これまでの放送

2014年10月26日放送

お口の健康が未来を変える!

"長寿大国"では終わらせない お口の健康が未来を変える

歯医者

医療・介護・企業も大注目★
      みんなでケアだ!お口の健康

展示会風景先月、都内で開かれたお口の健康やリハビリに関する学術大会。全国から医療や介護の関係者6000人が集まりました。なかでもひときわ盛況だったのが、口腔ケアに関する講演。会場内では、最新口腔ケアグッズの展示会も開催されていました。化粧品メーカーと家電メーカが共同で開発した携帯用電動歯ブラシに、歯の表・裏・噛み合う部分を同時に磨ける歯ブラシ。さらにお口の中がキレイに保たれているかをチェックできる、細菌カウンターも。現在、2000億円規模と言われる口腔ケア市場は、今後さらなる成長が見込まれています。

歯みがきをする片山虫歯や歯周病予防で大切なのは、とにかく歯磨き。効果的なのは寝起きと就寝前、1日2回の歯磨きだと歯医者さんは言います。ところが、サキどりがアンケート調査を行ったところ、1日1回、または全く磨いていないという人は、なんと全体の17%。その理由の半数以上が「忙しい」「面倒くさい」というものでした。これはマズイ!なにか良い解決策はないかと探し求めたサキどりが訪ねたのは、とあるベンチャー企業。なんと、場所を選ばず歯磨きが出来る、画期的な商品があると言うんです。

超高齢社会の「救世主」 "飲み込める"歯磨き粉

イラストそれは、口をゆすぐ必要がなく、飲み込んでも大丈夫な歯磨き粉。そのヒミツは、歯磨き粉の成分、おからと梅にあります。おからの中にすむ乳酸菌が作る抗菌成分と、梅のエキスから成るものが、虫歯菌などの原因菌に強く作用するのです。化学物質ではない、天然由来の殺菌成分なので、飲み込んでも胃の中で消化されて害がないといいます。めんどくさがり屋さんにもってこいの、飲み込める歯磨き粉。実はこのアイデアのきっかけとなったのは、歯磨き粉の生みの親、このベンチャー企業代表・手島大輔さんの父親、廣一さんの存在にありました。

手島さんインタ 2年前、胃がんに冒された廣一さん。次第に体力が低下して、歯磨きの際、うがいさえも難しくなってしまいました。「(手島さん)誤って歯磨き粉を飲み込ませてしまったことがあって。逆におなかを壊して体を弱らせてしまったことがあったんですね。"飲み込んでも安心"な歯磨き粉があったらいいんじゃないかなと。」当時、化粧品のコンサルタントをしていた手島さんは、飲み込んでも安心な歯磨き粉を作ろうと、起業。しかし殺菌力を持ちつつ、体が弱っている人が飲み込んでも大丈夫、という成分はなかなか見つかりませんでした。

永利さんと手島さんそんな手島さんの前に現れたのが、食品会社の研究員だった永利浩平さん。地元の大学と連携して、食物由来の体に害のない殺菌成分を開発。その実用化を進めていたとき、手島さんと出会ったのです。運命の出会いから1年後、飲み込んでも安心な歯磨き粉が完成。いま、全国170の医療機関や障害者養護施設で使われています。病気や障害が原因でうがいが難しく、歯磨きが出来なくなった患者達。そのまま放置しておけば、口の中に細菌が繁殖し、肺炎などになってしまうリスクを抱えていましたが、手島さんの歯磨き粉によって、口の中を清潔に保ち、安心して生活できるようになりました。

企業も注目★虫歯・歯周病予防
       期待大!?医療費削減の切り札

歯みがき教育をしている様子東京・中央区にある、大手IT企業。この会社では、予防歯科専用の部屋を設けて、歯科医師がマンツーマンで社員に歯磨き教育を行っています。会社の中では、歯科医師が毎日のように社員の口の中をチェック。チェックが済んだら、次は歯科衛生士による歯磨き指導です。磨き残しが多い部分に歯ブラシをどうアプローチするのか、持ち方や、顔の角度までも実践指導します。さらに帰り際には、症状に合わせた口腔ケアグッズもプレゼント。この会社では、子会社や関連会社にも"歯磨き社員"を増やしてきました。その結果、「口臭が無くなった」「歯医者に行く回数が減った」など社員のお口の状態が改善。さらに、この8年間で歯科医療費が3200万円も削減。嬉しい成果を上げています。

大分発★大活躍!歯医者さん
       高齢者の食べる力を取り戻せ!

