平成28年度 NHK放送技術 夏季インターンシップ実施報告

<1日目>“NHK放送技術業務の説明"

講義①「NHK放送技術業務の概要」

公共放送NHKの幅広い技術業務とその役割について分かりやすく解説。NHK放送技術の強みは、“研究⇒開発⇒導入⇒運用"という放送技術の流れを組織全体で連携して実施していることを具体的に紹介した。

講義②「番組制作技術の業務概要」

番組制作における技術の役割や具体的な業務内容について、スタジオ制作を例に紹介。「職員一人ひとりのさまざまな工夫がより良いコンテンツ作りにつながること」「番組制作には多くのスタッフが関わっており、全ての担当者が力を結集させてより良い番組作りを目指していること」など、番組制作技術の魅力を説明した。

講義③「番組送出技術の業務概要」

番組送出技術は、ニュース・報道番組、情報・教養番組、ドラマ・エンターテインメント番組など多種多様な放送サービスを確実に送出する業務であることを紹介。視聴者のことを最優先に考え、日常的な設備の運用・メンテナンスを通して障害を未然に防ぐとともに、緊急報道の際は迅速・確実な対応に努めていることを説明した。

講義④「報道技術の業務概要」

報道技術はニュース報道の最前線の職場であり、24時間365日、いかなる時にも迅速かつ正確な報道を送出するため、常に万全な体制を組んで放送に臨んでいることを紹介した。また、国内だけでなく全世界からの映像配信に対応したり、最新技術を活用した設備の開発・整備・運用を行い、「緊急報道はNHKの使命」を胸に、常に視聴者目線でニュース・報道番組送出を担っていることを説明した。

講義⑤「送受信技術の業務概要」

送受信技術の業務は、24時間365日あまねく全国に放送を届けるため、放送ネットワークの設計・構築、信頼性の高い送信システムの開発、継続した設備の点検・整備による電波の安定確保であることを説明した。また、放送電波の受信障害を未然に防止することに努めたり、視聴者からの受信相談に対応することで、放送電波の良好な受信環境を維持していることについても解説した。

講義⑥「放送技術研究の業務概要」

放送技術の研究・開発を担う日本で唯一の研究所で行っている研究内容について説明した。「8Kスーパーハイビジョン」「インターネット活用技術」「立体テレビ」を軸にして、視聴者ニーズから放送現場までを熟知した研究者が基礎から応用まで一貫した研究に取り組んでいることを解説した。さらに、「8K関連技術」「シート型ディスプレイ」「メディア統合技術」「手話CG」など具体的な研究内容や研究環境等についても紹介した。

1日目

1日目

見学①「8Kコンテンツ視聴」

放送センターの試写ルームで、リオオリンピックのハイライト映像等の8Kコンテンツを大画面、22.2マルチチャンネル音響で視聴し、臨場感あふれる8Kの世界を体感した。

見学②「あさイチ スタジオ」

情報番組「あさイチ」の生放送スタジオを見学した。実際のセットが組んであるフロアを始め、副調整室のスイッチャー卓、調光卓、音声卓などを見学し、番組制作スタッフから苦労や工夫など裏話も交えながら、番組作りの魅力を伝えた。

見学③「TOC/SHV-TOC」

番組送出の要であるTOC(テクニカル・オペレーション・センター)と8Kスーパーハイビジョン試験放送を送出するSHV-TOCを見学し、実際の送出現場を体感した。

参加者の感想

  • 【講義】
  • 放送技術の大枠の説明の後に各部門の詳細な業務内容を聞くことができて理解しやすい構成だった。
  • NHKで働くやりがいから、具体的な業務まで詳しく説明をいただき、興味深かった。
  • それぞれの職員が自分の背景やバックボーンも説明していたため、現実感のある内容だった。
  • 報道技術の説明で「報道一つで1人の心が救われる」という言葉が印象に残った。
  • 普段の生活ではイメージしづらい送受信技術のことを、知識がなくても分かるよう丁寧に説明してもらえたのが良かった。
  • 【見学】
  • 初めて8Kコンテンツを視聴したが、映像のリアルさ・立体感や、22.2マルチチャンネル音響により、まさにその場で観ているような感覚だった。
  • TOCの見学を通して、放送の心臓部の仕組みを学ぶことができた。

