これまでの放送

2014年8月 3日放送

お宝発見!オープンデータで開かれた社会を

オープンデータ 未来を開くのは私たち

タブレットを持つ鯖江市民

知ってますか?オープンデータ
       チャンス到来!21世紀のお宝

オープンデータイメージ「オープンデータ」とは、国や公共事業者が持つ情報で、誰でも自由に使える膨大なデータのこと。国勢調査、予算、統計調査、そして省庁などが出している白書や公共交通機関の時刻表などが「あります。今までデータを公開していても許可が必要な場合があり、使い勝手があまりよくありませんでした。そこで去年から国は1万件以上の情報をオープンにして、誰でも自由に、ビジネスなどにも生かせるように、積極的に推し進めています。

福岡発★誕生!新ビジネス★
      オープンデータで介護が変わる!

永田さんオープンデータを利用したサービスがあると聞いてやってきたのは、福岡市。ケアマネージャーの永田やよいさんのお仕事を拝見しました。ケアマネージャーは、介護の計画を立てたり、病院や施設との調整を図るのが仕事。そこで苦労するのが、ニーズの違う利用者一人一人に合ったサービスを見つけ出すことです。施設や介護保険サービスの情報は、一つにまとまっていないため、膨大な資料から探し出さなければなりません。さらに、資料に載っていない細かい情報は、その都度、電話で確認しなければなりません。しかも、直接利用者を訪ね面談しようと思ったら、山のような資料でカバンはもうパンパン!

検索をして施設を紹介・・・というのが、これまでの永田さんの日常でした。それが今では、タブレット端末を持っていけばOK!これを使って利用者の家族と介護サービスを探します。例えば、リハビリを受けさせたいのであれば、リハビリ機器を選んで検索すると~...、すぐに施設がしぼられます。これまでなら3日以上かかっていた施設の紹介が、わずか30分で終了。これこそが、まさにオープンデータの威力です。「(永田さん)私たちは、短縮できた時間の分だけ早く利用者さんにサービスを提供出来て、とてもありがたいと思っています。」

鹿野さん 介護現場を助けるオープンデータの活用。このシステムを開発した鹿野佑介さんを訪ねました。鹿野さんが利用したのは「介護サービス情報公表システム」という厚生労働省が作っているオープンデータ。全国の介護事業所の最新情報、施設の規模やサービスの内容なども毎月更新。施設が新しくできたり、なくなったとしても一発で分かります。ところが・・「(鹿野さん)網羅的に広く浅い情報を集約している良いデータベースなんですけど、現場からするとものすごく使いにくい。」そう、そのまま使ってもただのデータでしかないのが、オープンデータ。そこで鹿野さんは、介護施設を一軒一軒回っては、情報を収集しました。

検索システム鹿野さんは、オープンデータをだけでは知り得ない施設ごとの特色を自ら調べ、検索システムに加えました。例えば、曜日別の空き状況、さらに、どんな医療行為を受けることができるのか、条件ごとにサービスを絞り込んで検索できるようにしました。その他に、送迎はどこまでしてくれるのか、娯楽はどんなものがあるのかなど160もの項目を作成。あらゆるニーズに応えられるよう工夫を加えました。「(鹿野さん)こういう眠っていた使えるような情報に対して、ちょっと私たちが仲介して、使いやすく変換をして、現場が望むような姿に変えていくというのは、ものすごくよかったなと思っています。」

システム鹿野さんのシステムには、現在200を超える施設が登録。施設は、空き情報やサービス内容をリアルタイムで更新し、無料提供。鹿野さんは、施設からシステム管理料をもらって運営しています。さらに、このシステムは、情報を提供する施設にも大きなメリットをもたらしました。利用者を勧誘する手間とコストを削減できたのです。これまで、利用者を集めるためにチラシを一軒一軒配っていた施設では、鹿野さんのシステムに登録することでチラシ配りの手間が省け、その分、現場に時間を費やせるように。おかげで介護の質は、ぐぐっとアップ。さらに、空き状況をサイトにアップすることで、施設の利用者も増えました。

アメリカ発★オープンデータ最前線
       ビックリ!年収も学歴も全部公開!?

データの説明を受ける続いては海外の最新事例をご紹介。アメリカのある不動産会社は、国勢調査と物件情報を組み合わせて、なんと、地域ごとの世帯収入や、結婚しているかどうかまでオープンデータ化。こうした情報を顧客に提供して、物件選びの判断材料にしてもらっています。教育環境が気になるスージー・ホルトさん。不動産会社は近所に住む人の学歴や教育費を提示しました。この地域がお金をかけずレベルの高い教育を受けられる地域だと分かり、スージーさんも気に入ったご様子。不動産会社向けにオープンデータを活用し、情報を提供しているこちらの会社は、年間16億ドルもの売り上げを生み出しています。他にもアメリカでは、気象、土壌、収穫データを組み合わせて農家の保険商品を生み出したベンチャー企業があったり、カナダでは金鉱山会社が自社のボーリングデータをオープンデータにした上で、金鉱を見つけた人に賞金を出したといった例もあります。

