これまでの放送

2014年12月14日放送

地方企業 海外に活路あり

動き出した地方企業 思ったより世界は近くにある

抹茶

甘いもの大好き タイの皆さん
       なぜか人気★日本伝統の抹茶

タイのカフェタイの首都、バンコク。街行く人たちの手にはフルーツジュースに、ザクロジュース...皆さん、甘~い飲み物、好きなんですね。そんなバンコクで今、意外な飲み物が人気。それはニッポンの抹茶です。でもタイの方には抹茶は苦くないのか?聞いてみたら「(客)おいしい!」とのこと。日本の伝統の味が異国の地でこれほどヒットしたのはなぜ?その秘密は接客にあります。お茶を飲むだけでなく、店員がお茶にまつわるうんちくを披露してくれるのです。お茶の飲み方を丁寧に教えてもらいながら日本の文化に触れることができると好評です。

商店街から海外へ "お茶の町"@松江 老舗の挑戦

中村さんバンコク・抹茶ブームの仕掛け人がいると聞いてやってきたのは島根県、松江市。実は松江は、江戸時代から続くお茶の町。なんと1人あたりのお茶の消費量が、全国1位なんです。子どもからお年寄りまで、抹茶を立てていただく風習が今も暮らしの中に息づいています。ちょっと静かな商店街から、バンコクにうってでたのは、創業130年になる老舗のお茶専門店。出迎えてくれたのは、4代目店主、中村寿男さんです。取材で訪ねたサキどりスタッフにもさっそく抹茶をふるまってくれました。すると・・・松江のお茶文化について語り始めた中村さん。なかなか話がとまりません。でもこれが、お茶をこよなく愛する中村さん流のおもてなしなんです。

外観中村さんが店を任されたのは20年前。高齢化が進む中で売上げは減少の一途をたどっていました。「どうすれば、老舗ののれんを守っていけるのか」中村さんは、茶葉を海外で販売しようと決意しました。まず輸出したのは、押しもおされもせぬ国際都市、NY。スーパーで茶葉を販売したものの、コーヒーや紅茶の壁は厚く、惨敗。次に目を向けたのがタイでした。当時、タイでは緑茶を甘くしたペットボトル飲料が大ヒット。お茶文化への関心が高いとみたのですが...、苦いお茶は受け入れてもらえませんでした。

スカイプで話すタシニーさん 撤退も考えはじめた時、中村さんは、知人からひとりのタイ人を紹介されました。タシニー・ワジャラサティアンさん。貿易会社の経営者です。お茶が売れずに困り果てていた中村さん。どうすれば、タイの人たちに受け入れられるかタシニーさんに相談しました。しかし中村さん、ここでいつものクセが...お茶のうんちく話が止まりません。黙って聞いていたタシニーさん。とまどっているかと思いきや...「あなたの話は面白い!それが、店の売りになるわ!」タシニーさんのアドバイスをうけて新しく作ったお店は、タイ人にとって身近なカフェスタイルに。そして、接客の時、お茶のうんちくを披露することにしたのです。

商店街から海外へ@松江 お茶に続け★和菓子も!

和菓子イベントそしてこの夏、中村さんとタシニーさんは新たな戦略を仕掛けました。地元の人気俳優をイベントに呼び、「和菓子」をPR。松江のもうひとつの伝統文化、和菓子をタイに売り込もうというのです。実は松江は、京都、金沢に並ぶ、日本三大和菓子所のひとつ。そこで、中村さんは同じ松江の和菓子屋さんをタイのビジネスに誘いました。その手始めに、バンコクの店で手先が器用な従業員を松江に呼び寄せ、和菓子作りの研修を始めました。来年春には、和菓子を本格的に売り出す予定です。「(中村さん)ローカルのちっぽけなお茶屋なんですけど、海外にでていった時に、ひとたびいいパートナーと知り合うと、本当に大きなビジネスチャンスが広がっていることに気付かされます。」

マレーシア★日本食ブーム
         売り出せ★庶民の味ソース

お好み焼き人口の6割をイスラム教徒が占め、めざましい経済成長を続けるマレーシアでは今、日本食がブーム。それに乗じて日本独特のソースを広めようというプロジェクトが始まっています。その中心となっているのが、お好み焼きの本場、広島に本社を置く老舗の調味料メーカー。ソース部門は全国トップのシェアを誇る会社です。この会社が成長した秘密は、ソースを使った料理の食文化を広めることで売上げを伸ばすという戦略。今度はこの手法で、アジアに打って出ようというのです。

ソースのアレンジしかし、イスラム教徒が多いマレーシアには、ソースの販売に立ちはだかる大きな壁が。それは、豚肉やアルコールを含んだ食材は口にしないなどの宗教上の厳しいルールです。でも、どろっとしたソースにはほとんど豚肉が使われているじゃありませんか。...でも大丈夫。というのも、この調味料メーカーは、地域の好みや店の要望に応えて、数十種類の原材料をオーダーメイドで調合できるアレンジ力が自慢。その技術を持ってすれば、豚肉を使わなくても、おいしいソースを作るのはお手の物だからです。