<2日目>“番組制作実習「コント番組を作ってみよう!」"

講義「番組制作技術の業務」

番組制作の第一線で活躍する技術職員が、TD(テクニカルディレクター)、撮影、音声、照明業務の役割と具体的な業務内容を説明した。機材の基本的な操作方法を学び、台本の見方、カメラ割りの作業等を実施した。

実習「コント番組制作」

TD、撮影、音声、照明など、それぞれの担当に分かれて、実際に番組制作で使用している機材を使ってコント番組の制作実習を行った。役者の演技をチェックするリハーサルの後、撮影方法を話し合い、収録するという本番さながらの実習を実施した。最後に、指導を受けた技術職員から講評を受け、正解のない番組制作の奥深さを体験した。

2日目

2日目

2日目

参加者の感想

  • TD、カメラ、音声、照明の業務はどれも興味深かった。番組制作でのチームワークの重要性を知った。
  • 講師の方々が丁寧に対応してくださり、制作技術の楽しさを知ることができた。
  • どの職員の方も熱意を持って仕事に取り組んでおり、その姿を拝見できて良かった。
  • 撮影の緊張感、達成感、難しさを身にしみて感じた。自分が撮った映像を見て感激した。
  • いつも見ている番組を実際に作ることができて、夢のような時間だった。

<3日目>“デジタルコンテンツ業務とポスプロ業務の実習"

3日目

講義①「デジタルコンテンツ業務の概要」

データ放送やハイブリッドキャストなど放送・通信連携サービスの開発・運用業務の概要を説明した。

実習①「双方向番組データ放送」

実際に放送した生放送の双方向番組を例に、放送で使用するデータ放送送出端末を操作し、クイズや投票番組、SNSとの連携など双方向番組の運用を体験した。

見学①「リオオリンピック・パラリンピック デジタル運用スタジオ」

リオオリンピック・パラリンピック放送のデジタル運用スタジオを見学し、ビックイベント時におけるデジタルコンテンツ業務の概要を説明した。また、ハイブリッドキャストでサービスを行った4Kライブストリーミングも体験した。

3日目

見学②「8Kデータ放送」

平成28年8月に試験放送を開始した8Kスーパーハイビジョンのデータ放送を体験した。

講義②「NHKデジタルサービストピックス」

CG制作やライブ配信など最新のNHKデジタルサービスの動向を説明した。より視聴者に分かりやすく伝えるために日々アイデアを出し、新しい技術を開発している現場を紹介した。

講義③「番組編集(ポスプロ)業務の概要」

ノンリニア編集室で、設備の操作方法も含めて、番組編集(ポスプロ)業務の概要を説明した。

実習②「番組編集(ポスプロ)」

前日の番組制作実習で収録したコント番組に、映像編集、音入れ、テロップ入れなどのポスプロ作業を実施し、完プロ(完成プログラム)制作に挑戦した。また、実際にドラマ番組を編集しているスタジオを見学した。

参加者の感想

  • 【講義】
  • 大河などのドラマではCGやVFXが多く使われていることとその技術の高さには驚くばかりだった。
  • 番組の質(完成度)と期限とのトレードオフな関係に難しさを感じた。
  • 【実習】
  • ポスプロの仕事を通して視聴者の目線でコンテンツをより良いものにしていく楽しさを感じることができた。
  • ポスプロを体験した上に最新の編集室を見ることができて良かった。
  • 2日目のスタジオ制作実習と合わせて一つの番組を制作するとはどういうことかを身を持って体験し、番組を見る視点が広がった。
  • 編集の大変さと番組作りへの影響の大きさを感じ、やりがいのある実務経験ができた。

<4日目>“送受信技術業務の実習"

講義①「放送ネットワークの概要」

放送局から視聴者の皆さまのお宅まで、NHKの放送はどのようにして届けられているかなど、放送ネットワークの基礎について解説した。

講義②「送信技術の仕事」

送信技術の仕事は、放送ネットワークを構築し、24時間365日放送電波を安定して届けること、TVだけでなく放送全般において、低コストで信頼性の高い設備の導入を目指し、技術開発を行うことを説明した。

講義③「墨田放送所の概要」

墨田放送所(スカイツリー)の放送対象地域や送信アンテナの形状、送信出力等を説明した。また、墨田放送所では、放送電波を安定して届けるためTV・FM送信機を管理・保守し、異常があった場合にすぐ対応できるように常に監視していることを説明した。

