平成27年度 NHK報道記者(東京) インターンシップ実施報告

<1日目> NHK放送センター

「NHK報道記者とは」講義

記者・映像取材・映像制作の報道3職種の仕事を紹介するDVDを上映した後、報道記者の仕事の概要やテレビジャーナリズムについて講義。新聞とテレビの違いや報道記者の日常、緊急報道の大切さや公共放送について解説した。

「大越記者主幹 講演」

元「ニュースウォッチ9」キャスター大越健介記者主幹による講演と質疑。長年の取材経験を踏まえて、「記者とは何か」「記者に求められる資質」「取材に臨む心構えや姿勢」などを率直に語った。また学生からの質問に答える形で、自身が大切にしていること、公平な報道とは何かについてなども分かりやすい言葉で伝えた。

「ニュースができるまで」講義

取材から放送までの仕組みやテレビニュース制作の基礎、NHKの取材・放送体制を解説。特に公共放送の使命である緊急報道については、データや映像を交えながら「命を守る」公共放送の最新の取り組みを伝えた。

スタジオ見学・ニュース制作の現場

全国ニュースや首都圏ネットワークを放送しているスタジオで、さまざまな設備や放送の仕組みの解説を行った。実際にニュースを放送している現場にも立ち会ってもらい、放送現場の雰囲気を感じてもらった。

参加者の感想

  • 「大越氏が、今も何かと格闘し、チャレンジし続け、気付き、発見を続けている姿に、記者という仕事へのあこがれが強くなった。おごらず謙虚に一つ一つのニュースを大切にする姿勢に、何もかも知った気になって頭でっかちになっていた自分を反省した」
  • 「ニュース制作の現場見学では、命を守る報道へと一歩一歩確実な歩みを進めている様子を目の当たりにすることができた」
  • 「スタジオやデスクでの実際の雰囲気に興奮し、放送直前まで闘う姿にすご味を感じた」
  • 「放送直前の緊張感とチームワーク、また、放送直後にすぐ反省会をし、ニュースの内容やバリューについて話し合うジャーナリストとしての姿に感心した」

<2日目・3日目> NHK放送研修センター

※2つの班に分かれて、一日ごとに交互にA・Bのカリキュラムを体験

【Aのカリキュラム】

放送原稿の基礎

講義形式で取材の基本とニュース原稿に求められるものを学んでもらった。原稿に必要な要素や構造、用語や注意点など最低限の基礎について理解を深めた後、「NHK報道記者インターンシップ」を題材に参加者全員が原稿を作成。講師らが個別の講評や添削を行った。

模擬記者会見と原稿実習

ストーカー殺人事件を題材に模擬記者会見を実施し、その内容をニュース原稿にするという実習を行った。広報文を手掛かりに何を質問するのか考えて事実を確認するということの難しさや、原稿を書くうえで必要な取材とは何かを体験してもらった。研修センター講師らが学生を個別に指導し、原稿の添削、講評を行った。

参加者の感想

  • 「プライバシーや正確さという、当然守れると思っていたことを守れず、今までの認識の甘さを痛感した」
  • 「簡単に報道されていると思われるニュースでも想像以上の苦労が隠されていることが分かった」
  • 「記事を書いて自分だけが楽しむだけではだめだ。自分が記事を書くことで少しでも世の中の役に立ちたい。そう強く思った」

【Bのカリキュラム】

映像撮影の基本

ニュースにおける映像の役割や、ニュースカメラマンの仕事の内容、ニュース・ドキュメンタリー映像取材の基本を、映像を交えながら紹介。

映像編集の基本

ある日のニュース、同じ素材を、異なる編集マンが編集し、それぞれどう変化するのか、作品を比較しながら解説。編集によりニュースのポイントが変わることや、その効果を実演を交えて紹介。

カメラの使い方・映像取材体験・ラッシュ検討

疑似交通事故現場で、実機を扱って映像取材の現場を模擬体験。個人個人が取材した内容、撮影してきた映像をグループに分かれて視聴し、注目すべきポイントや必要な情報を検討。職員が撮影した映像と比較しながら、意見交換を行った。

リポート実習

土砂崩れが起きた災害現場を題材にリポート実習。場所や被害の大きさなど災害現場の概要を伝えた後、現場の映像を見て、立ちリポート用の原稿を作成。1人1人カメラでリポートを収録し、講師が全員の講評をした。

先輩と語る

先輩と語る

参加者の感想

  • 「カメラマンは理系、技術というイメージが強かったので、多くの方が未経験でスタートした文系出身者ということに驚いた」
  • 「カメラを持つとどうしても視野が狭くなり、考えられることを配れることも減る。実際にやってみないとわからなかった」
  • 「事件のポイントは何なのか、映像を見ただけで事件が分かる、これら二つを意識した取材を心がける重要性を学んだ」

<4日目> 記者クラブ・NHK放送センター

取材現場研修・記者クラブ体験

外務省クラブ、経産省クラブ、警視庁クラブ、国交省クラブ、都庁クラブなど、3~4人ずつの班にわかれて、取材の最前線である記者クラブを訪問。先輩記者・デスクの案内で記者会見や広報担当者などを取材、先輩記者から専門分野の取材の重要性ややりがいを聞いてもらった。

裁判傍聴体験

実際の法廷で行われる裁判を傍聴し、取材の現場ではどのようなことが行われるのか、ガイダンスを交えながら体感してもらった。

報告

放送センターに戻った後に各班が取材結果を発表し、各々の体験を共有した。

参加者の感想

  • 「思っていたよりずっと親密に取材相手と話す姿に、取材には人間関係の構築が何よりも重要なのだと実感した」
  • 「記者自身がとても勉強していて、豊富な知識を持っており、そのことで取材先に相談を受けるほど信頼されていることが印象に残った」
  • 「実際の取材の現場に行き、記者として働くイメージがより具体的につかめた」

<5日目> NHK放送センター

先輩と語る

政治、経済、社会、国際など各分野の最前線で活躍する先輩記者を講師に、「先輩と語る」と題して質疑応答形式の懇談会を実施。少人数のグループでこれまでの記者のやりがいや厳しさ、地方や東京での仕事や生活、就職活動の体験談などについてざっくばらんに質疑応答した。

参加者の感想

  • 「話しにくいような質問にも、正直に答えてくれ、持っていた疑問を解消することができた」
  • 「さまざまなキャリアや仕事内容を持つ記者の方々と接することができて、とても参考になった」