山の演奏家 宮澤さやかさん&市川高嶺さんがご来店

23/12/23まで

石丸謙二郎の山カフェ

放送日:2023/12/16

#登山#ネイチャー#音楽

午前8時台を聴く
23/12/23まで

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登山を趣味とし、山を愛する石丸謙二郎さんが「山」をテーマに、さまざまな企画をお届けする<石丸謙二郎の山カフェ>。今回のテーマは、「山の演奏家」。山が大好きなバイオリニストの宮澤さやかさんと、ピアニストの市川高嶺(たかね)さんをお迎えして、これまでに行った山のエピソードとともに、すてきな演奏を披露していただきました。

【出演者】
石丸:石丸謙二郎さん(俳優・ナレーター)
山本:山本志保アナウンサー
宮澤:宮澤さやかさん(バイオリニスト)
市川:市川高嶺さん(ピアニスト)

山での演奏の楽しさとは?

山本:
山小屋での演奏経験があると伺いました。市川さん、どんなコンサートでしたか?

市川:
毎年秋に、「赤岳(あかだけ)鉱泉」という八ヶ岳(やつがたけ)にある山小屋で、「雲上のコンサート」というのを開催していました。2017年から始まって、コロナ禍を経て3年ぶりに、ことし4回目の開催となりました。

山本:
「雲上のコンサート」、すてきなタイトルですが、どんな内容なんでしょう? 1人でやるのですか?

市川:
1人で4回やっております。

山本:
山に来たお客様に向けて、演奏を披露する?

市川:
たまたま来たお客様や、テントにいるお客様も入場OKで。

石丸:
コンサートは、開催するきっかけがあったのですか?

市川:
赤岳に登りに行ったときに、赤岳鉱泉で休憩をしていたら、部屋の隅にピアノがポツンと置いてあって、「これ、きっと使っていないな」と思ったので、オーナーの方に「ピアノコンサートをしませんか?」と言ったら、「そういうことをやりたかったんですよ」と言われて。

石丸:
ストーブの横にある、あれですね? 斜めの壁のところに置いてありますよね。僕も、ことしの冬に、ちょっと触らせてもらいました。

山本:
市川さんは、赤岳鉱泉でどんな曲を披露されたのですか?

市川:
特に決めていなくて、毎回、自分でテーマを決めて、それに沿ってやります。ことしの場合は、「2023年メモリアル」の作曲家とか曲を演奏しました。例えば、没後何百年のブラームスとか、坂本龍一さんとか。

山本:
“下界”で演奏するのと、山の上での演奏は、違うものですか?

市川:
赤岳鉱泉の場合は、山小屋に行くまでに、少し登山をするのですが……。

山本:
どれぐらいですか?

市川:
2時間半~3時間弱ですね。

山本:
そこそこありますね。

市川:
体力を消耗しないことと、転んで手をけがしないようにすることを気をつけて……(笑)。夜からコンサートなので、体を温めたりとかして。

山本:
雰囲気は違いますか?

市川:
お客様が、皆さん遊びに来ている方なので、東京であるコンサートとはまったく雰囲気が違って、楽しいです。

石丸:
まさか、ここでピアノの演奏を聞けるなんて思わずに、みんなご飯を食べて。

山本:
山小屋での楽しさは、どういう感じなのでしょうか?

市川:
お客様がリラックスをして、気分が盛り上がっているので、とても乗せられる気分がしますね。アットホームな感じになります。

石丸:
山小屋って、木造りじゃないですか? 音がいいですよね。

市川:
とてもぬくもりがあります。

山本:
山小屋で聴いてみたい!

宮澤さんも「バイオリンを大自然で演奏されたことがある」と伺いました。どんな経験でしたか?

宮澤:
ことし、市川さんと一緒だったのですが、長野県の小川山のふもとにある、廻り目平キャンプ場で、アウトドア雑誌のクライミングのイベントで演奏する機会がありました。廻り目平は、私もすごく大好きな場所だったので、すごく楽しい思い出になりました。

石丸:
小川山は、岩登りの人たちがいっぱい来ているところ。あるいは金峰山(きんぷざん)の登山口でもあります。

山本:
崖をバックに演奏されたのですか? どんな曲を?

宮澤:
曲は、クラシックや映画音楽とか。

山本:
自然の中での演奏はいかがでしたか?

宮澤:
ふだんは、コンサートホールで演奏することが多いので、お客様も、みんなイスに座った状態で聴いてもらうことが多いのですが、キャンプ場なので、芝生の上に座ったり、寝転がったりして、自由に好きな感じで聴いてくれていたのが、とてもうれしかったです。

山本:
のんびりでいい感じ。

宮澤:
外だったので、おしゃれな北欧のトーチみたいなもので火をたいていて、煙が出ていたのですが、風向き(の影響)で、演奏中にモクモクと私のほうに来たり、虫が鍵盤の上に来たり、ちょっとしたハプニングはありましたが(笑)、すごくいい気分で演奏できました。

カトマンズでも演奏した曲を披露♪

山本:
お二人は、ネパールでも演奏された経験があるみたいですね。

石丸:
ヒマラヤに行ったのですか?

