永久メイ「名門・マリインスキー・バレエの日々」

ざっくり言うと
2018/12/03 NHKジャーナル「ジャーナル特集」名門マリインスキー・バレエの新星 永久メイさん
ロシアではバレエ漬けの毎日
舞台監督「メイは内側に光るものを持つ、輝かしい未来のあるダンサー」

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2018/12/03

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2018年12月3日(月)放送より

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アンナ・パヴロワやニジンスキー、バランシン、ヌレエフなどバレエの歴史に名を刻む人材を多数輩出してきたロシアの名門マリインスキー・バレエ。そのバレエ団で日本人初のセカンド・ソリストとして活躍中なのが永久メイさんです。大注目のバレエダンサーに、来日公演初日の舞台直後にお話を伺いました!

<永久メイ>
3歳でバレエを始め、13歳でモンテカルロのプリンセス・グレース・アカデミーに留学。去年卒業した後、マリインスキー・バレエに加入した。今年4月に『くるみ割り人形』で、日本人として初めてマリインスキーでの主役デビューを飾る。6月にセカンド・ソリストに昇格。

――プロとして日本での初舞台、感想はいかがですか?

永久さん: 緊張しました。やっぱり初めて日本でマリインスキーのバレエ団員として踊るということで、日本の方々から色々応援メッセージとかも来るようになってすごく嬉しいんですけど、ちょっと「頑張らないと」というか、もっとロシアにいる時よりは緊張しちゃいました。

――「マリインスキーに来ないか」という話を聞いたときはどんな思いでしたか?

永久さん: びっくりというか、もうたぶん母が一番びっくりしていたんじゃないかって思います、今考えると。いやー、ロシアですし、寒いですし、ロシア人しか入れないっていう。ここ1、2年で監督が外国のダンサーを海外からも招待するようになったんですけど、もう全然そんなイメージがなくて、本当にロシアバレエで統一された、全員がロシアンスタイルっていう印象はありました。
入団する前に初めてマリインスキーの舞台を見た時に、うわ! って。1人1人のオーラが違いすぎて、「これがロシアのバレエか」っていうのは感じました。
体型も手足の長さも違うし、なんかもう見たこともないようなモデルのような人たちが踊っていて、みんなそろっていて、それを見てちょっと「ワー!」って感じましたね。

――今年ソリストとして正式入団されたわけですけれども、それを聞いた時のお気持ちは?

永久さん: 秘書の方に呼ばれて、「メイ、マリインスキーのウェブサイト見てみな」って言われたので見てみたら、自分の顔写真と名前がセカンド・ソリストのところにあって、びっくりして嬉しすぎて泣いてしまいました。更衣室に戻ってお母さんに電話して、すぐにウェブサイト見てみてって言って。びっくりでしたね。

――実際に入られてみていかがでしたか?

永久さん: ロシア人は冷たくて何もわかろうとしてくれないんだってイメージがあったんですけど、本当にみんな温かくて、というか真面目で、一匹狼というか、自分のしないといけないことや目標がはっきりしている人たちなので、誰かのことを恨んだりとかケンカとかも全然なくて。
それこそパフォーマンスの前だったら「頑張ってね」と言ってくれたり。そういうことも想像してなかったので、入る前は。だからすごくみんな温かいなって感じました。

――「役をめぐるライバル関係」みたいな感じではないんですね?

永久さん: そうですね、私は全然それは感じなかったんですけど。
私ももうそんなことなんか気にしていたら自分のことに集中できないというのはあって、別に人が何を言おうと自分のことを頑張ろうってずっとやっているので、もしかしたらあるのかなぁ…分からないですけど、でもすごくみんな優しいですね。

――歴史と伝統がある、世界最高峰のマリインスキーで日本人として初めて主役も踊られて。

永久さん: すごく特別な思い出というか、『くるみ割り人形』ってロシアで初演されたし、初めての主役っていうことで普段よりはもっと練習できたし、本当に夢のような夜でした。
全幕となると一幕から三幕までずっと出られてストーリーをもっと感じることができるし、もっと役に入り込めるし、思い出しただけでも、なんて言ったらいいんでしょう、言葉に表せないような、そんな感覚になりました。本当に楽しかったです。

『くるみ割り人形』より

『くるみ割り人形』より

――ロシアで生活して大変なことって何ですか?

永久さん: 練習期間が少ないっていうことがやっぱり大変で。今年の10月に初めて『シルフィード』っていう演目で主役を踊らせてもらったんですけど、それも2週間ちょっと前に知らされて、自分が踊るって知らなくって、エーってなりましたね。それはもうびっくりというか、さすがに練習期間が少なすぎて、すごく焦りました。
日本に来る直前まで他の全然違った公演があって、毎日の演目も違って、本当に毎日あるんですよ、劇場で。月曜日だけがお休みなんですけども、月曜日以外はずっと違う演目があって、それの準備が大変で。
休みの日もレッスンしに行ったりするんですけど、公演の後とかすごく疲れちゃうのでずっと家にいたり、劇場と家がすごく近くて本当に道を挟んで家、っていう感じなので、全然街は見られてないですね、まだサンクトペテルブルグの。まあ時々ショッピングモールに行ったりするんですけど、でもそれは本当に必要なときだけですね。

――ロシア語はいかがですか?

永久さん: ロシア語はもう…町に出ると何も分からないというか。ちょっとは勉強というか一応見てはいたんですけど、ロシア語の本とか買って。でもやっぱり違って、もう全くわからないし。
レッスンとかクラスの最中は使う用語は全部フランス語でそんなに変わりはしないので、まあバレエをしてる時は大丈夫。私の先生も英語がわかるので、半分英語、半分ロシア語でリハーサルをしてくれて助かったんですけど、今でも苦労はしています。

――ご自分が目指すバレリーナ像や将来の夢はなんでしょう?

永久さん: やっぱりバレエが好きで、この仕事ができてるっていうことに感謝というか、すごく嬉しくて。だから「私がすごくバレエが好き」っていうのをみんなにもわかっていただけたらな、踊りを通じて人の記憶に残るというか。
私もすごいバレエダンサーとか素敵な公演を見た後は、自分が空っぽになって、本当によかったなっていう余韻ですごく感動するんですよ。それを感じていただけたらなと思います。そんな公演をできるダンサーにはなりたいですね。

『ロミオとジュリエット』より

『海賊』より

■永久さんをマリインスキー・バレエにスカウトした舞踊監督のユーリ・ファテーエフさんが語る「永久メイの魅力」

「メイはとても才能がある。バレエ向きの完璧な身体、長い手足、長い首、さらに内面にも特別な光るものを持っていて、感情豊かな踊りができるダンサーなんだ。輝かしい未来が待っていると思うよ。」

『眠れる森の美女』より

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2018年12月3日(月)放送より

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