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Discover science column

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今回の実験は「つな引きエレベーター」

今回のテーマは「摩擦」。番組では実験15「本は力持ち」、実験06「リンゴは動きたくない!?」など、摩擦はこれまで何度か登場しています。
例えば、実験06で挑戦したテーブルクロス引きでは、生じたシワや摩擦力のせいでテーブルクロスとその上のリンゴや食器が一緒に動いてしまいました。
実験01~52はこちら※NHKのサイトを離れます。)

摩擦は接した物と物の間に働き、くっつくようにして動きにくくします。素材や表面の様子によって摩擦力は変わりますが、接し方によっても変わり、密着していると強くなります。今回の大実験では、ロープとパイプの接し方の違いで摩擦力が変わることを利用しています。パイプが斜めになるとロープがパイプに押しつけられる力が大きくなって密着します。すると摩擦力は大きくなり、滑りにくくなります。パイプが縦になると、ロープはパイプに密着せずにスルスルと中を動いていきます。

とはいえ、摩擦はまだわからないことだらけ。今回の実験には、滑りにくい(摩擦力の大きい)ロープが必要でした。実験レンジャーたちが専門家に相談したところ、一般には天然素材の方が摩擦力は大きいけれど実際にどのくらいになるのかは、「やってみなくちゃ、わからない」と言われたとか。

もちろん実験レンジャーはいろいろ試しました。左右に引っ張るタイミングが重要ということも試しているうちにわかったようです。大実験ではそのタイミングを伝えるため、実験レンジャーが旗で合図をしています。

撮影の本番では、6回挑戦しました。しかし最後の1回以外はロープが滑ってしまい、なかなか上げることができません。実は撮影の一週間前、組みあげたばかりの装置で予備実験を行っていました。そのときは左右3人でロープを引っ張り、わずか数㎝ですが上げることができたのだとか。本番と何が違ったのでしょう?

本番では安全を考え、厚いマットを敷きました。すると、パイプの下から出るロープがカメラに写りにくくなったので、滑車の位置を少し動かしました。このときにパイプとロープの角度も変わっていたのです。

滑車の位置を元に戻したら見事に実験成功!予備実験を行っていたからこそ、違いに気づくことができたのです。
もし、試していなかったら? やはり、やってみることが大事ですね!
(日本科学未来館・詫摩雅子)