陣内智則が語る、尾崎豊「僕が僕であるために」に揺さぶられた瞬間

ざっくり言うと
当時のファンにとっても尾崎豊は伝説的な存在だった!?
普遍的に響く言葉を10代のときに作り出していた驚異の才能
2020/01/26 うたことば 尾崎豊 「熱量うたことば」

音楽

2020/01/26

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2020年1月26日(日)放送より

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2020年1月26日(日)放送より

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不世出の伝説的シンガー・尾崎豊を特集した<うたことば>。ゲストの陣内智則さんは、お笑いの道へ進む決意をしたとき、尾崎豊に背中を押されたそうです。小学生のころから大ファンの陣内さんは、1度だけ体験したライブなどの思い出もたっぷり。止まることのない熱い思いのせいで、思わず放送からはみ出てしまう場面も!?

【出演者】

向井さん:向井慧さん(お笑いトリオ「パンサー」)
高橋さん:高橋久美子さん(作家、作詞家)
陣内さん:陣内智則さん(お笑い芸人)


向井さん: 尾崎豊の<うたことば>、引き続き生放送でお送りしていきますが、ついにこの方がスタジオに到着しました!
陣内さん: 陣内智則です。お願いします。
向井さん: お願いします。
陣内さん: いやあ、うれしいわあ。尾崎豊のことを昼間から話せるなんて。
高橋さん: 昼間から話してください!
陣内さん: 尾崎豊を話すのは普通、夜ですよ。
向井さん: 確かに、気分的には。
陣内さん: お酒も飲まずに尾崎を語れるって、こんな幸せなことはないね。
向井さん: 陣内さんがそれぐらい尾崎豊さんのことを好きというのも、あまり僕ら後輩は…。
陣内さん: 本当? 結構言ってるよ。「なんで吉本(興業)に入られたんですか?」「なんでお笑い芸人されたんですか?」というのに、よう答えてるのは…中学のときにダウンタウンさんを見たのよ。大阪で『4時ですよ~だ』を見て、ダウンタウンのすごさを見て。
と同時に、小学校高学年ぐらいに尾崎豊という人に、兄貴の影響で出会うのよ。「尾崎豊って、すごいな」って。テングとかカッパとか、そういう想像上の生き物、空想の生き物やと思ってた。
高橋さん: 当時からそんな感じやったんですか?
陣内さん: そうでしたね。「尾崎豊、何してんねや?」って毎日考えるような子やったの。
高橋さん: そんなに好きだった?
陣内さん: そこでダウンタウンに出会って、「おもろいな、ダウンタウン。でも、尾崎豊にも俺は会いたいしな…」。
とんねるずさんのラジオで(石橋)貴明さんが「この間、尾崎と遊んでね…」みたいな話をしてたのよ。子どもながらに、「尾崎豊って、芸人さんと会ったりすんねや」と、つながらんかったところがつながった。俺もお笑い好きやったから、「芸人で売れたら、尾崎豊に会えるかもしれない」と。
高橋さん: うわあ。そこから芸人さんを?
陣内さん: お笑いも好きやったし、尾崎豊に会いたかった。
向井さん: そんな感じだったんですか。お笑いに行くのか、ミュージシャンに行くのか、という選択はなかった?
陣内さん: それはない。それは自分で分かるやん。歌は絶対ダメやとか、俳優なんてできないとか。でも、お笑いは好きやったから。できるとは思ってないけど、関西で見てたから。
ダウンタウンもずっとかっこよかった。お笑いやりたいけど、「尾崎豊にも会えるかもしれへん」って。
高橋さん: どういうところに引かれてたんですか?
陣内さん: 兄貴が6歳上なんですよ。僕が小6ぐらいのときにカセットテープで…それこそ「15の夜」やったのかな。聴いたときに、戦慄が走った。
向井さん: メールでも皆さん、初めて聴いたときに「何だこれ?」って。
陣内さん: 歌ってないのよ。叫んでるのよ。「何この叫んでる人? ずっと叫んでるやん、この人!」みたいな。
で、まだ12歳やから、「15の夜」に憧れを。「15って、こんな世界なんだ…『盗んだバイクで走り出す』んや…」とか。
