
サークルで所属していた合唱団の活動に力を入れました。指揮者だったため発声や指揮法について諸先生のところに勉強しに行き、演奏会ではお客さんの入りに一喜一憂していました。就職活動では「社会の課題を自分の目で見て伝えたい」と思いマスコミ、なかでも子どものころからいつも親からニュースを見せられいつの間にか信頼感が増していたNHKを第一志望に会社訪問などをしました。ほかのメディアも考えましたが、やはり顔を出して自分が伝えていることを実感できるNHKを選びました。
初任地は辛かったですね、特に最初のサツまわりは。赴任してすぐに暴力団の抗争事件取材と言われても・・。置屋?手打ちって何?津軽弁をマスターしてから出直してこいと言われたり・・・。その後もいきなり原子力担当。核分裂?中性子が出る?でも何も知らなかった分、解説やリポートではわかりやすさを心がけました。核燃料サイクル施設の取材を進める中で様々な矛盾を感じ、原子力政策は誰がどう決めているのか知りたくなり、その後の東京での原子力取材につながっていきました。
現在は科学技術担当の解説委員です。基本的には記者と同じで自分の足で取材してニュース解説をします。ただ、記者とは違ってチームで取材することはなく孤独です。自分一人で取材し、コメントも誰も見てくれません。全部自分の責任です。苦労も多いですが、好きな分野について自分の言葉で伝えて何か感じてくれる視聴者がいることは大変な喜びです。今後も科学技術全般をフォローしつつも福島第一原発の事故については、収束はもちろんその後の廃炉に向けた作業や、原子力の安全規制の体制など政策のあり方について10年、20年とずっと追いかけて提言していきたいと思っています。
自分の好きな分野の仕事を追求できることがNHKの最大の魅力だと感じています。濃淡はあれ入局3年目以降これまでずっと原子力の取材を継続しています。もちろんやりたいと言うだけではダメで成果も求められますが、これは民放ではなかなかできない、報道重視のNHKだからこそできることだと思います。原子力以外でも、航空機に乗って「しし座流星群」の大出現を捉えたこともありますが、出現しない可能性があるにもかかわらず取材に挑戦させてくれました。挑戦できる職場です。
フレキシブルな考え方のできる人のほうが向いていると思います。私も最初から原子力担当になりたかったわけではありません。やってみた中から自分で問題点やおもしろさを見つけ、いかに膨らませていくか。最初は何でもいやがらずに挑戦してみてください。その中からきっと展望が開けていくと思います。