人事局大石 達生
ウクライナやロシアでロケをする大石さん
学生時代にインドへの留学経験があり、見たこともない景色や人々の営み、思想や文化に触れ「知らないものに直面する」ことの楽しさに興奮しました。思いもよらない考え方をする人に出会ったり、歴史的な出来事と対峙する仕事につきたいと考えるようになりました。
大学で映像人類学を学んでいて、映像で人を記録していくことに興味があったことも大きいかもしれません。NHKの映像取材は文字通り、映像が撮れて取材もできるので、自分で企画を考えて映像を構成し、撮影もしてみたかった僕には魅力的でした。
報道局ではニュース映像の撮影や、ドキュメンタリー制作に携わりました。忘れられない経験になったのは、東日本大震災から1か月後、前を向いて立ち上がろうとしている被災者を映像スケッチしようと、被災地を訪れたときのこと。まだ多くの方が行方不明の家族や友人を必死で探していらっしゃる姿を目の当たりにし、自分の浅はかさを痛感しました。被災者の皆さんは「ありのままを撮ってほしい」と言ってくださいましたが、僕自身、彼らにカメラを向けて間近で撮影することにすごく違和感があり、結局は捜索作業をしている方を遠くから撮影することしかできませんでした。カメラを向けることは時に暴力的だし、被写体自身が気づいていないことまで映し出してしまうこともある。それはとても怖いことで、自分自身にその覚悟があるのかという問いが返ってきて、取材に対する考え方が変わりました。
入局時からさまざまな経験が積み重なり深まって、新たな領域に仕事が広がっています。今は人事局でデジタルサービスの制度作りに関わっていますが、これはNHK初の試み。公共放送から公共メディアへの進化を目指すのは大きな転換点で、制度を進めていく過程には大きな壁もあると思います。それを乗り越えてひとつの仕組みを作っていけるとしたら、僕のライフワークになると思います。現代はスマホ中心の生活ですが、5年後、10年後、その先の媒体でコンテンツを消費しているかもしれない未来に思いを馳せて、新しいサービスを作っていきたいですね。
ネット媒体を中心に各社がどんな風にニュースを伝えたか斜め読みします。
出局後はまず、国内外のネットメディア関連で新しい動向などがないか、SNSなども活用してチェックします。
デジタル業務を担う人財採用のあり方や働き方などについて、NHKの未来像を想像し熱い議論を交わしてます。
これまでお話したことがない人などを誘って様々な職種の方のアイデアや考えなどをインプットします。
デジタルサービスを担う様々な部署の方に現場の課題感や期待などを聞き取ります。
若手の職員と「NHKの魅力や若手職員の熱い思いを届けるイベント」の設計などについて打ち合わせします。
局内で仕事をすることが多いので隙間時間を見つけて近くの公園などを散歩して気分転換をしたりしています。
他社との交流会には頻繁に参加します。最新の動向やトレンドなどは常に入手するよう心がけています。
帰宅後は、映画やドキュメンタリーをかたっぱしから見るのがささやかな楽しみです。