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Discover science column

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今回の実験は「GO! GO! ものさしカー」

今回のテーマは「弾性力」。バネの力のことです。力を加えると物は変形します。力を加えるのを止めると、もとの形に戻ります。これが「弾性」という性質。弾性力は、変形した物がもとに戻るときの力のこと。変形させるために加えた力を物が蓄えて、もとの形に戻るときに蓄えた力を外に出した、と考えることができます。

変形のしやすさは、物の材質や厚みなどの形によってきまります。薄い金属板はよく曲がりますが、ガラス板を同じくらい曲げようようとしたら割れてしまうでしょう(番組の最初のガラス板を曲げる実験がありましたが、見ていてハラハラしました)。

大実験では、1メートルのステンレスのものさしを大きくしならせて、それがもとに戻るときの力で車の車輪を回します。あのものさしをさらに曲げて渦巻き状にしたのが「ぜんまい」です。ぜんまいでは動かしたいものとつなぐことによって、蓄えた力を少しずつ取り出せる仕組みになっています。大実験の車も、ぜんまいと同じように、ものさしがもとの形に戻るときの力を、ワイヤーを通して車輪の回転に変えるようにつなぎ、少しずつ使えるようにしています。

これとは別に、もとに戻るときの力を一気に解放して使うこともあります。ゴムパチンコ、弓、トランポリンなどはこちらのタイプ。

実はこの回、当初は「一気に解放する力」で消しゴムを打ち上げる予定だったそうです。しならせたものさしに消しゴムを乗せて飛ばすなんてイタズラ、やっていませんでしたか?

長くて厚みのある大きなものさしを用意し、その端に消しゴムを乗せて打ち上げれば、100mの高さまで行くのではないか、などと実験レンジャーたちは想像をめぐらせたそうです。参考にと見せてもらったのは、一点の雲もない青空の下、ビルのようにそびえるやぐらと、そこから横に突き出た飛び込み板のような金属板、そして、その上にすっくと立つ巨大な消しゴム──無駄にカッコイイ合成写真でした。

どの高さまで打ち上げられるかは、しなった金属板がもとに戻るときのスピードで決まります。 長い方が大きくしならせることができる分、端っこでの戻るスピードも速いだろうと考え、実際に実験をしてみたそうです(20センチとか40センチなどの常識的な長さのものさしでの実験ですよ)。すると、長さを変えても先端の速度はかわらず、むしろ短いものの方が速いという予想外の結果に。

弾性力の専門家である大学の先生に相談したところ、長くしても、厚くしても、幅を広くしても先端スピードはほとんど変わらないというお返事をもらったそうです。でも、先生も計算して初めてわかったのだとか。実際にやってみると、こういう発見があるのですね! やっぱり、やってみなくちゃ。

(日本科学未来館・詫摩雅子)