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Discover science column

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今回の実験は「空いっぱいの虹」

雨上がりに空いっぱいにかかる虹。すてきですよね。今回は、実験40「虹の橋」と同様、自分たちで虹を、それも3重や4重の虹を作ります。
実験01~52はこちら※NHKのサイトを離れます。)

雨上がりに出る虹は、太陽の光と水滴が作り出すものです。光は滴(しずく)の中に入るとき、そして中で反射して出てくるときに、ちょっとだけ折れ曲がります。太陽の光は無色に思えますが、実はいろんな色の光が合わさったものです。光は色によって、水面での折れ曲がり具合(屈折率)が違うため、出てきた光は色が分かれ、たくさんの雨粒で七色の帯となって虹が見えるのです。

番組のはじめの方で、シャワーを使った実験をしていました。ただの水のシャワーでは、ホースを何本使っても、虹は1本にしかなりません。太陽から来る光でできる虹なので、光源は1カ所だけだからです。でも、一方をただの水、もう一方を塩水にすると、2本のずれた虹になりました。これは普通の水と塩水とでは、光の折れ曲がり具合が変わるため、虹が現れる角度が変わるからです。塩水を濃くすればするほど、虹は小さな円の弧になります。

屈折率の違いで虹の高さが変わるので、砂糖水やグリセリンなども検討したようです。でも、たとえば砂糖水を野外でまいたら後が大変。アリがいっぱい来そうです。グリセリンは引火しやすいので、問題外(まくのは消防士さんというのは、冗談にもなりません)。その点、塩水は安全ですし、もともと濃い塩水をまいていた塩田ならば、植物への悪影響などを考えずにすみます。そこで、台湾のかつてはアジア一の広さを誇った塩田でのロケになったそうです(現在は観光地)。

水滴の大きさは1ミリくらいが一番、虹がきれいに見えることが実験からわかっていたので、収録のときには水滴がそのサイズになるように綿密に調節をしたのだとか。

今回の実験では濃度の違う塩水を使って、3重、4重の虹を作りました。けれども、自然の雨粒による虹でも、まれに2重になることがあります。これは、雨粒の中で反射した光(通常の虹、主虹)と、中で2回反射した光の両方が見えるためです。2つめの虹は副虹といい、主虹の外側に薄くぼんやりと現れます。

今回の実験では、副虹は現れていません。なぜそう言い切れるかというと、色の並び順が4本とも同じだからです。作った虹はどれも、上が赤で下が紫になっていますよね。水滴の中で光が2回反射した副虹では、色の順番が上下さかさまになって、上が紫で下が赤になります。自然での2重の虹はなかなか見る機会がありませんが、ある実験レンジャーは晴れた日に庭の植木に水やりをしていたら、副虹がみえたそうです。本人は「見ようとすれば見える。見ようとする意識が無いとなかなか見えない。その良い例かもしれない」と言っていました。皆さんも、副虹を見ることがあったら、色の並び順にぜひ注目して下さいね!

(日本科学未来館・詫摩雅子)