障害者採用

トータルで関われないとしても
自分のできる仕事を取りに行く

技術 鈴木 彩子 2002年入局。技術、放送技術局
番組制作技術部所属。下肢障害。

NHKを志望した理由は?

学生の時は電子制御などを勉強していました。どうしてもテレビ局で働きたいと思っていたわけでもありませんし、実はテレビもほとんど見ていませんでした。でも、何かをつくる仕事に就きたいとは考えていて、なんとなくメーカーなどを希望していたと思います。NHKが一番早い採用試験だったのもあり、何か縁があったのでしょうか、NHKに入りました。
初任地の長野放送局で1年目に事故にあい車椅子になりました。手術もあり、休職して1年近く実家に戻っていました。当時の部長に、「また長野放送局に戻って働いたらどうか」と言ってもらいました。「また働けるなら」と、元の職場に復帰しました。事故にあうまでは番組の送出からカメラや音声もやりましたが、車椅子になってからは局内でできる技術の仕事をするようになりました。長野には10年いました。車椅子でもできる仕事はないかと考えて、コンピュータグラフィックス(CG)をやってみたいと思い希望を出したところ、CGなどを利用して映像を加工する東京のVFXの部署に異動になりました。

NHKの職場環境はいかがですか?

東京でも職場と相談のうえ、自動車通勤できることになっていますが、渋滞があり、車だとかえって不便なので、普段は電車通勤をしています。以前は駅にエレベーターが少なくて朝は混雑しましたが、最近は少し改善されてきました。

放送センターは昔に建てられているため、機器がある場所やスタジオなどは段差や通路がせまいところもまだありますが、職場の同僚や周囲がバックアップしてくれています。
例えば、機器の保守では、機器にトラブルがあったとき、見ればすぐ原因が分かるのに車いすが通れるスペースがなく自分で裏には回れない。歯がゆい思いをする場面もありますが、後輩に頼んで写真を撮ってきてもらうなど、工夫しながら仕事にあたっています。

仕事のやりがいを教えてください

自分の仕事を開拓していくことです。やりたい仕事ができず悔しい思いをする場面も正直ありますが、自分のできる仕事を見極めて取り組んでいます。
VFX合成の仕事も、時には実際に撮影現場へ行き、「最終的にこういう合成をするので、こういう風に撮影してください」とロケ現場でコーディネーションもします。私の場合、現場に行くのが難しいので、ロケ現場が多いドラマではなく、情報番組などのスタジオで撮影する番組に携わることにしました。現在は、仕事の分担や職場メンバーの仕事ぶりをフォローするデスクと言う業務をしています。
自分の状況は自分で伝えないと、周囲は逆に気を遣って、「これはできないかな…」と遠慮してしまいます。「これならできます」「これがやりたいです」と、自分から言うことで、できる仕事は広がっていきます。障害の程度は人それぞれなので、“できる”というアピールは必須だと思います。

就活生へメッセージをお願いします

スタジオやロケ先など現場はバリアフリーでないこともあるため、なかなか難しいこともありますが、できる仕事はいろいろとあります。
「車椅子だけど音声がやりたい!この仕事をするためにNHKに入りました!」という方がどんどん増えていけば現場の環境も変わってくるかもしれません。本人に情熱があれば、職場の仲間がどのようにすればできるのか一緒に考えてくれます。大変なことはもちろんありますが、自分が先駆者として切り開いていけば、次の人にもつながっていきます。
自分の長所を生かし、何事にも挑戦していったほうが良いと思います。全てを一人でできなくても良いんですよ。