向井さん: 歌の世界観ですよね。
陣内さん: 自由を求め続けた』とか、そういうのに憧れた。ずっと中学時代も尾崎を聴いてたの。
向井さん: さっきチラッとおっしゃってましたけど、ライブにも行かれてるんですよね。
陣内さん: そうです。俺が17歳ぐらいのときに、大阪城ホールで尾崎豊のライブがあって。
向井さん: ナマで見てるって、僕ら世代からしたら「すげえ」って感じなんですよ。
陣内さん: 俺もナマで見たのは最初で最後よ。その1回だけ。
高橋さん: どんな?
陣内さん: 「ほんまにおるんか?」って言うてたの。ツレと2人で大阪城へ向かう間、「尾崎って、ほんまにおんのか?」「絶対おらへん」って言いながら、大阪城ホールに行って。
もちろん満員ですよ。高校生やから悪い席やし、2階の端っこのほうでしか見れなかったけど…何かもう、ボーッとしてたね。
向井さん: 現実感がない感じなんですか?
陣内さん: 「ああ…尾崎豊って、いるんだ…」って。ほんまに「あ、テングだ…」「竜だ…」「カッパだ…」みたいな。「歌ってる…」みたいな。
覚えてるのは…「Scrambling Rock'n'Roll」という曲があってね。「『スクランブリング・ロックンロール』って4回叫んでくれ」って尾崎が言うのよ。
「1つは愛する人のために、2つ目は家族のために。3つ目は今一番大切な人のために。4つ目は家族のために」
「家族」を2回言うの。それ、今も覚えてんねん。「『家族』、今2回言うたで」って。
高橋さん: おちゃめですね。
陣内さん: ただ間違ってるんですよ。たまたま尾崎が間違ってんねん。「4個」言うたのに2個かぶっててん。
高橋さん: 誰もつっこまないんですね。
陣内さん: つっこまない。尾崎フリークやから「うわあー!」って言うたけど、「こんなとこもあんねや、尾崎」って。
向井さん: もしかしたら「天然」っぽいところもあったのかも。『尾崎豊を探して』という映画にも、おちゃめなところが出てきたりするんですよ。
陣内さん: ビデオとか見てると、おちゃめなところがあるよね。
向井さん: そういう部分もギャップがあってグッと引き込まれる。
高橋さん: 女性の方とかは、そういうギャップにもえる。お客さんには「キャー!」という声も多かったですか?
陣内さん: 「キャー!」も多いけど、男も多かったですね。
高橋さん: 男女両方にもてるって、すごいことですね。
陣内さん: 僕もその1人でしたから。顔も好きやったし、声も好きやし。
尾崎豊という人は…遠くで見たことしかないから、「もし今生きてはったら、俺、会えてたんかな?」と。今、こういう世界でやってて。
向井さん: 生きていらっしゃったら54~55歳くらいの方ですから、可能性はありますよね。
陣内さん: 「会いたかったよなあ」と思って。26(歳)で亡くなってるねんで? 向井、今いくつ?
向井さん: 今、僕34歳です。
陣内さん: そやろ? 26で、あの作品を残して、カリスマと呼ばれて。すごいよなあ。
向井さん: 早速なんですけど、陣内さんに1曲選んでたっぷり語っていただきます。
陣内さん: いっぱいあったのよ。いっぱいあったけど、「あえてこれにしようかな」と思いました。
向井さん: なるほど。まずコーナータイトルを陣内さんに。
陣内さん: 僕がですか? 行きます。「熱量うたことば」!
向井さん: 1曲、難しいと思うんですよ。
陣内さん: 難しいし…でも、「やっぱりこれかな」という。
向井さん: 選んでいただいたのはこの曲です。「僕が僕であるために」。

陣内さん:
こんなシンプルで、いろんな感情を動かされた歌はないね。
さっき「Forget-me-not」も流れたやんか。もちろんあれも好きですけど、やっぱり尾崎のシンプルな『僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない』とかは、ずっとあるよね。「芸人としても、この気持ちをずっと持っとかなあかんな」って。

高橋さん:
生きてるんですね。

向井さん:
こちら、1983年のファースト・アルバム『十七歳の地図』にすでに入ってるんですよ。

陣内さん:
ファースト・アルバムでこれを作ってるんですよ。マジで、この人はどんな才能してたんでしょうね?

