◆2011年9月11日放送「東日本大震災 "サキどり"が見つめた6か月」
◆2013年9月15日放送「お客も産地もうれしい!大船渡発"双方向ビジネス"

絶品!浜の伝統料理を全国へ
        漁師たちの意識が変わった!

冷蔵庫去年8月、念願の加工施設が完成しました。この日さばかれていた魚は、何ともグロテスクな「カジカ」。でも漁師が好んで食べる魚です。そしてドンコ。鍋の具材としておなじみの魚ですが、タタキにしてみそとネギと合わせると絶品なんだとか。「食べていた歴史があるものをどれだけ大切に出来るのか。その風土・文化ごと」さらに鮮度を保つために、調理済みの食材を特殊な技術を用いた大型冷蔵庫で、外側も内側も一気に冷凍。すると細胞が壊れにくく、解凍しても風味が保たれるんだとか。これなら浜の漁師料理を、全国どこへでも届けることができます。

熊谷さんとのやりとり八木さんの取り組みは、漁師たちの意識も大きく変えています。この日、八木さんを呼び出した漁師の熊谷善之さん。新しい調理法の煮ダコの提案です。「塩を1つも使ってない。海水だけ。全部。」熊谷さん、付加価値を付ける漁業への転換にやる気まんまんです。「(熊谷さん)まぁ一言で言えば、儲かる漁業。そのためにさ、どこまでこっちが努力出来るかだよね。」次に八木さんはカジカの刺身の冷凍サンプルを、商品化のアイデアをくれた熊谷さんに食べてもらいました。漁師たちも、惜しみなく自分たちの知識を提供。八木さんを支えます。

益子直美さん(スポーツキャスター・タレント)

益子直美さん(スポーツキャスター・タレント)

(カジカの刺し身を試食して)全く臭みもないし...何でこんなおいしいものを今まで隠してたんですか!(笑)やっぱり、漁師さんって船の上でどんなもの食べているんだろうとか、興味がありますよね。そうやって(漁師さんからも)アイデアを提供したり、一緒になって考えたり、これからもっともっとそういうことが必要なんじゃないかなっていうのは、気づかされましたね。

水産業の革命児★八木さん
        次の一手は大消費地・関西攻略!

アンテナショップ7月。大阪・梅田の一等地に、被災地を支援するためのアンテナショップが誕生しました。中をのぞくと、東北各地、ご自慢の絶品グルメが勢揃い。東北にとって距離が遠く、これまで縁の薄かった大消費地、関西に販路を広げていこうという試みです。建物の一角では...テレビ電話で商談中の八木さんの姿がモニターに!実は八木さん、関西に進出する足がかりとして、このアンテナショップに大きな期待をかけているんです。

テレビ電話で打ち合わせここでは、東北の食材に関心のある飲食店の料理人などに情報を提供。さらに、困っていることや、探している食材など、様々な「ニーズ」をくみ上げます。八木さんが注目したのが「ニーズ」。飲食店ごとの課題や新たな戦略を把握し、それに応える食材や調理法を検討します。ニーズに合わせて提案する、いわば「海産物の御用聞き」ビジネス。これで新たな販路を効率よく掘り起こすのがねらいです。

タコ焼きチェーンの心をつかめ!
       浜の伝統料理★絶品・新メニュー!

夏イカ岩手県・大船渡市の八木さんを訪ねてみると・・・大阪のタコ焼きチェーンに送る試作品作りの真っ直中でした。たこ焼きが焼けるまでの時間をつなぐ食べ物。まず八木さんが選んだのは、夏にとれる小ぶりのスルメイカでした。縦に開いて串焼きで提案です。「夏イカのほうが小さい分、柔らかくて甘いんですよ。ただ、鮮度落ちが激しいんです。」そこで、あの冷凍庫の出番。産地ならではの味をそのままに閉じ込めて、遠く離れた大阪に届けます。もうひとつ選んだのがツブ貝の一種「シライトマキバイ」。この調理法には漁師さんのアイデアが。通常、殻から中身を取り出して焼くところを、殻のまま蒸す。このほうがはるかに美味しいんですって。

商談の様子そして迎えた商談当日。岩手の八木さんたちと大阪のたこ焼きチェーンをテレビ電話でつなぎます。まずはツブ貝を試食。「すごく柔らかいですね」さっそく食い付いたバイヤーさん。気になるのはお値段です。「だいたい1本の予定販売価格はどれくらいって思ってはるんですかね?」「150円とか。」値段にも納得した様子。早速、注文をゲット!お次は、夏のスルメイカ。「(大阪)女性の方でも食べやすいし、見た目もね、かわいらしい」「これの生があったら焼きそばとかに使いたいですね。」「(八木さん)例えば内臓を抜いてとか?」「そうそう」「一回、試作してみます」互いに意見を出し合いながら、新メニューを作り上げていきます。軌道に乗れば、月に100万円を越える取り引きになりそうです。

藤沢烈さん(RCF復興支援チーム代表)

藤沢烈さん(RCF復興支援チーム代表)

私の友人で、ミシュランの一つ星をとった日本人のシェフがいるんですけれども、彼がよく言うのは、「東北は東京を見てはいけない」と。今、世界中で実は日本食が注目をされていて、フランスだけでなくて、ロシアだったり、ドバイだったり、そこの料理人たちが日本食に興味を持ってるんですね。そういう意味で、今、八木さんが "お抱え産地"ということをおっしゃってますけれども、大阪だけじゃなくて、世界にもつながってくるんじゃないかなと、そんな可能性を感じてます。

※岩手県大船渡市から中継
写真上・八木健一郎さん(水産物販売業) 写真下・熊谷善之さん(漁師)     

(上)八木健一郎さん(下)熊谷善之さん

(世界で戦ってみませんか?)【八木さん】やっちゃおうかなって(笑)マーケットをもっと大きく見据えてとなってくると、閉塞感が一気に求心力に変わってくるというのは大きいと思うんです。(熊谷さん、パリのシャンゼリゼに何持ち込みましょうか?)【熊谷さん】毎日つくってる夕飯の「しばて」だね。【八木さん】しばてというのは、酒のつまみ。(ぜひ熊谷スペシャルを編み出していただいて...)【熊谷さん】すみません、毎日スペシャルです。(笑)【八木さん】ええ、飲み過ぎなんです。(笑)

お問い合わせ先

最初のVTRでご紹介した宮城県気仙沼市の観光スポット
海の市
ホームページ:http://www.uminoichi.com

宮城県南三陸町の漁師・高橋直哉さんが行う、漁業体験&釣り船
金比羅丸
ホームページ:http://konpiramaru.main.jp

岩手県大船渡市の水産物販売業・八木健一郎さんが運営する海産物の通販サイト
三陸とれたて市場
ホームページ:http://www.sanrikutoretate.com/

大阪・梅田のアンテナショップ
東北わくわくマルシェ 梅田
ホームページ:http://t-fukko.net/
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「WORKING ON A DREAM (2009年)」
歌手名:BRUCE SPRINGSTEEN (ブルース・スプリングスティーン)