プレゼンする山原さん大分県大分市にある病院。定期的に開かれている、患者のリハビリ方針を検討する会議にお邪魔したところ、医師に看護師、リハビリ専門のスタッフの中で見つけたのは...町の歯医者さん。そう、この病院のリハビリチームには、町の歯科医師が参加するという、全国でも珍しい体制が取られているんです。メンバーの歯科医師、山原幹正さん。お口のリハビリから、患者の生活の質を向上させたいと考えています。「我々は口の専門家として、患者さんが口から食べられるよう支援する。それが目標です。」

食べるイラストん?食べられるよう支援するって?そもそも、「食べる」って口の中で何が起きているのか、知ってますか?まず大切なのが「そしゃく」。唇、歯、顎、舌を使い、食べ物を噛みちぎったり、押し潰したりします。さらに唾液と混ぜ合わせながら、飲み込みやすい適当な大きさにするのがそしゃく。次に「飲み込み」。舌の先を上の歯の裏につけて密閉状態にして、舌の動きで、食べ物を喉の奥へ送り届けています。この複雑な口の中の動きを、歯科医師と病院のリハビリスタッフが連携し、機能を回復させようと取り組んでいます。たとえば口腔癌により左アゴを損失した女性。右側を活かして部分入れ歯を作成。左側の前歯も作り、見た目も整えました。すると、今まで上を向きながらの丸飲みが基本だった食事が、3か月でせんべいが食べられるまでに回復しました。

突起物の入れ歯リハビリの現場に歯科医師が入ることで、次々と成果が現れています。64歳の女性は、3年前に脳出血で倒れ、その後、言葉も発せない寝たきりの状態に。口から食事が出来なくなり、次第に舌の機能が低下。衰えた舌が喉の奥まで落ち込み、一時は窒息の危険にも見舞われました。そこで山原さんは、舌を刺激するために上アゴの一部に突起物を付けた入れ歯を作成。これを使うと突起物が気になり、自然と舌を動かす癖が付き、食べ物を喉に送り出す舌の機能が回復するというのです。リハビリを続けて5か月...。今までで動かなかった舌が、少しずつ動くように!簡単な挨拶なら声で出せるようになりました。

勉強する山原さん町の歯科医師として、25年のキャリアを持つ山原さん。診療の合間を縫って市内の病院や介護施設を訪問するようになったのは、つい3年ほど前。きっかけは、高齢者医療に取り組む先輩の一言でした。「歯の専門家はいるが、"口の専門家"は、いない」それは山原さんに歯科医師としての生き方を問う言葉でした。「歯医者が取り組んできたのは噛むことだけ、というふうに感じたわけです。さすがに知らないことがたくさんあったなというのが現実で。」人間の口の機能とは何か。山原さんは一から勉強し直しました。「噛む」とは、「飲み込む」とは、「しゃべる」とは、どういう事なのか。

チームで取り組む"口のリハビリ"
      生きる喜びは食べる力で取り戻せる

リハビリスタッフが行うケア山原さんは、歯科医師の仲間にも声をかけ、自分たちの果たす役割を問い続けました。その熱意に今、町の歯科医師たち10数名がリハビリの現場に立つようになったのです。さらに、歯科医師との連携によって、病院側も口腔ケアの重要性を再認識。お口のリハビリに積極的に取り組むようになりました。『口を動かす機能が回復すれば、自分の口で食事を取れるようになり、それが生きる力となる。』リハビリ現場で歯科医師の果たす役割に、大きな注目が集まっています。

ガレッジセール・ゴリさん(お笑い芸人)

ガレッジセール・ゴリさん(お笑い芸人)

ずっと働いて働いて生きてきて、やっと老後だっていったときに、おいしいものを食べられないって...ね、老後がやっぱり楽しくないですよね。だって僕、「食べる」って人間の生きる楽しみの半分以上を占めてるんじゃないかなって思うんです。だからその喜びを取り戻せる活動というのは、どんどん増えていってほしいです。

秋元秀俊さん(医療ジャーナリスト)

秋元秀俊さん(医療ジャーナリスト)

医療の目的は命を守ることなんです。だけど、お年寄りの病気で医療の目的は「普通の生活に戻ること」なんですよね。そう考えると、患者さん、あるいは要介護者を中心に、いろんな職種の人が「その人のために何ができるか」を考えるっていう、そういうヘルスケアの形に変わっていくんだと思うんです。今までの医者中心の「はい治します」っていうのではなく。その1つの入り口が、口腔ケアだというふうに考えたらいいと思います。

お問い合わせ先

口腔ケアの講演で盛り上がりを見せた学術大会
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
ホームページ:http://www.jsdr.or.jp/

展示会の商品
携帯用電動歯ブラシ+細菌カウンター
パナソニック
携帯用電動歯ブラシ: http://ctlg.panasonic.com/jp/teeth/sonic-wave/EW-DS26.html
細菌カウンター: http://panasonic.biz/healthcare/saikin_c/

3点同時に磨ける歯ブラシ
(株)ビーブランド・メディコーデンタル
ホームページ: https://www.bee.co.jp/

"飲み込んでも安心"な歯磨き粉
株式会社トライフ
ホームページ:http://oralpeace.com/

"飲み込んでも安心"な歯磨き粉を使用している病院
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院
ホームページ: http://ebina.jinai.jp/

歯磨き教育する企業
日本アイ・ビー・エム株式会社
ホームページ:http://www.ibmjapankenpo.jp/asp/news/topic/2009/000312.html

町の歯医者と連携して"口のリハビリ"を行う病院
社会医療法人敬和会 大分東部病院
ホームページ: http://www.oitatohbu-hp.net/

社会医療法人敬和会 大分豊寿苑
ホームページ:http://www.hojuen.jp/
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「Word of Mouth (1991)」
歌手名:Mike&The Mechanics