虫はやってはいけないことを知っているのに、なぜ人間はやってはいけないことを教わってもやってしまうの?

質問者さやねさん

放送日2018年12月24日(月)

ざっくり言うと
とづかさやねさん(小学校2年生・静岡県)からの質問
昆虫の清水聡司先生が回答
いつやらないようになるのかはわからないけど希望を持っていきましょう

テーマ

昆虫 清水聡司先生

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2018年12月24日(月)放送より

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放送日時:2018年12月24日(月)午前8時38分ごろ~午前8時51分ごろ

石山キャスター:石山智恵キャスター
清水先生:清水聡司先生 (大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)
成島先生:成島悦雄先生 (日本動物園水族館協会 専務理事)
さやねさん:質問者


石山キャスター: では続いてのお友達です。こちらはですね、静岡県のお友達と電話がつながっています。おはようございます。
さやねさん: おはようございます。
石山キャスター: お名前と学年を教えてください。
さやねさん: とづかさやねです。2年生です。
石山キャスター: はい、小学2年生のとづかさやねさんですね。
さやねさん: はい。
石山キャスター: どんな質問ですか。
さやねさん: ジガバチのオスが、メスが巣から出てくるのを待っていたり、テントウムシの色を見て毒があるから食べないようにしたり、アリヅカコウロギがアリと同じ匂いで襲われないようにしたり、虫は教えてもらわなくてもいろいろ知っているのに、なんで人間は海にゴミを捨てないとか、木を切り過ぎたらいけないとか教えてもらっても覚えられないんですか? どのくらい長い時間だったら人間はやっちゃダメなことをやらないように進化できますか?
石山キャスター: うわぁ~。そうですか~、難しい。でも大事な質問をしてくれました。虫は教えてもらわなくてもやってはいけないことっていうのを知っているのに、どうして人間はやっちゃダメってことを教わってもやってしまうのか。また、それをやらなくなるにはどれぐらいの時間が経てばいいんですかということですね。
さやねさん: はい。
石山キャスター: さやねさん、これはどうしてこういう質問を思いついたの?
さやねさん: テレビで見て不思議だと思ったからです。
石山キャスター: そっかぁ、海にゴミが捨てられてるとかね、ニュースで見たりするものね。
さやねさん: はい。
石山キャスター: 分かりました。それでは昆虫の清水先生に、聞いてみましょう。清水先生。
清水先生: はい。
さやねさん: お願いいたします。
清水先生: さやねちゃん、おはようございます。
さやねさん: おはようございます。
清水先生: すごいこと考えたね。ねえ。
さやねさん: はい。
清水先生: そこまでね人間が進化できると、さやねちゃんはじゃあ進化できると思う?
さやねさん: はい。
清水先生: おお。
さやねさん: 思います。
清水先生: 前向きでいいなぁ。先に答え言っちゃうとね、分かんないです。本当に分かんないんで、けどそれはね、人の可能性に賭けるしかないと思います。で、まずね、その虫の、おじさんのところに話が来たんでね、じゃあ虫の話をしたいんだけれども。じゃあ、まずさやねちゃんは、なにを持って、悪、悪いことっていうふうに考える?
さやねさん: 命にかかわること?
清水先生: そうだね。命にかかわることを教えてもらわなくてもきっちりできる昆虫はすごいのに、人は環境を汚して自分たちの命を、人類のこれから先を危うくしているってそういうふうに考えたのかな?
さやねさん: はい。
清水先生: まあちょっとね、虫の話からバーッとやっていきたいんだけどね。例えば命に関わることで言うと、まず、人っていうのはいろいろ考えて行動するよね。
さやねさん: はい。
清水先生: で、生まれ育ちながらいろんな行動を勉強して新しいことを覚えていく。昆虫というのも学習はするけれども、基本的には生きていかなければいけない最低情報っていうのは、もう体の中にインプットされてるのね。持って生まれてるの。
さやねさん: へぇ~。
清水先生: だって虫って自分で生まれて、自分で生活、食べ物を獲って自分で結婚相手を探して次につなげなきゃいけないでしょう。
さやねさん: はい。
清水先生: 誰も面倒見てくれないんで、そういうね、自分たちで生き残っていかなきゃいけない、進化していかなきゃいけないの。まあ人がそれを見て悪いことかどうかっていう判断するっていうのは人の感情が入ってくるんだけれども。例えば、虫の中でもコロニー同士、アリさん同士、同じアリのコロニーってわかるかな? 集団がお隣同士にいたときに仲よくしているかっていうと、お隣のアリが紛れ込むとケンカします。
さやねさん: へぇ~。
清水先生: うん、それからね、サムライアリっていうアリ、知ってる?
さやねさん: はい。
清水先生: クロヤマアリの巣へ行って、幼虫とか、サナギとか持ってきちゃいます。奴隷(どれい)狩りっていうんだけれどもね、自分たちのために働かせる、そういう奴隷に、自分たちのいいように使う、そういうために幼虫なんかを奪ってきちゃいます。そういうのもいます。あとはね、アリばっかりでちょっと申し訳ないけれどもね、トゲアリの女王は、クロオオアリの巣を乗っ取ります。
