アナウンス室大橋 拓
安室奈美恵さんのラストライブを取材
学生時代、ダンスチームを立ち上げ、動画の撮影、編集を行い、動画サイトに投稿。自分の予想以上の反響があり、海外からのコメントもありました。そうした経験から、企画からアウトプットまで全てできる仕事がしたいと思うように。たまたま見たNHKの採用サイトに、NHKのアナウンサーは「自分で企画することもでき、自分のことばで伝える仕事」と書いてあり、まさに自分がやりたい仕事だと思い挑戦しました。入局してからも、企画や番組をいくつも制作することができ、思い描いていたような形で仕事ができています。最近は、もともと好きだったデジタル分野にも業務が広がり、「首都圏ネットワーク」のデジタル連動コーナーや、「NHKプラス」の「プレイリスト」編集担当など、肩書きの枠にとらわれず、幅広く仕事ができ、やりがいを感じています。
安室奈美恵さんが引退したとき、沖縄局にいた私は、もともと安室さんの大ファンだったということもあり、関連したリポートや番組を企画しました。「安室さんは、沖縄の人々にとってどんな存在だったか」という視点で取材を続け、他の番組の制作チームとも連携して、安室さんへの貴重なインタビューを行うことができました。涙を流しながら話してくださった内容を、沖縄のファンの声とあわせて、司会を担当していた番組で伝えました。自分の興味や関心にとどまらず、地域性や社会性とも交差させることができた、仕事の意義を感じる経験でした。
2020年の初頭に、海外派遣でスタンフォード大学に滞在し、「公共メディア時代のアナウンサー」というテーマで取材や研究を行いました。当時、アメリカでは、大統領選挙に向けたニュースが連日報道されていましたが、その伝え方なども含めて、アメリカ社会で深刻な問題になっている「分断」を強く感じ、改めてメディアの「公共性」について考えました。
帰国後、「つながる!NHKメディア・リテラシー教室」の立ち上げに参加し、「送り手の意図」や「受け手の解釈」などについて、全国の子どもたちとオンラインで一緒に考えています。メディアで働く私たちも、リテラシーに敏感でなければ信頼を失いかねません。今後も、公共メディアの使命として、また自身のライフワークとして、この分野を追求していきたいと思います。
新聞は小学3年生の頃から読んでいます。海外派遣をきっかけに毎朝30分、英語の勉強も続けています
「首都圏ネットワーク」担当コーナーで取り上げるトピックのリサーチ、打ち合わせをします
NHK局内の食堂で昼食をとります
「NHKプラス」や「メディア・リテラシー教室」についてのミーティング。今後の方針などを決めていきます
メイク後、リハーサルへ。担当コーナーの内容や時間を調整します
メインキャスターとは生放送でアドリブのやりとりも
番組のプロデューサーとその日の放送について振り返ります
日中にできなかった「NHKプラス」の業務などを終えて、退局