宮澤:
2016年に市川さんと一緒に、カトマンズの町にある、宿泊していたホテルの宴会場で演奏会をしました。

山本:
どうして演奏会をすることになったのですか?

市川:
これも、私が、ニセコのスキー場のペンションでピアノを弾いていたら、それを聴いていたお客様が、「自分は、ネパールに最近引っ越してきたんだけれど、そこでコンサートしませんか?」って声をかけてくださって。「行く行く!」と、すぐお返事をしました(笑)。

山本:
偶然の出会いから。お客様はどんな方が?

宮澤:
ホテルだったので、観光客もいますし、山登りに出かける方もいたり、いろいろな方がいました。

市川:
現地に住んでいる日本人の方もいましたね。

石丸:
ヒマラヤまで行ったのでしょう? ザックを抱えて行ったのですか?

宮澤:
大きなスーツケースと、バイオリンと、70リットルのぐらいのザックを持って、カトマンズまで行きました。

石丸:
演奏会のあとはどこまで?

宮澤:
楽器とか荷物をすべて置いて、あとは山の準備だけで。翌日から、カトマンズからルクラの空港まで飛行機で飛んで、そこから1泊して、ナムチェバザールまで。

市川:
ルクラというのは、エベレスト街道の玄関口となっている町なのですが、そこから歩き出して、ナムチェバザールという町まで歩きました。

山本:
いかがでしたか?

宮澤:
そこから1週間滞在したのですが、毎日出かけて、トレッキングとかをしたり、肉眼でエベレストを見ることができました。まさか、そんな日が来るとは思わなかったです。

石丸:
エベレストはやっぱり高い?

宮澤:
意外とたくさん山が並んでいるので、まず、どれがエベレストなのか全然分からなくて、「あれだよ」と教えてもらって、「あれか~」という感じですね。もっと奇抜な形の山が周りにいっぱいあったので、意外でした。

石丸:
そのときは、バイオリン持っていないんだよな。持っていれば、エベレストに向かって弾けたけれど(笑)。

宮澤:
そうですね(笑)。やってみたかったです。次回は持っていきたいですね。

石丸:
そういう意味じゃ、ピアノは持っていけないからね。

市川:
持っていけませんが、実は最近、ナムチェバザールにグランドピアノを置いてあるホテルがあるんです。富士山(ふじさん)より高い場所にあります。

石丸:
そこに行って弾いたのですか?

市川:
私が行ったときは、まだなかったのです。

山本:
じゃあ行かなくちゃ!

市川:
そうですね!

山本:
海外の山を見て演奏が変わったとか、山からの影響ってありますか?

宮澤:
直接的な影響というよりは、練習とかで煮詰まってきたときに山に行くと、気分がリフレッシュされて、新たな気持ちで演奏できるのは大きいかなと思います。いろいろなインスピレーションを得たりできますし。

山本:
市川さんはどうですか?

市川:
山に行くことで、いろいろな自然とか景色を見て、それが実体験となって、自分の演奏に、表現として還元できるようになっていると信じて、山に行っています。

石丸:
僕も言葉をつむぐ職業をしているけれども、これだけ登っていれば、影響されないわけがない。あのすばらしい景色を見たり、現象を見たり……。お二人の音楽が変わってきていると思いますね。

市川:
そうだといいですね。

山本:
それでは1曲奏でていただくことにいたしましょう。どんな曲をお願いできますか?

宮澤:
市川さんとネパールでも演奏した、思い出の曲です。モンティというイタリアの作曲家の「チャルダッシュ」という曲です。お客様もこれを聴いて、とても盛り上がってもらったので、ぜひ聴いていただきたいと思います。

山本:
私たちもカトマンズに行った気分になれそうです。

宮澤さん、市川さんによる、「チャルダッシュ」です。

♪チャルダッシュ 生演奏披露

山本:
ブラボー!

石丸:
情熱的でありながら、厳しさもあり……。ヒマラヤのラバが歩いて行く姿が思い浮かびました。

山本:
軽快さもあって。
エベレストに行ったときのことを思い出しましたか?

宮澤:
この曲を弾いたときも、お客様たちの手拍子とか盛り上がりが、日本と違う感じの熱狂ぶりで、それを思い出しましたし、念願のエベレスト街道の道のりのことも思い出しましたね。

山本:
お客さんは情熱的なのですか?

市川:
音が鳴ると、あちらの方は踊りだすことが多いので、やっぱり音が好きなんだと思います。「初めてバイオリンの音を聴いた」とか。

石丸:
今の曲は、うちの父親が弾いていたのよ。「六十数年前に聴いた曲だな」って。

山本:
マスター思い出の曲でもあるのですね。

石丸:
これ、自然の中で聴きたいね。

山本:
いつか、お二人の山のコンサートに行きましょう!


番組では、写真や番組へのメッセージの投稿をお待ちしております。また、最新の放送回は「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでお聴きいただけます。ぜひ、ご利用ください。

石丸謙二郎の山カフェ

ラジオ第1
毎週土曜 午前8時05分

詳しくはこちら


【放送】
2023/12/16 「石丸謙二郎の山カフェ」

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