治らない鼻づまり。もしかしたら副鼻腔炎かも

ざっくり言うと
鼻とのつながりが塞がれて副鼻腔内が炎症を起こす。服薬と手術で改善可能
通常の鼻づまりには、蒸しタオルで鼻を温めたり上半身を30度上げて寝ると和らぐ
2020/03/18 NHKジャーナル 医療健康 「治らない鼻水・鼻づまりは副鼻腔炎の可能性も」ゲスト:野中学さん(東京女子医科大学耳鼻咽喉科学講座 教授・講座主任)

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2020/03/18

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2020年3月18日(水)放送より

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花粉症などアレルギー性鼻炎発症者の約4割の人が、副鼻腔炎を併発しているというデータが日本アレルギー学会から発表されています。野中学教授に、最新の花粉症の治療法と慢性副鼻腔炎の治療法、鼻づまりの解消法を教えていただきました。

【出演者】
野中さん:野中学さん(東京女子医科大学耳鼻咽喉科学講座 教授・講座主任)
森田デスク:森田智之ニュースデスク
吉田キャスター:吉田浩キャスター
菅野キャスター:菅野真美恵キャスター


野中学さん

森田デスク: 今、まさに花粉症の季節ですが、今年の花粉症の傾向はありますか。
野中さん: スギ花粉の飛び始める時期が少し早めでした。飛散量は関東地方から西は少なめで、北は例年並みか多めのようです。一般的に花粉の量と症状の強さは関連しますので、北海道と東北北部以外、飛散量が少ない今年は、症状も軽く済む人が多いと思います。
吉田キャスター: 花粉症の治療について、最新情報がありましたら教えていただけますか。
野中さん: 薬物の治療が一般的で、花粉症の症状を起こすヒスタミンという物質を抑える抗ヒスタミン薬が有効です。以前から、血管の拡張や白血球を活性化させることでアレルギーの鼻づまりにも関与する物質が知られ、それを抑えることのできる抗ヒスタミン薬も登場しています。
また、昨年(2019年)12月に、新しい治療法が承認されました。重症の花粉症患者に対するものです。花粉症の症状が出る前には、アレルギーの原因となる物質に対し、抗体が作られます。症状を起こすには、この抗体がアレルギーを引き起こす細胞にくっつくことが必要ですが、この抗体をブロックし、くっつけなくすることで効果を発揮する、皮下注射の治療法です。
菅野キャスター: 花粉症予防にマスクは必需品ですが、世間ではマスク不足の状態です。マスクがないときはどうしたらよいですか。
野中さん: 花粉症の対策にはセルフケアが大切です。その1つがマスクの着用ですが、マスク不足の現在、ガーゼと細い輪ゴムを使ってマスクを作ってみてはいかがでしょうか。鼻と口を覆うほどのガーゼを何枚か重ね合わせ、両端にゴムを通しホチキスで止める程度で大丈夫です。花粉なら、ある程度有効です。
マスク以外にも専用のメガネの着用をはじめ、洗濯物は外に干さない、窓を開けないといった、基本的なケアも大切です。
森田デスク: 花粉症でなくても鼻づまりは起きますが、どういうことが考えられますか。
野中さん: 花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、鼻づまりのもう1つの大きな原因が副鼻腔炎です。副鼻腔炎の方で花粉症もある方は、花粉症の季節になりますと、副鼻腔炎の鼻づまりがさらに悪化することがあります。
吉田キャスター: 花粉症が副鼻腔炎を悪化させるということですが、副鼻腔とは、どの位置にあるのでしょうか。また副鼻腔炎とはどのような病気なのでしょうか。
野中さん: 副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)とは、鼻のまわりや奥にある空洞を言います。

鼻と副鼻腔は小さい穴で交通していますが、風邪などのウイルスによって鼻に炎症を起こすと、その小さい穴が閉鎖してしまいます。副鼻腔は密閉され、換気されなくなり、副鼻腔内で細菌が増殖して炎症を起こします。その結果、鼻水や鼻づまりが増し、頭痛も起きてきます。
このような状態が1か月以内に治るものを急性副鼻腔炎と呼び、3か月経っても治らないものを慢性副鼻腔炎と呼びます。慢性副鼻腔炎では、鼻腔に鼻茸(はなたけ)というポリープができて、鼻づまりを悪化させます。大きさは1~3センチ程度で、臭いが分からなくなることもあります。
また慢性副鼻腔炎には、昔から知られている蓄膿(ちくのう)症と、最近特に増えているアレルギー性の好酸球性副鼻腔炎の2つがあります。好酸球性副鼻腔炎は花粉症のシーズンに悪化することがあります。
菅野キャスター: 慢性副鼻腔炎の治療法はどのようなものがありますか。
野中さん: 1つは薬物治療で、蓄膿症には抗生物質を使います。副鼻腔の炎症、特に鼻水を抑えるのに有効です。好酸球性副鼻腔炎には、アレルギーの炎症を抑えるのに効果的なステロイド薬を用います。鼻茸が小さくなることもあり、鼻づまりの解消が期待できます。
もう1つは、内視鏡を用いた手術による鼻茸の切除です。同時に鼻腔と副鼻腔を広く開通させ、膿や腫れた粘膜を除去することで症状はかなり改善されます。好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいので、手術後も薬物治療を続ける必要があります。
森田デスク: 副鼻腔炎の予防法はありますか。
野中さん: 大切なことは、鼻の中の状態を悪くしておかないこと。風邪を引いたときに鼻づまりの状態にしておかないことです。つまった鼻にはウイルスや細菌などが潜んでいます。良くかんで、鼻水を出すように心がけましょう。
吉田キャスター: 副鼻腔炎でなくとも鼻づまりはわずらわしいものですが、簡単な解消法はありますか。
野中さん: 風邪や花粉症の鼻づまりの対策としては、まず鼻の中を温めて湿度を上げることです。蒸しタオルなどで鼻を温めればウイルスが活動しにくくなりますし、花粉症の症状を起こすヒスタミンという物質も出にくくなります。また鼻づまりは姿勢と関係します。寝ているよりも起きているほうが鼻の血流量が減るので、鼻づまりは楽になります。寝るときには、枕などを重ねて、できれば上半身を約30度上げた状態にすることをお勧めします。

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2020年3月18日(水)放送より

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