急増している子宮体がん

ざっくり言うと
総合母子保健センター愛育病院院長 安達知子さん
異常な不正出血があったらすぐに婦人科・産婦人科を受診
2019/04/12 マイあさ! 健康ライフ「男性にも気にしてほしい 子宮の病気」

くらし・健康

2019/04/12

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2019年4月12日(金)放送より

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安達さん: 子宮の上3分の2を子宮の「体部」と呼びます。ここにできるがんを子宮体がんといいます。
原因は不明ですが、女性ホルモンの1つのエストロゲンの刺激が関係しているといわれています。それが原因で子宮体部の内側にある子宮内膜が異常に増殖してがんが発生します。がんは早期に発見して治療しなければ命に関わる場合があります。
子宮体がんは閉経前後から増加し、一番多いのは50歳代、次は60歳代です。この20年間で子宮体がんの患者さんはおよそ3倍に急増し、しかも30代や40代の人にも増えています。

どうして3倍に急増しているのでしょうか。

安達さん: これは結婚・妊娠年齢の上昇や妊娠回数の減少が影響しています。
妊娠すると胎盤から大量の黄体ホルモンという女性ホルモンがつくられ、エストロゲンの作用を抑えてくれます。妊娠しないことで子宮がエストロゲンにさらされる期間が長くなって子宮内膜が増殖しやすくなります。
また、月経不順がある人もエストロゲンにさらされる期間が長くなります。肥満の人、1度も妊娠していない人に起こりやすいともいわれています。

症状として痛みはあるのですか。

安達さん: 子宮体がんの初期はあまり症状がなく本人も気付かないことがほとんどですが、サインとなるのは月経以外に出血が起こる「不正出血」です。早い段階からおよそ90%の人に現れます。進行すると、悪臭のある褐色のおりものなども出ます。

がんかどうかを見分けるのは難しいですか。

安達さん: 難しいですが、一応子宮体がんのセルフチェックもできます。次のうち1つでも当てはまったら婦人科・産婦人科を受診してください。

・月経以外の時期に時々出血がある。
・月経が8日以上だらだら続く。これは月経と不正出血が連続して起こっています。
・閉経期に近づいているのに月経量が多い。これは月経と不正出血が同時に起こっています。
・閉経後に出血がある。これが一番大事ともいえます。

安達さん: 1つでも当てはまったら、放置せずに医療機関を受診してほしいです。

不正出血があればきちんと調べてもらうことが基本なのですね。

安達さん: 子宮体がん、「子宮内膜がん」と呼ばれますが、これは決して治りにくいがんではありません。がんが子宮にとどまっている範囲で治療すれば80%以上の方は治ることが期待されます。
閉経前後や閉経後の人が、不正出血を「更年期の症状だから問題ない、大丈夫」などと思い込んで受診の機会を逃すことがないようにしてほしいものです。

子宮体がんの治療はどうなりますか。

安達さん: 治療の主体は手術です。病気の進み具合にもよりますが、基本的には子宮・卵巣・卵管・リンパ節を摘出するのが一般的です。
がんが広がっている場合は、抗がん剤や放射線で治療します。

摘出される子宮・卵巣・卵管は女性にとって大切な臓器です。残すことはできないのでしょうか。

安達さん: 再発する可能性がありますので原則手術で取ります。女性ホルモンによって進行するので、若い方でも原則的に卵巣も取るんです。
妊娠・出産を希望される方には大量の黄体ホルモン剤を使って治療することも可能ですが、しかしこの治療の適用となる方はごく初期の子宮体がんで、しかも一部のタイプのものに限られています。また、ホルモン療法は血栓症などの副作用があること、再発率がかなり高いことを十分に知ったうえで、選択できるかどうかを判断することになります。

■「男性も気にしてほしい 子宮の病気」シリーズ おわり

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2019年4月12日(金)放送より

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