日本の「テレビ」の歴史は、この研究所から始まりました。わが国でラジオ放送が始まったばかりの昭和5年、家庭で「テレビ」が当たり前となる未来を描いて設立されたのが「NHK技術研究所」(現:放送技術研究所)です。当初はテレビ放送の実用化に大きく貢献し、以来、カラー放送、衛星放送、ハイビジョン、デジタル放送、…と新たなサービスを実現するための技術を次々と確立、時代をリードしてきました。NHKでは、映像・音声システムに関する技術のみならず、人間工学や心理学の観点からも「テレビ」を研究。さらに未来のシステムを実現するための礎となる、半導体デバイスや次世代メディアなども自ら開発しています。放送に関する研究開発をこのように総合的に展開している研究所を有するのは、世界でもNHKだけです。
ここでは、「便利で豊かな放送」の実現に向けて、さまざまな研究テーマに取り組み、民間の企業や公的な研究機関とも協力しながら、新技術の創造に挑んでいます。NHKの放送技術研究所の使命は「放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと」であり、「その研究の成果が公共の利益となるように利用されなければならないこと」は放送法にもうたわれています。机上の理論だけにとどまることは許されません。研究者たちの多くは、入局後に放送制作の現場を経験しています。だからこそ、これから放送に何が求められるのか、リアルに発想することができるのです。たとえば、人間が立ち入ることのできない場所を取材できる高性能ロボットカメラを研究したり、あるいは目や耳が不自由な方にも放送をお届けできるユニバーサルな環境をつくり出したり、・・・・・。「自ら創出した技術で、人々の暮らしをよりよく変えていく」。NHKの放送技術研究所は、そんな高い志にあふれた研究者の集団です。




















