宮崎放送局・コンテンツセンター牛田 幸宏
“てげ探!”ではスタジオでリポートすることも
大学卒業後、東京の番組制作会社に就職し、人気俳優の密着、業界大手の企業バトル、国内外を取材で巡る刺激的で楽しい毎日を過ごしていました。しかし、故郷である宮崎に帰省する度に「自然」「人」「食」など宮崎ならではの“豊かさ”を実感。公私ともに充実した人生を送り、地元にも貢献できるNHKの地域職員を志望しました。主にコンテンツ制作業務を担当しています。NHKは世界にネットワークを持っているため、提案が通れば宮崎県内のミニ情報から世界にとどろくコンテンツまで作ることができるので、日々やりがいを感じながら番組を制作しています。
また、家族や友人の近くで暮らすことで、何かあった時にすぐ会いに行けるので安心して仕事をすることができています。
日々仕事をするうえで常に心にあるのは「おかげさま」という取材相手やスタッフの方への感謝の気持ちと「作品ではなく番組」という番組作りにおいての心構えです。
ドキュメンタリー番組の取材では長期間密着させてもらうことも多いですが、「番組の出来を良くするためにもっと踏み込んだものを撮りたい」と思っても、取材相手は「そこまでさらけ出したくない」と感じ、信頼関係がうまく築けず、その後の取材に支障をきたしたこともありました。
いいシーンが撮れたり、いいインタビューが撮れても、それはあくまで相手がいてこその頂き物。取材相手が納得し、喜んでもらえる番組を作りたいです。
また、自分はあくまで取材する人や物事の魅力を伝える役。自分よがりの番組にならないよう、謙虚な気持ちを忘れずに作っていきたいです。
宮崎の歴史や文化について、まだまだ知らないことがあります。特に「神楽」や「神話」など、地元の人たちがこれまで受け継いできた伝統について学び、宮崎ならではの魅力を県内だけでなく、全国や海外にも発信できるコンテンツを作りたいです。それをきっかけに、宮崎に興味を持って、遊びに来てくれる方が増えたり、移住してくれたらうれしいです。
また、現在担当している「てげ探!」では、普段は一緒に仕事をしないような人たちとチームを組んで制作しています。今後も、部署の垣根を超えて、宮崎局全職員で面白い番組を作っていきたいです。現在はコンテンツ制作を担当していますが、NHKは幅広く担当業務の希望を出すことができるので、マネジメントやイベント業務などを含めいろんなことにチャレンジしたいと思っています。
番組を通して地域の情報を伝えることで、地元の人たちに喜んでもらえることがとてもうれしく、自分の仕事で地域に貢献できていると思うと仕事のモチベーションが上がります。「小さな旅」で「日之影町」の暮らしを特集したとき、季節に合わせて川の魚を取って自身のお店で振る舞っている男性を取材しました。「山太郎ガニ」という川ガニをお店で提供しているのを撮影させていただいたところ、放送を見てわざわざ世田谷区から遊びに来たご夫婦がいたそうです。番組をきっかけに取材相手の方々も自分の地域に対して改めて誇りを感じているようでした。
また、地域職員は異動が少ないので地域のことを長期スパンで見つめ続けることができます。以前取材した方も僕がずっと宮崎にいることがわかっているので「こんな面白いことがあるよ」と情報を教えてくださることもあります。今後も人とのつながりを大切にしながら、地元の人しか知らない魅力を掘り起こしたいです。
普通のスーパーに売っている、なんてことない野菜がどれも味が濃くておいしい、しかも安いです。それに「おすそ分け」で、友人から旬の野菜、猪や鹿の肉をいただくことも。そういった自然の恵みを自分の中に取り込んでいるだけでも、心が豊かになります。
東京での生活の中でストレスだった満員電車がないので、イライラすることがほとんどなくなりました。日照時間が長く、あったかい日が多いからか、みなさんせかせかせずのんびりしているので、心に余裕が生まれます。僕自身、何かあっても「ま、いっか」「なんとかなる」と考えられるように。また、宮崎県民は、人懐っこい人が多く、スーパーなどで知らない人からよく話しかけられます。鳥の炭火焼をかごにいれたら、買い物中の方から「それおいしい?」「どこに売ってる?」と聞かれて、僕が案内したり。そんなコミュニケーションも日々楽しんでいます。
豊かな自然が身近にあふれていて、普通に暮らしているだけで癒されます。キャンプや川遊び、バイクの免許取得するなど、趣味が充実。東京から宮崎に帰ってきたからこそ、地元の魅力を再発見しています。
ジョギング、新聞チェックをしたり、掃除・洗濯などをこなします。朝はできるだけ家事・育児で、家族との時間を大切にしています
ロケに向かう時は今でも緊張や不安でいっぱいに。いざ取材が始まると知らない世界に触れることができ、最高に楽しい仕事だと実感
ロケの合間に取材先近辺の名店で昼食。その土地ごとのうまいモノを食べると、取材相手との会話も弾みます
ロケから戻り、撮影素材を取り込み編集に取りかかります。別のプロジェクトの会議や番組のリサーチ作業をすることも
子どもが起きていたら一緒に遊び、夕食後は録り溜めしているテレビ番組や、動画配信サービスで好きなコンテンツを視聴