高橋さん:
10代で作られてるってことですよね。

陣内さん:
「I LOVE YOU」とかも10代で作ってますよね。

向井さん: われわれがお笑いを志して10代で作ったネタなんて、こんなに残らないですよ。
陣内さん: ひどいもんよ。俺もこの間自分のネタ帳を見たけど、ルーズソックスが流行してたとき「ルーズ眼鏡」って書いてあったもんな。何やそれ。「ルーズソックスみたいなルーズな眼鏡をかける」みたいな一口メモをネタ帳に残してる。情けなかったわ。
向井さん: そんなもんじゃないですか。
陣内さん: そんなもんよ。
あと…僕は15歳ぐらいのときに聴いたのかな。中学生で、当時好きやった女の子がおったんです。告白できずにいたら、その子から告白してくれたのよ。「陣内のこと好きや」って。
高校受験があった。俺は頭よくなくて、「この高校に行く」って言ったら、その子はすごく頭いい子やけど、「私は陣内に合わしてその高校に行く」って言って来てくれたのよ。
向井さん: ええっ?
陣内さん: 高1のとき、俺は好きすぎて…当時はピュアやったから。
向井さん: 「当時は」とか大丈夫ですか?(笑) 「今もピュア」で大丈夫ですよ。
陣内さん: 話もできない。付き合ってるけど、手もつなげないし話もできないぐらいのときに、振られたんですよ。7月に「別れてほしい」って。
向井さん: 入って3か月ぐらいですか?
陣内さん: 「私はもっとグイグイ来てほしかった。陣内と一緒に楽しい高校生活を過ごしたかった」って。俺は初めて失恋で泣いて。
そのときに、この「僕が僕であるために」の2番目の、
別れ際にもう一度 君に確かめておきたいよ
 こんなに愛していた
 誰がいけないとゆう訳でもないけど
 人は皆わがままだ
 慣れあいの様に暮しても 君を傷つけてばかりさ
 こんなに君を好きだけど 明日さえ教えてやれないから

っていうのが…。
向井さん: そんな気持ちだったんですね!
陣内さん: これやったのよ。「こんなに好きやのに」って。
高橋さん: 大人っぽい気持ち。
陣内さん: これを何回も聴いた。聴いて家で号泣してたね。「これが恋愛か!」って。
向井さん: 高校を好きな人のために変えるって、大きな決断ですもんね。
陣内さん: でも、何もできなくて、しゃべれなくて。その子も尾崎豊が好きやったのよ。共通で尾崎豊を聴いたりしてたから、2番の歌詞が今でもあるよね。
これをあの人は10代で言うてたんかな。『君が君であるために勝ち続けなきゃならない』とか。
向井さん: これは今のわれわれにも通ずるというか…。
高橋さん: 大人になっても生きていくうえで、ということなのか。いろんなことに戦いながら。
陣内さん: この目に映る この街で僕はずっと 生きてゆかなければ』も、芸人の世界でいうたら「この世界で生きていかな…!」みたいな。
向井さん: それぐらいの覚悟がないと。
陣内さん: 覚悟がいるし、「勝ち続けなきゃ消えちゃう」というのもあるやんか。そこも全部込みで、今の芸人の人生も込みで入ってるな。
向井さん: 陣内さんに曲紹介していただいてもよろしいでしょうか。
陣内さん: いいですか。分かりました。では、僕の選んだ「熱量うたことば」は、「僕が僕であるために」です。どうぞ。

(曲が流れて…)

陣内さん: …尾崎豊って…「豊」って字は、1個1個取ったらかっこよくないやん…。
向井さん: はい。…陣内さん、もう放送に入ってますからね。
陣内さん: 入ってんの?
高橋さん: 入ってますよ。
陣内さん: 言うてよ。危ない! 入ってんのかいな。
向井さん: 「尾崎豊」という字がかっこいい、という話ですから大丈夫です。
陣内さん: よかった。びっくりした。入ってんの?
向井さん: 今入りました。いや、すごいですね。
陣内さん: いやあ、話したいこと、いっぱいあるわ。
向井さん: ツイッター上で、
「陣内さんの曲紹介
 魂が込めらて居(い)る。
 素晴(すば)らしい。」

聞いてる方にも熱量が伝わってます。
陣内さん: 本当ですか。ありがとうございます。

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