作ろう! かかりつけ薬剤師・薬局

ざっくり言うと
東京理科大学薬学部教授 上村直樹さん
かかりつけ薬剤師・薬局を作って、薬の管理を
2020/05/29 マイあさ! 健康ライフ「新型コロナ対策、知っておきたい! 薬の話⑤」

くらし・健康

2020/05/29

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2020年5月29日(金)放送より

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――「かかりつけ医」という言葉は聞いたことがありますが、「かかりつけ薬剤師・薬局」とは。

上村さん: 「かかりつけ薬剤師・薬局」の制度は2015年ぐらいから厚生労働省が推奨して制度化しているものなんです。
今回の新型コロナウイルス感染症の流行による外出制限のために、いつものんでいる薬が手に入りづらい、なくなってきたという方も多いですよね。その代わりに市販薬を手に入れようとして薬局やドラッグストアに行っても、どれがいいのかよく分からない、なるべく短時間で済ませたいと思っている方も多かったのではないでしょうか。「極限の状況下では、薬は非常に重要なのに手に入りづらい」ということが身にしみて分かったのではないでしょうか。
「かかりつけ薬剤師・薬局」を作っておくことで、薬が手に入らないようなことを避けられますし、ほかの薬に選択する場合にも薬剤師の助言が得られます。

――かかりつけ薬剤師・薬局はどのように作るのですか。

上村さん: 考え方は「かかりつけ医」と同じで簡単です。
今まで病院やクリニックに受診したとき、それぞれの門前にある薬局を利用していた方もいらっしゃると思うんです。それを家の近くの薬局に変えて、そこを「かかりつけ薬局」とすることです。さらにその薬局に勤務している複数の薬剤師から信頼できる方がいれば指名して「かかりつけ薬剤師」になってもらいます。

――薬剤師の指名ができるのですか。

上村さん: 信頼できる薬剤師がいれば、自分専用の薬剤師ということで指名することができます。のんでいる薬のことや今までの病気の経緯、アレルギー、その人なりの薬の工夫、たとえば「錠剤がのめないからつぶしている」など、全部分かってくれている薬剤師がいれば助かります。また、休日や夜間でも、薬ののみ方が分からなくなってしまったときなど、いつでも電話で相談に乗ってくれます。
今回の新型コロナウイルスの対応でも、いつものんでいる薬が分かっているので聞き取り項目も少なくて済みますし、家まで薬を届けてくれたりしますので、大変便利です。

――処方薬でなくて、たとえば市販の薬などもかかりつけ薬剤師には相談できるのでしょうか。

上村さん: はい。当然かかりつけ薬剤師に市販薬も選んでもらえます。

――上村さんは東日本大震災のときに、薬剤師として医療支援で宮城県石巻市に行かれたそうですね。

上村さん: 東日本大震災のときは大きな津波が来ましたよね。逃げるのは時間との勝負だったわけです。ですから、ほとんどの方は何も持たずに高台へ逃げ、薬を持って逃げる人はあまりいませんでした。「いつものんでいる薬がなくなってしまって手元にない」という方が避難所に多くいらっしゃったんです。
私はタブレットに薬の写真を入れたリストを持って行って、それで「あなたがのんでいた薬はどういうものですか」とやりながら薬剤を特定していった経験もございます。薬の形状を細かく聞き取って、薬剤を特定したり識別したりするのは大変なんです。
ですから、今回の新型コロナウイルスだけではなくて、災害時においても「かかりつけ薬剤師・薬局」を持っていれば、医療用の薬だけでなく市販薬についても安心して相談できるし、薬剤師も楽になります。

――災害のときにどう薬を手に入れるのか、普段から考えておかないといけませんね。

上村さん: 災害時には病院も被災している可能性がありますよね。そのようなときに役立つのが「お薬手帳」です。自分ののんでいる薬が記載されていますので、いつもの薬が分かるだけでなくて、けがをしたり手術が必要なときでも医師に見せることによって情報を共有し、安心安全な治療を受けられます。
また、最近ではスマホ版の「お薬手帳」も普及し始めています。これなら「お薬手帳」を持って行かなかったりなくしたりしても、クラウド機能があるのでどこからでも情報を取り出すことができます。

■マイあさ! 健康ライフ「新型コロナ対策、知っておきたい! 薬の話」シリーズ おわり

マイあさ! 健康ライフ「新型コロナ対策、知っておきたい! 薬の話④」

マイあさ! 健康ライフ「新型コロナ対策、知っておきたい! 薬の話①」

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2020年5月29日(金)放送より

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