さやねさん: えぇ~。
清水先生: で、そこからクロオオアリにお世話してもらいながら自分の子どもを産んでトゲアリの巣に作り変えちゃう。
さやねさん: へぇ…。
清水先生: あとはね、例えばね、スズメバチなんかでもね、アシナガバチを専門に狩るようなヒメスズメバチみたいなハチもいますし。その狩られた方は殺されちゃうわけよ。
さやねさん: はい。
清水先生: けどそれはね、自分たちが生き残るために、ね、生きるためだけに必死でやっているの。
さやねさん: へぇ~。
清水先生: けどね、殺すっていうことは悪いことかもしれないけれども、けどそうやって自分たちも生き残るし、自分たちもあるときには狩られる側になる。そうやってね、お互いに食べられたり食べたり、そういう関係をずっと築いている。それで地球が成り立ってるのね。
でね、人間が悪いことしちゃうよね、ゴミを捨てたりとか、人のもの取ったりとか、そういうことしちゃう、悪いことするっていうのはすごく目に付くんだよね。で、それはなにをもって悪いことっていうか、例えば、一生懸命生きているっていうよりかは楽をしよう。自分の楽しみのために人を困らせてやろう。それはどう? 悪いことだよね?命にはかかわらないっていうかね。
さやねさん: 必死にならないの?
清水先生: うん、そうそうそうそう、うん。必死に生きてるわけじゃないのになにか他の者に対して迷惑をかけるようなことっていうのは、じゃあそれは悪いことと判断していいのかなっておじさんは思うのね。
さやねさん: はい。
清水先生: うん。人間てさ、すごく頭も進化して、いろんな文化も持って、文化を持つことでどんどんどんどん自分たち以上の力を持っちゃってるわけね。
さやねさん: へぇ~。
清水先生: そうするとただ単に自分たちが生き残るだけじゃなくて、もっともっとね、今日ちょっと極端なこと言っちゃうと、自然をばっさり壊しちゃうとかね、そういう自分たちにいずれ帰ってくるであろう可能性のある悪いことっていうか、しちゃうわけよね。さやねちゃんがさっき言うてくれたさ、海にゴミを捨てたりとかね。あれも自然のものであれば、例えば、木切れを海にたまたま落っことしちゃった。ハチさんが自分の巣をそのまま置いたままで、その巣は絶えて女王だけが冬越しに入っちゃった。それはその自然でできたものはすぐにまた自然に帰ることができる。けれど海に捨てたビニールなんていうのは人間が自然を科学的に作り変えたものなので、自然に戻りにくいっていうのは聞いたことあるかな? それはちょっと分かんないかな? 元々あったものじゃないものを人間が化学・文化を積み重ねた結果大きな力を持ったので、その結果作り出したもの。それを自然にまたばらまいちゃうことで、自然に迷惑をかけている。それがね、さやねちゃんの言う悪いことかなって思ったんだけども。
さやねさん: はい。
清水先生: さやねちゃんみたいにそう言ってくれる子が、どんどん増えればね、そういうことが少しずつでも減っていくと思うの。
さやねさん: はい。
清水先生: ねっ、だからね、一人ずつがそんな意識を持ってもらったらいいと思います。それが自分たちのため、虫たちのため、魚たちのため、自然のためであり、自分たちのためかなと思うので。ただそれ、いつ丸く収まるのかな、やらないようになるのかなっていうのは分かんないけれども、希望を持っていきましょう。ということで、おじさん、まとめさせてもらっていいかな?
石山キャスター: さやねさん、いかがですか? 今日はね、スタジオに人生経験がたっぷりある先生方がたくさんいらっしゃるので、いま成島先生も隣でじっくり聴いてくださってましたが、なにか一言さやねさんにありますか?
成島先生: すごい質問を考えたって、もうおじさんびっくりしました。虫さんたちは生まれる前からそういうことが本能として、悪いことをやっちゃいけないってことをね、あるいは、これを食べちゃうと毒だよってことが頭の中にすでに埋め込まれているんだと思うんですね。ただ人間の場合は、長い時間かけていろんなことを勉強していってね、それがほんとにいいことなのか悪いことなのかってことを自分で考える力を持ってるわけです。事前に頭の中に作られているのではなくて、自分たちが生きていく中でいろんなことを勉強して、これはいいことだなこれは悪いことだなってことを勉強していくっていうそういう生き物なんだよね。だから、さやねちゃんもこれからたくさんいろんなことを勉強してね、どういうことが良いことなのか悪いことなのかっていうのを自分で考えて、それで、こうすれば人間はちゃんとやっていけるよねってなるようなことをみんなと相談しながらね、生きていけばきっとすばらしいこれからの世界が広がってくると思うんだけど。
石山キャスター: 分かりましたか?
さやねさん: はい。
石山キャスター: はい、ありがとう。元気なお返事。今日は質問してくれてありがとうね。
さやねさん: はい。
石山キャスター: はい、さようなら。
さやねさん: ありがとうございました。
清水先生: さよなら。
成島先生: さよなら。
さやねさん: さよなら。
石山キャスター: ありがとうございました、さようなら。

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2018年12月24日(月)放送より

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