商機あり★イスラム巨大市場
         ★パートナーと切り開け!★

高槻さんとはいえ、地方の企業がイスラム市場に単独で進出するのは至難のわざ。そこで、この会社が頼りにしているのが、投資会社社長・高槻亮輔さん。去年秋から、マレーシア進出を支援しています。高槻さんは、マレーシアで80店舗以上を展開する回転寿司チェーンなど、イスラム市場に太いパイプを持っています。そこで、食品関連の地方企業に声をかけ、現地のニーズに合わせた商品の開発を支援。それを、回転寿司チェーンで販売することで、単独では難しい地方企業のイスラム市場進出を後押ししています。

話し合いこの日、高槻さん側から、マレーシアの小さな工場を改築し、そこでソースを生産するという計画が提案されました。工場予定地について、調味料メーカー側に説明。すると・・・「いずれにしても見に行かないといけないですね。」「日程をいただいちゃってもいいですか?後でもいいですけど。」「いや今でいいですよ」...地方企業ならではの軽いフットワークが発揮されました。これが海外市場に進出する上で大きな武器になると高槻さんは言います。「現地を見に行こうという話になる前に、やれない理由を並べるケースが大企業では多くて。中小企業の場合はとりあえずやってみようというジャッジを経営が下しますと、まずやれる。実際にやって始めてわかるというのは様々あるので、それが次に繋がってくる。」

しょうゆ工場高槻さんのイスラム進出プロジェクトに期待をよせるもうひとつの地方企業があります。江戸末期に創業した大分県のしょうゆメーカーです。このメーカーは、九州を中心におよそ300種類のしょうゆを作ってきましたが、少子化や減塩嗜好を受け、売上げは伸び悩んでいます。そこへ高槻さんから海外進出の話が持ち込まれました。「中小企業が海外でビジネスするというのは非常にハードルが高いし、リスクも高いんで、これまで私ども非常に消極的だったんです。それが今回の件は、高槻さんの後押しもあって。そこで我々の技術を生かしていきたいと。(しょうゆメーカー社長 小手川強二さん)」

視察9月、高槻さんは、マレーシアから食品管理の専門家を招きました。しょうゆの味を調える最終工程で、専門家のチェックが。「何か加えていますか?」「副原料といって、砂糖やアルコールもつけ加えます。」アルコールを使う工場で生産されたしょうゆでは、イスラム市場に進出することはできません。そこで、高槻さんは用意していた解決案を専門家にぶつけました。「加工前のしょうゆをマレーシアに輸出して、現地で最終工程だけしてもらうのはどうでしょう。」こうして高槻さんの案の方向で計画の詳細を詰めることになりました。「(高槻さん)日本の市場で、品質に厳しい消費者を相手にしてきた人たちだからこそ、細かい対応が出来る。その力を海外にASEANやイスラム圏に持って行って欲しいなということですね。」

サヘル・ローズさん(タレント)

サヘル・ローズさん(タレント)

日本の耳かきって...すごく繊細じゃないですか。海外では綿棒を使いますよね。海外の人からすると、すごく衝撃的で、最初、耳かきを見たときに、お茶のスプーンかなと思ったんですよね(笑)でもこれは逆に、海外に輸出したときにすごく注目されると思います。身近にあるものの良さに気がつかなくて、だんだんさびれてしまういい技術はたくさんある。だから海外の人を日本のいろんな地方に派遣してコミュニケーションの場を設けたら、もっと気づきがありそうな気はするんです。日本の良さ、文化、心意気、おもてなし、それをそのまま変えずに日本らしさを海外に発信していけたらいいと思います。海外の人もそれを求めているんですよ。

北川浩伸さん(日本貿易振興機構 ジェトロ)

北川浩伸さん(日本貿易振興機構 ジェトロ)

(他に高槻さんのような役割を果たしてくれるのは?)
地方銀行を中心とした地方の金融機関の皆さん、こういう方々の活躍っていうのは、これからあるんじゃないかなと思っているんです。もともと企業を成長させよう、企業を大きくさせよう、そういった社会的機能をお持ちですから。地方のきらっと光る会社をみんなで後押しする地域の金融銀行の方、あるいは地域の支援機関の方々とネットワークを組んで、ある種"日本連合"みたいな感じで、みんなでその会社の背中を押して、という感じがいいんじゃないかなと思います。

お問い合わせ先

タイに進出したお茶屋
中村茶舗(なかむらちゃほ)
ホームページ:http://www.nippon-tea.co.jp/

※タイのお茶屋、CHAHO(ちゃほ)については、上記にお問い合わせください。

中村茶舗とともに進出した和菓子屋
福田屋(ふくだや)
ホームページ:http://www.matsue-fukudaya.com/

マレーシアにパイプを持つ投資会社
株式会社インスパイア
ホームページ:http://www.inspirecorp.co.jp/

広島の調味料メーカー
オタフクソース株式会社
ホームページ:http://www.otafuku.co.jp/

大分のしょうゆメーカー
フンドーキン醤油株式会社
ホームページ:http://www.fundokin.co.jp
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「Waiting on the World to Change(2006年)」
歌手名:John Mayer