広島放送局・経営管理センター柴田 凌
パラスポーツの魅力を伝えるイベントを実施
大学から車いすバスケットボールを始めて、その縁で学生のときに、リオデジャネイロ五輪・パラを現地まで見に行きました。そこで、障害の有無関係なく、スポーツを通じてみんなが喜びを分かち合う素晴らしさを改めて実感。その魅力を多くの方に伝える仕事に携わりたいと思い、パラリンピックの放送権を持つNHKに入局したいと思うようになりました。
NHKの説明会に参加したときに、障害のある職員の方にお話を聞くことができ、障害の有無関係なく、多岐にわたる仕事ができると教えてくださいました。高校のときに車いす生活になり、アルバイト経験も少なかった中で、どれだけ自分の能力が通用するのかを試したいという思いもあったので、挑戦しました。入局後は、初任地の大分放送局からパラスポーツのイベントを任され、さまざまな業務を経験できています。
入局した2017年に、九州北部豪雨があり、甚大な被害が発生しました。災害報道のために、各地のNHK放送局から取材班などが応援に来るので、私はその方々の宿泊施設の予約などの調整を行いました。まだ新人で、業務を言われるままにこなしていた頃の出来事。先輩たちも経験のない被害で、誰もが慣れない状況下で業務を行っていたので、自分で考えて動いていくようにしていました。
この業務は災害報道に直接関わることはありませんが、視聴者を守る報道を継続させるために、非常に大切な仕事であったと感じています。災害は、協会人生の中でいつ何回起こるかわかりませんが、万が一のときは、公共メディア プロ人財の一人として、2017年の経験を生かしたいです。
自分にある障害は、弱点ではなく個性だと思っています。公共メディア プロ人財として、共生社会の発展に貢献できるよう、パラスポーツの普及を目指したイベントの実施など、自分だからこそ携わることができる業務をさらに探していきたいです。
また、NHKの公共的価値を、多くの視聴者の方に展開していくために、デジタル業務は今後必須になってくると思います。SNSでの発信やNHKプラスの普及など、さまざまな業務があるなかで、自分に何ができるか模索中です。これまでも自分にとってハードルが高く感じる仕事でも、躊躇(ちゅうちょ)せず一生懸命にやってきました。今後も自分の能力を活かしながら、さまざまなことに挑戦していきます。
大分放送局、広島放送局どちらでも、多目的トイレを居室の近くに作っていただいたり、段差があるところはスロープを設置していただきました。自分の希望を遠慮してしまう気持ちもありましたが、前向きに動いていただきありがたいですし、バリアフリーは組織と個人の双方の考えを出し合って現実化していくことが大事だと思っています。
さまざまな業務も任せていただき、物理的に難しい部分は、みなさんが温かく手を貸してくれます。また、通院時や、車いすバスケットボールの選手権前などは、フレックス勤務を活用。仕事にやりがいを持ちながらプライベートも充実することができています。
私がやっている車いすバスケットボールは、選手の障害のレベルによって、クラス分けの制度がルールとして定められています。クラス分けにより選手それぞれに持ち点が与えられ、1チーム14点以内になるようにメンバーを構成。誰にどんなポジションを任せるかなども通常のバスケットボールとは違った楽しみ方があり、各メンバーが持っている力を最大限に発揮して活躍します。NHKは多岐にわたる業務に携わることができ、それぞれの強みを活かせる組織です。さまざまな特性を持った方が、お互いを尊重し合いそれぞれのパフォーマンスを発揮できたら、多様化していく時代に合ったすばらしいチームになるのではないかと思っています。
ニュースをチェックしながら、身支度を整えます。9時過ぎに自宅を出発し、路面電車で通勤
メールチェックを行い、出演者の放送料の伝票処理を行います
局近くの飲食店に行き、昼食をとります
打ち合わせをしたり、著作権関係の業務を行います
車いすバスケットボールの練習に行ったり、飲みに出かけたり、好きなことに時間を使っています