続々登場!鯖江のユニークアプリ
       地域の未来を託すオープンデータ

鯖江市オープンデータを活用しようというのは企業だけではありません。地方自治体も熱い視線を注いでいます。メガネフレームの国内シェア9割を誇るメガネの町、福井県鯖江市。ところが安い外国品に押され、売上はここ10年で3割減...。そこで今、オープンデータで新しい産業を生み出そうという動きが!3年前に「データシティ構想」を打ち出した市は、情報公開のための専門部署を新設。役所が所有する情報の中から公開できるものをどんどんオープンデータ化しています。

市民講座「(牧野百男市長)オープンデータによる一番の思いっていうのは経済再生なんですね。行政上のデータをどんどん民間に使っていただいて地域振興につながるような、そういった町づくりをぜひともやりたいと思っているんです。」避難所や市営駐車場の位置など、これまでに45種類のデータを「誰でも自由に利用してよい」と呼びかけました。ただし!データを公開しても活用されなければ意味がありません。そこで、鯖江市が打ち出したのは、市民を巻き込む大作戦。手始めに、オープンデータ活用のノウハウを教える市民講座を設けました。市民と一緒に新しい産業の芽を探っています。

消火栓アプリたとえば、市内全域の公共トイレの設置場所をオープンデータにしてできたのが、現在地から最寄りのトイレまで案内してくれるアプリ。そして市営バスを待っているときに便利なのが、バスが現在どこを走っているのかがひと目でわかる"バスアプリ"。さらに豪雪地帯ならではの防災アプリは、タブレット端末をかざせば、雪に埋もれた消火栓がイラストになって浮き出てきちゃうんです。こうして、オープンデータの活用で誕生したアプリは、なんと90以上!市民の手によって新しいサービスが次々と開発されています。

女子高生たちそしてついに、大企業が注目するアプリが誕生。世界第4位の売り上げを誇るドイツのソフトウェア企業の日本支社が、なんと鯖江市への技術的な支援に乗り出したのです。大企業注目のアプリ。その開発者は・・・なんと地元の女子高生!いったい、どんなアプリなのか?・・・「行っても席が空いていないことが多いから図書館の空席状況がわかるアプリがあるといい。題して、図書館ウォッチャー」この女子高生たちのアイデアを実現しようと、企業が乗り出しました。

赤外線センサーを取り付ける図書館の自習席に赤外線センサーを設置し、席に人が座っているかどうかの情報を3秒毎に更新。空席情報をオープンデータ化し、それを受け取るアプリ。図書館に行ったのに席が埋まっていてがっかり‥っていうことはもうありません。システムの構築費用は、わずか2万円。鯖江市とともに、改良を加えながらこのシステムを全国に広げていきたいと考えています。市民のアイデアから便利なサービスが次々と生まれている鯖江市。市民と行政、そして民間企業の連携が始まっています。

いとうまい子さん(女優)

いとうまい子さん(女優)

アイデア一つで大企業が動く。しかも女子高生のアイデアが生かされるって、彼女たちにとっては、これが生かされたから、もっともっと考えたいっていう気持ちにもつながるし、さらに発展しそうですよね。そして現場の状況なんかは、市民の皆さんのほうがよくわかっていますから、そういった情報を行政がどんどん流すことで、もっともっと市民が活用できますよね。進まないですもんね、行政に任せっきりでは。

村上文洋さん(三菱総合研究所主任研究員)

村上文洋さん(三菱総合研究所主任研究員)

オープンデータは、企業だけじゃなく、行政と市民の関係を大きく変える可能性を秘めていると思うんですね。もう行政は、人もお金もありませんと。市民の皆さん何とかしてくださいっていう状況なので、やっぱり、市民は自分ができることはちゃんとやろうと。オープンデータが、昔の自治会みたいな、そういう活動が復活するきっかけになるかなと思っています。

お問い合わせ先

日本政府のオープンデータの取り組みについて
日本政府データカタログサイト
ホームページ: http://www.data.go.jp/

オープンデータを利用したビジネスを始めた介護ベンチャー企業
株式会社ウェルモ
ホームページ: http://www.welmo.co.jp/index.html

 ・介護施設を検索するサービスは、専用のタブレットのみサービス利用可能です。
  現在(2014年7月30日現在)サービスを行っているのは、福岡市と福岡県糟屋郡。
  一般の方は利用出来ず、主にケアマネージャーや介護施設の職員しか使うことができません。

 ・こちらの企業が参考にしたデータは、「介護サービス情報公表システム」。
  厚生労働省が出しているデータで、介護に関係するビジネスの利用であれば、
  どなたでも利用出来ます。

アメリカの不動産情報の取り組みについて
※番組でご紹介した不動産情報システム(MLS)を提供している会社はCoreLogic社です。

 ・今回の取材内容の日本でのお問い合わせ先:
  一般社団法人 日米不動産協力機構(JARECO)
  ホームページ: http://jareco.org/

鯖江市の取り組みについて
 ・鯖江市役所ホームページ: http://www.city.sabae.fukui.jp/
 ・鯖江市のオープンデータ: http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=12768
 ・鯖江市で誕生したアプリ: http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=12767

図書館アプリについて
 ・支援を名乗り出たのは、SAPジャパン株式会社
  ホームページ: http://www.sap.com/japan/index.html

 ・図書館アプリが使用できるのは、市営図書館「鯖江市文化の館」
  施設情報: http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=458

 ・図書館アプリはこちらからダウンロードできます。
  http://sabae-jk.jp/app/
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「Open arms♪(1981)」
歌手名:Journey