大予測! 「令和」時代の経済は?

ざっくり言うと
昭和:一億総中流社会 平成:一億総活躍社会 令和:????
広がり続ける格差社会は“自分の楽しみ”を見つけて生き抜く!
2019/04/03 「三宅民夫のマイあさ!」マイ!Biz 経済政策 金融 経済アナリスト 森永卓郎さん

くらし・健康

2019/04/03

放送を聴く
2019年4月3日(水)放送より

記事を読む

【出演者】
田中キャスター:田中孝宜キャスター
森永さん:森永卓郎さん(経済政策 金融 経済アナリスト)


田中キャスター: 『マイ!Biz』、水曜日は「経済展望」です。
新しい元号が今週月曜日『令和』と発表されました。今日は平成の経済を踏まえつつ、新しい令和の経済はどうなっていくのか経済アナリストの森永卓郎さんに伺います。森永さんおはようございます。
森永さん: おはようございます。
田中キャスター: 森永さんが『年収300万円時代を生き抜く経済学』この本を書かれたのが16年前、平成の半ばでしたね。
森永さん: そうなんです。当時は「そんなことが起こるはずがないじゃないか」と、森永は世間を脅して貧困ビジネスを展開してるんじゃないかと批判をされたんですけど今、税務統計で見ると日本で一番多い年収階層って300万から400万なんですね。それとほぼ同率で200万から300万が続いているということで、サラリーマンの年収は300万というのが、ど真ん中になったんですよ。
平成っていうのは、この格差がどんどん拡大する。正社員がリストラされて、非正社員になるっていう形で起こった。ここは私の予想通りに変化したんですけれど、平成の後半で起きた大きな変化を私は予想できてなかったんですね。
それはなにかっていうと、とてつもない富裕層が爆発的に増える現象が起きていて、フランスのコンサルティング会社『キャップジェミニ』というところがあるんですけれども、そこが「ワールドウェルスレポート」という世界富裕層報告を出しているんですが、このレポートの富裕層の定義っていうのは投資家の資産が、100万ドル以上、つまり1億1000万以上持ってる人。自宅とか車とか一切入らずに、投資に向けられるお金を持ってる人がどれだけ世界にいるかっていうレポートなんです。
もちろん世界一多いのはアメリカなんですけど、なんとですね世界第2位が日本なんですよ。中国より多いんですね。
田中キャスター: そうなんですか。
森永さん: ええ。実は316万2000人も超富裕層が日本にはいて、しかも前年比で昨年版で見ると9.4%も増えている。
つまり、超富裕層が爆発的に日本で増えていて、ものすごいお金を持っている。投資家の資産だけで800兆を超えるっていう、とんでもないことが起こっているんですね。
田中キャスター: 本当に生活者としてはまったく実感できないんですけども、それだけいるってことですね。
森永さん: この人たちは働いて稼いでるわけじゃないんですよ。例えば時給5000円という、かなり高い時給で年間2000時間働いたとしても1000万円にしかならない。億単位のお金を稼ごうと思ったら、働いてたら絶対稼げない。
税務統計で見ても、富裕層の所得元はほとんどが株式の譲渡益と不動産の譲渡益っていうお金を右から左に動かすことによって稼いでいるのが分かっていて、所得を独り占めする一方で庶民は実質賃金がどんどん下がってきているのが、現実に起こった事態なんですよね。
何でこんなことが起こったのかと言うと、平成の前と今では社会の価値観がガラッと変わったんだと思うんです。
昭和の時代は、大手企業の役員でも年収2000万とか3000万ぐらいしかなかった。それが今、上場企業の上の方だと億単位の年俸を取っているわけです。
その一方で、厚生労働省の考え方が昭和の時代は企業の経営が悪くなると政府が雇用調整助成金を出して、「なんとかリストラしないでください」というふうに雇用を守ってきたんですけど90年代からガラッと変わって、「クビにしたかったらしてください、政府は円滑な労働移動を支えますよ」と、政策が変わった。
