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「緑の宝石 ボルボックスの秘密」
子どもの細胞は親の中で反転し、親の体を破って出てくる。

日差しが強くなった初夏、
池や田んぼなどの水辺では、植物プランクトンの仲間がたくさん見られるようになります。
水面に緑色のものが浮かんでいます。
水の中をのぞいて見ましょう。
アオミドロ。
葉緑体をもつ細胞が長く連なっいます。
ミカヅキモ。
1つの細胞でできています。
これはボルボックス。
たくさんの細胞が集まってできています。
直径およそ1mm。
転がるように動きます。
この種類では、表面に2000個ほどの小さな細胞が並び、内側に16個の大きな細胞があります。
これは生殖細胞と呼ばれているもので、次の世代のボルボックス、つまり子どもになる細胞です。
透明な寒天質の表面に並ぶたくさんの細胞は、体細胞と呼ばれています。
その1つ1つが葉緑体をもち、光合成を行っています。
ボルボックスが動く秘密は、この体細胞にあります。
拡大してみると、外に向かって伸びる2本のべん毛を持っています。
これを動かし、転がるように水中を移動するのです。
ボルボックスは、夏から秋にかけ、水辺で独特の方法で繁殖します。
体の中にある緑色の細胞が生殖細胞です。
こ の1つ1つが新しいボルボックスになるのです。
生殖細胞は分裂を繰り返し、表面には、更に次の世代になる生殖細胞が丸い粒になってできています。
親では体の中にある生殖細胞が、この段階では外側にあるのです。
これが、やがて不思議な方法で内側へ移動します。
表面に十字型の口が開いています。
この変化を横から観察します。
このように裏返しになり、外側にあった生殖細胞が体の内側に包み込まれます。
親と同じ体のつくりになった子どもが、回転し始めました。
子どもが大きく成長し、親の体の中いっぱいになっています。
子どものボルボックスたちは、やがて親の体を破り、外へと泳ぎ出します。
新しく生まれたボルボックスは、成長を続けます。
日光や水などの環境がよければ、2日後にはまた次の世代を産みます。
ボルボックスは、このようにして数を増やしていくのです。