講義④「菖蒲久喜ラジオ放送所の概要」

菖蒲久喜ラジオ放送所の放送対象地域や送信アンテナの形状、送信出力等を説明した。

4日目

講義⑤「受信技術業務の概要」

受信技術業務は、放送が受信されるまでをサポートする仕事であり、電波環境調査や、受信障害が発生した場合はその原因解析まで行っていることを説明した。また、大規模災害時には避難所へのテレビ設置などの業務にもあたることを紹介した。

実習「送信機の操作/放送電波の測定」

デジタルテレビ、FM、中波の各送信機を操作し、それぞれの電波信号を測定器(スペクトラム・アナライザー、オシロスコープ)で観測した。また、スカイツリーから送信されているテレビ電波の受信測定を実施した。

見学「芝TV・FM予備放送所」

NHK芝TV・FM予備放送所(東京タワー)で実際の送信機を見学した。設備はすべて二重化しており、1号機が壊れても2号機で対応できるようにしていること、スカイツリーから電波が出せなくなった場合は芝予備放送所からバックアップすることなどを説明した。

4日目

参加者の感想

  • 【講義】
  • 職員の皆さんが責任を強く持ち、電波を送信していることが分かり良かった。
  • 送受信業務は放送において最も責任が重い所だと思った。
  • 送受信システムの構造を知ることができた。各システムにバックアップが用意されていて、絶対に放送を途絶えさせないという強い思いを感じることができた。
  • 【実習】
  • 「電波とは何か」という話から始まり、テレビ、AM、FMの違いなど各機械に触れることで学べた。
  • テレビ電波の測定で、普段見ることのできない電波を可視化してもらい、イメージを掴めたことにより、今後の大学の研究を進めるうえで非常に貴重な体験となった。
  • 普段は見聞きすることのできない送受信技術について、実習を交えて分かりやすく説明していただき、知識を補填でき、更に興味を持つことができた。

<5日目>“放送技術研究所の見学"

見学「放送技術研究所」

実際に研究に携わっている研究者が、8Kスーパーハイビジョン映像技術、シート型ディスプレイ、メディア統合技術、次世代地上デジタル放送伝送技術、手話CGなどの研究成果を直接説明した。

5日目

先輩と語る

番組制作、技術開発、技術研究の最前線で活躍する若手職員が講師となって「先輩と語る」を実施した。放送技術の仕事のやりがいや厳しさ、新人時代の仕事や普段の生活等をざっくばらんに語り、質疑に応じた。

グループ討議「あったらいいな、こんな放送サービス!」

インターンシップでの見学・体験をふまえて「あったらいいな、こんな放送サービス!」というテーマでグループ討議を実施した。各グループで活発な意見交換を通じて新しい放送サービスをまとめ、発表した。最後に放送技術研究所の担当者から講評を受け、新たな放送サービスを生み出す魅力や苦労を体験した。

5日目

参加者の感想

  • 【見学】
  • NHKが最先端の技術開発をしていることを深く知ることができた。
  • 最先端の技術を間近で見ることができ、NHKの技術を支える研究の一部を理解することができた。
  • 研究内容について、実際に研究している方から直接話を聞くことができて充実した内容だった。
  • 企画から研究、開発、運用の流れを全て網羅できる環境があり、次世代TVの基盤を創ることができると感じた。
  • 【グループ討議】
  • 具体的なテーマで議論がしやすく、メンバーのチームワークが試される充実した討議だった。
  • メンバー全員が冷静に多角的な意見を出し合って、とても良い発表ができたと思う。
  • 自分以外の人、立場の違う人の目線でものごとを考えることの難しさを経験できた。
  • 他班の発表を聞くことで、思いもしなかった考えや思いを知ることができ、視野が広がった。
  • 【先輩と語る】
  • 先輩との距離が近く、NHKでの実際の業務からライフスタイルまで、じっくりと語り合うことができて良かった。
  • 説明会などに参加するだけでは恐らく知り得ないであろうことまで直接先輩の方から聞けたのは貴重な経験だった。
  • 働く中で感じることや仕事の魅力を話してもらい、よりNHKで働くイメージが持てた。
  • 先輩方がどのような目標、責任感を持って仕事に挑んでいるかが分かった。