それが良かったか悪かったかは人によって評価が違うんですけど、格差の拡大をもたらしたことは間違いないと思います。
田中キャスター: 昭和はですね一億総中流社会って言われましたし、平成は格差社会に向かってとおっしゃいましたけれども、新しくスタートした令和の経済、これからどうなると思われていますか。
森永さん: もっとすごい格差が起こってくると思っているんですね。今、第4の産業革命で、人工知能やロボットが既存の仕事を置き換えていくって言われているんですけど、野村総研のレポートだと今ある仕事の49%が人工知能やロボットに置き換えられる。一部の経済学者の予想だと、40年から50年先は今ある仕事の9割は人工知能やロボットが置き換えちゃうだろうと言ってるんです。
仕事がなくなるっていうのは厳密には正しくなくて、実際にはその人工知能やロボットと価格競争が起きる。どんどん賃金が下がっていくということが起こるんです。人工知能やロボットがやれる定型的な仕事はおそらく最低賃金に張り付いていく。年収100万円くらいが、スタンダードになっていくってことが起こると思うんですね。
ただ、もう1つ重要なことは人工知能やロボットではできない仕事がみんなのメインになっていく。クリエイティブな仕事を中心にして行かざるを得なくなるんですけれど、例えば、作家だとか歌手だとか画家だとかクリエイティブな仕事は、すでにとてつもない所得格差があるんですよ。
今後の方向性は、仕事は3層に分かれていくと思うんです。1つは、お金を右から左に動かして禿鷹(ハゲタカ)ような形で億単位の年収を稼ぐ人たち。
田中キャスター: 新富裕層という層ですかね。
森永さん: ええ。その下に定型的な仕事、会社に言われるまんま働くマニュアル労働の年収100万円層っていうのと、もう1つは年収10万円くらいしかないアーティスト。クリエイティブな仕事をするっていう、この3つに分かれていくんだと思うんです。
ただ、年収10万円だと「お先真っ暗じゃないか」と思われるかもしれないですけど、私がお付き合いしているクリエイティブな人たちは、アルバイトでなんとか生計を立てているんです。売れない役者さんとか、売れない作家とか、売れない歌手だという人たちも、割と幸せに暮らしてるんですよ。自分が表現するっていうことが楽しいんですね。私も童話作家とか歌手とかいろいろやっているんですけど、全部年収10万円には届いてないです、それぞれの仕事では。だけど楽しいんですよ。
ドラマの収録に行かしてもらって、そこにエキストラの人たちがいて、彼らに話聞くと1日のギャラ3000円ぐらいしかないんです。でも、「何でやってるんですか?」って聞いたら、みんな口を揃えるのは「楽しい」って言うんです。生活のためにやんなきゃいけない仕事もあると思うんですけど、楽しいっていうのを、どこが楽しいかってのを見つけて生きていくのがこれからの令和の時代に必要になってくると思うんです。
田中キャスター: 3つの、新富裕層がいて、年収100万のワーキングプアがいて、年収10万円の夢を追いかけるんだけども生活が苦しいという人がいて、随分格差がこれから広がっていくということは社会にとっては不安定、悪い時代ではない?
森永さん: 広がっていくんですけど、つらい時代ではない。私、農業もアートだと思っているんですけど、去年から農業を始めたんです。ぜんぜんお金稼げてないんですけど、すごく楽しいです。
田中キャスター: 社会の不安定要因ではなくて、それぞれ認め合うような、社会も変わっていかなきゃいけないと。
森永さん: 多様性を認める社会になっていくんじゃないかなって思いますけどね。
田中キャスター: これからですね。そういうふうに作っていかなきゃいけないということも言えるかもしれませんね。
森永さん、どうもありがとうございました。
森永さん: ありがとうございました。

放送を聴く
2019年4月3日(水)放送より

Related Articles関連

Latest新着

トップページへ戻る